………父と娘
このアロウナ大陸では、方角を表わす方法が二種類ある。ひとつはカイディア大陸と同じ、東西南北。そして、より一般的に使われている上下左右。
この大陸の中央にそびえる巨大な火山、アロウナ山を上、海を下。山を背にして、右と左。
いくつかの例外をのぞいて、ほとんどの城は下向きに開いている。つまり下側に正門がある。ランデレイルの城もそうだ。
その正門の前に、四人と一匹がいた。
門の両脇から延びる二重の板壁の向こうに篝火の明かりが見えるが、城兵の気配はひそとも聞こえない。
フィガンの屋敷が鎮火していないのは、ここからでも見える。それなのに何の騒ぎになっていないのは、兵力が少ないために城下町に兵を派遣する余裕がないのか。それでも様子見の兵が出ても、おかしくはないのだが。
だがそのようなことなどまるで関係ないかのように、ロウゼンが門の扉に手を掛ける。正門が開くのは軍が出撃するときのみ。その巨大な門が、今ゆっくりと開かれた。
門の向こうには、三万の兵が並べられる、だが今は無人の閲兵場がひろがり、さらにその向こう、ゆるい階段の上に主殿が見える。
門から見通せる城内全体が、篝火の明かりにゆらゆらと揺れている。ロウゼンは、わずかのためらいも見せずに、閲兵場に足を踏み入れた。そして、その中程まで進んだ時――
「正面から城に入ってくるとはな。このような馬鹿者どもに、お前は負けたのか」
「申し訳ございません、カクテス様。娘のことになりますと、どうにも」
がっしりとした体付きの女戦士が、二人の男を従えて、主殿から下ってきた。
一人はフィガン。左手をあげて、どこかに合図を送る。
そして、閲兵場のまわりに建ち並ぶ兵舎や牛舎から、多くの城兵たちが飛び出してきた。
「だから言っただろうが。この城には、千や二千の兵は残ってるってよ」
もう一人は――
「アルビル?貴様、なぜここにいる」
グルオンが、叫ぶ。
「あんたらと剣を買いにいった日にな、フィガンに俺たちは見られていたんだよ。昨日、フィガンがロイズラインをたつ前に、新しい契約書を預けておいた。あんたが俺を呼び出したときは、俺はもうランデレイルの城兵だったんだよ」
「お前は言ったはずだ。契約などくだらないと」
「ああ、本当にそう思ってるよ。契約なんぞのために、あんたをはめなきゃいけねえなんてな」
「この男の話で、アデミア王の親衛隊長殿は、仇討ちの好きな方らしいとわかったからな。きっとこの城まで来てくれると思ったよ。さあ、マーゴ、もういいだろう。私のところに戻ってきなさい」
その場で手を差し伸べるフィガン。それと同時に、まわりを囲む城兵たちが、剣を抜き放った――その時!
ロウゼンが吼えた。
「ひっ?」城兵たちが、声もなく数歩あとずさる。
「やれえっ!」
カクテスと呼ばれた女戦士が声をあげる。おそらく彼女が、この城の主なのだろう。
ロウゼンとグルオンがおのおのの剣を手に、カクテスらの所に突進しようとする。その二人の前に、マーゴが両手を広げて立ちふさがった。
「私が行きます」
「何を言っている?」
グルオンの声を無視して、マーゴが進んだ。
「マーゴ!」
そう叫んでマーゴを追おうとするグルオンの肩を、ロウゼンが掴みとめた。
「なぜだ?止めなくていいのか」
そう言って振り返ったグルオンが、息をのむ。
今吼えたのが嘘のように静かな表情で、マーゴを見つめている。
いや、今やすべての兵が、マーゴに注目していた。赤い月の光をただ一人その身に受けているかのような、そんな少女の上に、すべての人の視線が注がれる。
「お父さま。その左手は、どうされました」
ロウゼンに斬り飛ばされたはずの、フィガンの左手。
「これか?私が人の身体をつなぎ合わせることができるのは、お前も知っているだろう」
フィガンが、左手を目の前にかかげる。
「誰の腕です」
マーゴの躰を見えない光が走り、銀の髪が踊りだす。
「今は、私の腕だ」
「何をやっている。その娘を早く捕らえぬか!」
カクテスが再び命じた。手近な数人の兵士がマーゴに駆け寄る。マーゴは足を止めぬままうつむいた。
――この城に、私のまわりに、今どれくらいの人がいるんだろう。私のために、人が死んでいくのは、いやだった。私は、人を殺したいなんて思ったことは、一度だってない。本当に、人を殺したくはないのに。
(僕も死にたくなかった)
(痛かったよ)
(どうして助けてくれなかったの)
(何も見えない)
(どうして、どうしてあたし)
(あいつがいるよ)
(ほんとうだ)
(あいつだ)
あいつだ
あいつだ!
