どんな化け物だって
話が飛んでその日の夜。なんとか闇を説得して人里で暮らさせるのに成功した。俺も闇も人間は嫌いだけど人の子は好きだから多分それで了承したんだろう。
「ま、説得出来て良かったよw」
「…外には出ないがな」
俺のさりげなく言った一言に柊は予想通り笑った表情のまま固まった。そりゃそうだ、それじゃあ柊が俺を誘った意味が無い。
「……お前…そーゆーのありかyo((」
「あり。人里で暮らせばいいのだろう?なら別に外には出なくとも良i(((」
「いいワケねえだろ馬鹿犬が!!!」
「誰が馬鹿犬だ小型犬!!!!」
「こっちの台詞じゃ俺のどこが小型犬だよ!!!!」
「脳みその小ささといいぎゃんぎゃんうるさい口といい全てが小型犬だろうが!!!」
2人で大声で言い合う。落ち着いてから顔を見合わせ爆笑した。久しぶりに笑った。柊の居ない一年間もそうだが、俺も柊もあまり家には戻らずにそこらで野宿する事が多い。俺からしてみれば三年ぶりのように思える。
「はぁ…はぁ…ぶっははっww…お前って何故か馬鹿犬は必ずキレるよなwwww」
「ふっ…っははwwwはぁ…お前こそ…小型犬てwwwwぶっwwはっ…ww」
久しぶりに見る闇の笑った顔。素直に「楽しい」という感情で笑うのは俺の前でだけだった。今も昔も身内にしか笑った事のない闇が、これから外に出て笑い合える者と出会うと思うと、不覚にも期待してしまう。こいつと友人になるのはかなり難しいだろうし、第一外に出てくれるのかどうか。でも、
「嫌がっても連れてくからな、色んな所に」
「ふふ…気が向いたらついてくよ」
もしかしたら闇も外に興味を持ったかもしれない。いい場所を探しておこう。ふと見れば窓の外の夜景を眺めていた。案外単純だな…。そうだ。昔は少しでも良い情報を与えればどんな場所でもついてきた。変わってないな、こいつも。
表面は非情な化け物。でも、化け物だって笑うんだ。
闇も昔は可愛い無邪気な子供だったのよ…あんなのでもね(((