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第九十二話 「スクリーンの世界 続」
水辺に漂いだした映像の端に
何かが映り込む。
目をこらすと、カヌーだ。
するとミュージックが流れ出す。
この瞬間孝也、駿、八千草、菊池は気付く。
これは、あのとき海岸で見た光景だと。
次々とカラフルな旗を立てたカヌーが横一線で出てくる。
あの時と同じだ・・・
リアルな映像美がもたらす
演出とダンスの融合に
青組の人たちは
リハーサルであることを忘れて見入っていた。
応援団ですでに出番を終えている
孝也は、ニヤニヤしていた。
「これくらいじゃないと、
俺たち応援団も応援のしがいがないってもんだぜ」
孝也なりにかっこつけて興奮しているようだ。