あいつだ!!
うつむいたままのマーゴの口の端が、大きく釣り上がる。目が大きく見開かれる。
恐怖という呪縛から解き放たれた今、そこにあるのは、復讐という名の歓喜!
絶望の涙と、狂喜の叫びがあふれだす。
月の光が踊り狂い、マーゴが顔を上げた!
――その一瞬で、城兵の半数以上が、倒れ、生命を失った。
そして、フィガン目掛けてマーゴが走る。
「何だ?」
グルオンが、辺りを見回す。何が起こっているのか、理解できない。
ロウゼンの腕はまだグルオンの肩に置かれているが、その目は、マーゴから一瞬も離さない。
ペグも豹にすがりついたまま、乱舞する赤い光を見上げている。
「まさか、これほどとはな。さすが私の娘だ」
幾十もの光をその身にまとわりつかせながら、フィガンはしかし平然とマーゴの目の前に立った。
「だが残念だな。お前の力は、法術師であれば防ぐのは容易なのだよ」
その拳が、マーゴの腹に食い込む。そして、崩れ落ちる少女を担ぎあげた。
「カクテス様。あとは――」
カクテスの目は、驚きと喜びに揺れていた。
「わかっておる。この力は、ミューザ様もお喜びになるだろう」
ヨウシュであれば防ぐことができるとはいえ、戦場にヨウシュはいない。
マーゴを抱えたまま、フィガンは主殿にかけあがった。それを追うロウゼンらの前に、生き残りの城兵が立ちふさがる。
「馬鹿が、血迷ったか」
待ち構える兵士にかまわずつっこむロウゼンを、カクテスが嗤う。半数が倒れたとはいえ、まだ千の兵は残っている。
だが、異常な状況に平常心を失っていたのは、カクテスら城兵の方だった。さもなければ、今のロウゼンの前に立ちふさがろうなどとは思いもしなかったに違いない。
ロウゼンが剣を振るうたびに、腕が、首が、ふたつに別れた胴体が転がり、地面を赤く染める。今まで唯一の隙であった背中はグルオンが完全に塞ぎ、毛筋ほどの傷さえも付けることが叶わない。
「何をしている!それでも、わがランデレイルの精鋭か!」
わめくカクテスの視界を、ロウゼンの体が塞ぐ。
カクテスの首が落ちたとき、残った城兵は剣を捨てた。城主が死ねば、城兵の戦う理由は、もはやない。
抵抗の消えた中を、ロウゼンがマーゴを追って主殿に駆け上がる。戦いの渦の外にいたペグと豹も、その後を追った。
だがグルオンは、腰を抜かしたかのように座り込む男目指して歩いた。
「私は言ったはずだな。戦場で会えば殺すと」
「し、仕方ねえじゃねえか。契約だったんだしよ。そ、それに城主ももう死んじまった。戦いは終わった。もうあんたと俺は、敵じゃねえ……」
必死に言い募りながら、手足を動かしてグルオンから遠ざかろうとするアルビルの体に剣を打ち下ろし、グルオンはロウゼンを追って主殿に向かった。
「カクテスを討ったか。ふん。まあ、サニトバでさえ敵わなかったお前に、あいつごときが勝てるとは思わなかったがな」
主殿の大広間の更に奥。三方を御簾で隠された部屋に、フィガンとマーゴはいた。
