第八話
連れて行かれた場所は、まるで人が住んでいるかいないか分からない廃墟のような雰囲気を持つ場所だった。
「ここがお父さんの鍛冶場よ。」
そう言い廃墟もとい鍛冶場へと入っていくリーナ。気が進まないが俺も後に続く。
しかし、中に入ると思ったよりもずっとまともだった。鍛冶場という物は見た事はないがこういうものなのだろうか。
内装は洋風なのか和風なのか分からないが物作りの工房らしく色々な工具が雑多に置かれている。
「どんな武器が欲しいんだ?」
「片手剣だってさ。良いのある?」
「あったかな・・・ちょっと見てくる。」
俺が工房の雰囲気を楽しんでいる横で親娘で仲良く話を進めていた。
工房の奥に武器置き場があるようで親父さんは武器を取りに奥へ入っていった。
「何してる!早く来い!」
奥で親父さんが叫んでいる。俺も行かねばならなかったようだ。
奥は武器庫だった。武器庫としか表現のしようがない。武器が所狭しと置かれており、武器コレクターの部屋でもここまで武器に埋め尽くされてはいないだろう。
「そういえば予算は聞いてなかったな。どの位出せるんだ?」
「20万デリスだってさ。良いの選んであげてよ。」
「分かった。となるとこの辺りか。」
そう言い武器を取ってくる親父さん。
「これなんてどうだ?」
だから武器なんて分からないって。親父さんが持ってきたのはやや蒼みがかった片手用の細長い剣だ。
俺は武器のことなんか分からない。だがこの剣は「カッコイイ」それだけは確信できた。
「良い剣ですね。こんな剣が20万デリスで買えるんですか?」
そう言うと親父さんは実に嬉しそうにこう言った。
「いやそいつは見せただけだ。そいつは500万デリスは下らない逸品だな。」
「・・・。」
完全に手に入れるつもりになっていた俺は余りの衝撃に完全に思考停止させられた。
「それがなんと!今回に限り特別に20万デリスでのご奉仕です!?」
「そんなわけないだろう。ただ見せびらかしたかっただけだ。」
「・・・・・。」
いやそんなど直球で見せびらかしたかっただけだなんて言われてもどうしろと。
「お父さん!トオルさんをからかわないでよ。トオルさん固まっちゃったじゃないの。」
「はは、悪い悪い。売るのはこっちだ。」
そう言いながら親父さんが出したのは似たような造りの鉄製の剣だ。
「こいつは鋼鉄で打った片手剣だ。こいつなら20万デリスで売ってやれるぞ。」
鋼鉄だったようだ。最初の剣程ではないが、これも悪くはなさそうに見える。だが、最初の剣を見てしまうとどうしてもそちらが欲しい。
まあ無い袖は振れないんだけどな。
「じゃあコレ下さい。ついでにもしあれば防具を売ってくれませんか?」
「防具か?まあないことはないが俺は武器鍛冶だからなぁ。」
「構いません。適当に見繕ってもらえますか?」
「分かった。じゃあ全部で30万デリスで良いな?」
「はい。構いません。よろしくお願いします。」
代金をアイテムボックスから現金化して支払い装備をアイテムボックスにしまう。
早速装備してみたいが、さすがにそれはやめておいた。ところが。
「装備してみたら?」
というリーナの声で、早速装備してみる。
浅野徹
LV21
HP3472/7350(創造神の加護)
MP320/320
力297(鋼鉄の剣+2)
敏捷158 (皮の靴)
防御348(鉄の盾)(チェインメイル-1)(皮の靴)
魔力126
大分見れるようになったな。というか装備の力が強すぎるだろこのゲーム。
ゲームの中だからあまり関係ないのだろうが、チェインメイル(鎖かたびら)が動きやすくて防御力は高そうに感じる。靴で防御力のみでなく敏捷が上がっているのも大きい。これで-1とは・・・。
装備の更新は優先的にしていこう。
「ありがとうございました。また武器を買いに来ると思うのでよろしくお願いします。」
「おう。お前になら売ってやるから金が溜まったらまた来い。」
アイテムボックスから30万デリスを親父さんに支払い俺は鍛冶場を後にした。