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第一話

連載予定です。よろしくお願いします。

俺の名前は浅野徹 今年で25歳の自称プロゲーマーだ。

MMORPGのRMT(ゲーム内の通貨を現金と交換すること)で何とか日々を食いつないでいる。


今日もゲーム内で通貨を稼いでいつものように購入希望者からのメールを確認していたら、恐ろしいメールを発見してしまった。

恐ろしくて内容はしっかり読んでいないが要約するとこうだ。


「ど~も~運営です~。君に用があるんで明日ちょっと社まで来てくれる?」


勿論こんなフランクな内容ではなかったが、俺の精神の安定の為こういう事にしておく。


だが俺は大混乱の真っ只中だ。このMMOのキャラが俺の稼ぎの全てであり、運営に目をつけられたということはキャラクターを削除される可能性が極めて高い。つまり明日から稼ぎが0になり、今ゲーム内にある資産も没収されてしまう。

RMTが公認されているMMOもあるがライバルが多く徹がやっているのはRMT禁止のMMOだ。


無駄な足掻きだと思いつつも俺は最寄りのネットカフェへ行き、ゲーム内の資産を全て他のアカウントに移した。その後、落ち着かないまま明日の用意をした。


行かないという選択肢も検討してみたが、キャラ削除の可能性を考えるとやはり行かないという選択肢は有り得なかった。


翌日、死刑宣告を受ける罪人のような気分で指定された住所へ向かう。足取りは重く、1時間は余裕を持って行動したはずが指定された住所へ着いたのは指定時間の5分前だった。


だがそれも仕方ないと思う。何故なら指定された住所は住宅街からやや外れた工場と工場の間にある家だったのだから。

とても会社に見えない。と言うよりどう見てもただの一軒家だ。改めて確認したが、この家で間違いない。

俺は意を決して、チャイムを鳴らす。


「はい。どちら様でしょうか?」

「本日お伺いする予定の浅野ですがこちらで間違いないでしょうか?」

「はい。今お迎えしますね。」

どうやら本当にこの一軒家が運営会社のようだ。ドアが開き、俺と同い年くらいの男が出てくる。

「お待ちしてました。それでは中へどうぞ。」

「失礼します。」

中へ入ってみるとやはり普通の一軒家だった。男に連れられ居間に通される。


「初めまして浅野さん。矢沢と申します。本日お呼びしたのはお仕事をお願いしたいからです。」


いきなり仕事をお願いしますと言われても何が何だか分からない。顔に出てしまっていたが少なくとも運営から罰則を与えられない流れなので乗るしかない。

「そうなのですか。どのようなお仕事をすれば良いのでしょうか?」

「浅野さんなら簡単なお仕事ですよ。ゲームをしていただくだけです。」

そうなのか。それなら確かに俺向けだな。

「それなら私にも出来そうですね。」

「今回お願いするのはデバッグ作業です。ゲームのバグ等を取り除く作業になりますね。今日からでもお願いしたいのですがよろしいでしょうか?」

急な話である。だがここで運営に逆らっても得になることは何もない。

「はい。大丈夫です。」

「では早速仕事を始めましょうか。仕事場へ案内するので付いてきてください。」


そう言い奥へと歩き出す。遅れて俺も付いていくが途中で恐ろしい事に気付く。

規約違反者である俺が運営で働くという事は、針のむしろの上で働かされるような物なのではないだろうか?雇用条件も一切聞かずに受けてしまったが、最低賃金なのは止むなしとしても残業手当など一切無しで24時間詰めさせられる可能性がある事に気付いてしまった。


とはいえ受けてしまった以上後の祭りである。大人しくドナドナされる。


心ここにあらずな状態で歩いていたら前で矢沢さんが止まる。その前にはやたら施錠が多いドアがある。そりゃもう怪盗でも来るのか?ってレベルである。


その鍵を1個ずつ外していく矢沢さん。俺はというとこんな異常な光景を目の前にしても心ここにあらずで自分の仕事への事ばかり考えていた。そうこうしているうちに部屋の鍵が全て外され部屋の中へ入る。

だがさすがの俺もすぐに異様さに気付く。部屋の中はやたらごつい機械が埋め尽くしていた。とてもここで何かの仕事を出来るとは思えない。思わず矢沢さんに尋ねる。

「ここが職場でしょうか?私はそこまで機械に強くはないので出来る事がないような気がするのですが・・・。」

「大丈夫ですよ。最初に言った通り仕事はゲームをしていただく事ですから。ここが職場であるかどうかは私にも答えるのが少し難しいですが。」

笑いながら要領を得ない事を言う矢沢さん。


ゲームをするのが仕事なのは良い。だがゲームを出来る環境とはとても思えないかと言って家に持ち帰るのも何か違うような気がする。答えるのが難しいとはどういう事なのだろうか?困惑している俺をよそに話を進める矢沢さん。


「それでは早速始めましょう。そこの椅子に座ってください。」

何やら怪しげなやたらごつい椅子を指してそう指示してくる矢沢さん。俺は大人しく指示に従う。

「それとこれをかぶってください。」

そう言い何やら怪しげなヘルメットのような物をかぶらせてくる。

「準備は良いですか?それではゲームスタート!」


いや準備も何もまだ何も説明を受けていないのだが。待って欲しいと声をあげようとした瞬間俺の目の前は真っ白になった。


最後までご覧頂きありがとうございます。


第二話は本日投稿予定です。

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