フィガンは、右手に曲刀を下げ、左腕をマーゴの細い首にまわしている。
「ロウゼンさん……」
首を抱えられたまま、マーゴがつぶやく。その瞳に、最前まであった覚悟も、落ち着きもすでになかった。
ただ、救いを求める、力ない少女の瞳。
「返せ」
ロウゼンの言葉を、フィガンが嘲笑う。
「何を返すんだ?この娘は、私のものだ。それにしても――」
口の端を歪めたまま、フィガンが灰色の目を細めた。
「あの男は強いな。非常に興味深い」
マーゴの耳にささやく。
「あれから私の技術も上がってね。まったく体格の違う者同士でも、筋肉の移植ができるようになった。そろそろお前にも試してみようと思っていたが、あの男のものはいいんじゃないか」
うつむいたマーゴの肩が、震える。
「あー」「マーゴ?」
ペグと豹、そしてグルオンが、相次いで部屋に入ってきた。
「貴様の主人は死んだ。あきらめたらどうだ」
「あいつが俺の主人だと?とんでもない。契約はともかく、私の忠誠心は、今はミューザ王のもとにある。――ほう、金色の豹か。獣の筋肉を移植するというのもぜひやってみたいな」
ペグが豹にしがみつく。
「さあ、あいつらはお前のために来てくれてるんだろう。もういらない、帰ってくれと言ってやりなさい」
マーゴはうつむいたまま動かない。ただ、自分の首を締めあげる、浅黒い腕の色を見ていた。フィガンの肌とは、違う色のその腕。躰の震えが大きくなる。
「貴様はわが夫の仇だ。その娘がどうなろうとも、お前は逃がさん」
「そう思うのならば、かかって来ればいいだろう」
グルオンに曲刀を向けて、挑発をする。
その一瞬の隙を突いて、ロウゼンが突っ込んだ!
「馬鹿が!」
フィガンの曲刀がひるがえり、背後に張られた一本のひもを断ち切る。その瞬間――
ザスッ!
御簾を引き裂いて、無数の矢がロウゼン目掛けて飛び出した。
「――?」
矢を切り払おうとロウゼンは剣をかかげ、気付いた。狙いのずれた矢が、ペグに向かっている!
「う……ぐ、ロ、ロウゼン?」
自分に向かってきた矢を切り払い、篭手で防ぎ、それでも逃した幾本かの矢を肩や脚に受けて膝をついたグルオンが、ロウゼンににじり寄った。
ペグは茫然と、立ち尽くしている。自分よりも低い位置にある、針ねずみのように矢の突き立ったロウゼンを見下ろして――
「くっくっくっ。これはな、カイディアの機械弓というものだ。鋼の矢を飛ばし、鉄の鎧すら貫くという。密林ではものの役には立たんが、罠に用いるにはなかなか……。ん?どうしたマーゴ?」
フィガンの左腕に、マーゴの白くて細い指が食い込んでいた。腕が、肩が、躰が震える。少女の白い肌が、淡く朱に染まる。
ああああああぁぁぁぁぁ――――――
マーゴが雄叫びをあげ、フィガンの左腕を引きちぎった。
「何ぃっ?」
その目を深紅に染めたマーゴが躰をねじり、フィガンの脇腹に右手をねじ込む!
