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第九十七話 「気になること」
「気になること?」
孝也と駿が反応した。
「この企画を成功させるためには
みんなの力が必要だから協力してほしい。
一年生、二年生のみんなは
私たち三年生に気を遣わないでいいから、
気付いたことは遠慮なく言ってね。
この企画は、最年少の若武者が
創り出したものだから!!」って。
「最年少の若武者」
「俺はそんな若武者など存ぜぬぞ!」
孝也の言葉に八千草は
「もしかしたらだけど、
その若武者ってタロちゃんのことじゃないかな?」
駿がもしかしたらと
予感していたことを
この話を聞いた八千草も同じように
感じていたことで
駿の中で感じる予感はさらに強まっていった。