ぐう……
背中からマーゴの腕が突き出し、フィガンの口から鮮血があふれでる。そしてマーゴの躰を、刀を落とした右手で抱え込んだまま、膝から崩れ落ちる。
「な……なんだ。キシュの、力……も、宿っている……。さすが……私のむ、す……め」
「うるさい!私を娘と呼ぶな!」
マーゴは悲鳴にも似た叫びを上げ、フィガンの右手を振り払って立ち上がる。倒れた男の伸ばした右手の先から、淡い光が浮かび上がり、マーゴに向かって漂ってくる。
ヨウシュの力を持つものが、最後に残す想いの光――赤く透き通った、きれいな光。
「そ……んな」
その光を躰に受けとめて、マーゴは我に返った。そしてフィガンの顔を見下ろす。左腕と脇腹、そして口から血を流しながら、それでもやわらかな笑みを浮かべた男の顔。
その身に宿す多くの子供たちの、痛み、悲しみ、恨み、怒り、さまざまな想いを果たした今、彼女の心に残っているのは自分だけには優しかった男への想い。
たとえどんなに歪んでいようとも、男が彼の娘を愛していたことに間違いない。他の誰でもない、己が子供に力を与えようとしていたこと、そして、あのきれいな最後の光が、その証だった。
男の流した血溜りの中にひざまずき、優しかった右の腕を掻き抱く。すでに体温を失いつつある手のぬくもりを感じながら、涙を流す。
「お父さま……」
無意識に口をついて出た言葉が、マーゴの意識を突然に切り替えた。もう一人の父――
「ロウゼンさん?」
フィガンの手を離し、躰ごと振り返る。命を失ったその腕が、血溜りの上に落ちて音を立てる。その音と同時に、体中に矢の突き立ったロウゼンが目に入った。
「ロウゼンさんっ!」
ロウゼンは横たわったまま、身体に突き刺さった矢を、一本ずつ抜き取っていた。
鏃に肉が絡み付くのにもかまわず、力ずくで引き抜く。どれほどの痛みがその身に走っているかはわからないが、ロウゼンは眉ひとつ動かさない。だが――
新しい傷穴が身体に開くたびに、勢い良く血潮が吹き出す。幾つかの矢は動脈を傷つけているのだろう。鼓動と同調して、鮮やかな赤い血が吹き上がる。そして腹部に刺さった三本の矢は、明らかに内蔵に達していた。
「ロウゼンさんっ。ねえ、ロウゼンさんは大丈夫ですよね?」
マーゴがグルオンに叫ぶ。
「わからん。弓矢という武器は見たことはあるが、それの創った傷は……。今すぐ治療師に見せることが出来れば」
だが、この城の城兵だった者に、治療師や法術師の居場所を訊くことは出来ない。なぜなら、今この城の次の城主たりえるのは、カクテスの首を取ったロウゼンであり、そのロウゼンの首を取れば、この城を手に入れることができる。それが統一法。グルオンも矢傷を負った今、彼の負傷を報せるような、そんな危険は犯せない。それにこんな真夜中に町へ出ても、簡単に治療師を見付けることは出来まい。第一、ロウゼンには、それだけの時間は残されていない。
ロウゼンは、それでも一本、また一本と、矢を抜いていく。身体の下の血溜りは、刻一刻と拡がり、それにつれて、ロウゼンの身体から血の気が失われていく。みぞおちの矢を抜いたときには、ついに口から血を吐いた。
「マーゴ。あなたは法術を使えるんだろう。癒しを――」
グルオンの言葉に、マーゴは首を振る。
「駄目なんです。力は私の想いに宿っているわけじゃない!思うままにはならないんです!」
そしてマーゴは顔をあげた。
「ペグさん、お願い。ロウゼンさんを助けて。ねえ、このままじゃあ、ロウゼンさん死んじゃう」
ペグは顔をくしゃくしゃにしたまま、その場に立ち尽くしている。
ロウゼンは、太ももに刺さった矢を抜いた。それも動脈を傷つけたのか、鮮やかな血を吹き出すが、すでに勢いはない。
「お願い。ロウゼンさんを――お父さんを、助けて!」
「うあぁ」
ペグがロウゼンの頭にすがりついた。
ロウゼンは最後の一本を抜き、そしてペグの頭をひとつ撫でる。
ロウゼンの頬を、ペグの涙が濡らした。
「ペグさん。治れって。お父さん元気になってって。お願い」
「う……お……お父……さん……お父さん!お父さーん!」
すがりつくペグの手から、いや、体中から、淡い光がにじみ出る。光がロウゼンの身体を覆い、赤く輝く。血の色とも、暗き月の色とも違う、純粋な想いの色。
――そして光がすべてロウゼンに吸い込まれたとき、ロウゼンの傷はすべてふさがっていた。
「よかった。ロウゼンさん――」
「――すごい。呪も印もなしで……」
グルオンが半ばあきれたような声を出す。ロウゼンの傷は、明らかに致命傷だった。レイスがもしこの場にいたとしても、助けられたとは思えない。それなのに、こんなに小さな子が。だが、傷がふさがった証に、ロウゼンが上半身を起こした。
「お父さん。お父さん」
ペグがロウゼンに飛び付く。が、女の子の軽い身体さえも支えきれずに、後ろに倒れこんだ。
「ロウゼンさんっ!」
マーゴが悲鳴をあげる。しかしグルオンは、彼女を安心させるように笑顔を浮かべて首を振った。
「大丈夫だ。血が足りないんだろう。いい薬草を持っているから服むといい。それよりペグさん――」
さん付けになっている。
「私の怪我も治してもらえないか?」
グルオンの傷は、幸い太い血管を外しており、きつく縛った布でなんとか血は止まっていた。
ペグはグルオンを見上げ、そして、マーゴ、ロウゼンと、目を移した。ロウゼンがグルオンへとペグを押しやる。
「うー」
ペグはグルオンの傷口に手をかざすが、何も起きない。
「ちゃんと治れって念じないと」
マーゴが助言をする。ペグの手に、光が灯る。
「熱ッ?」
グルオンが飛び退いた。
「燃やしちゃだめっ!」
マーゴが叱る。
突然笑い声が聞こえた。
マーゴとペグは、驚いてロウゼンを見る。ロウゼンが声をあげて笑うのをはじめて見た。
ロウゼンに、ペグとマーゴが抱きついて、ひとしきり笑いあう。それが一段落するのを待って、憮然としていたグルオンが言った。
「ロウゼン。この城は、城主を斬ったあなたのものだ」
「――そうなんですか?」
何も言わないロウゼンに代わって、マーゴが訊ねる。
「統一法ではそうなっている。主従契約を結んだ城兵が城主の首を取ったときは、その城の支配権は主人のものだが、ロウゼンは誰の配下でもないからな。私は今まで実際の例を聞いたことはないが、錬成館では、みんなそうやって城を取るんだ、なんて話してたから」
「お前は、どうする」
ロウゼンが、もう一度身体を起こした。
「あなたがこの城で戦うのなら、私も――」
グルオンは、閲兵場での戦いを思い出した。後ろを振り返らず、常に前に向かって剣を振るうロウゼンの後ろで戦うことは、彼の背中を護って戦っている自分が、逆に護られているような安心感があった。
「お前は、俺の背中で戦え」
「え……は、はい」
グルオンは、思わずうつむき、頬に手をやる。
レイス……。私は、盾を持つ手を、見つけたようだ。
「あの……私は――」
マーゴが、おずおずとロウゼンを見上げる。フィガンを討った今、ロウゼンがマーゴを護る理由がないのではないか。それを怖れた。
「俺の娘だ」
マーゴの顔が、明るくなる。銀の瞳が輝いた。
「はいっ。お父さん!」
第一部・剣と盾 完
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
皆様のおかげで、赤い瞳の天第一部〜剣と盾〜無事終了いたしました。
このあとは、少々お時間をいただいたあと、第二部の連載に移らせていただきたいと思います。
たぶん、一月中には再開できるものと考えておりますが、もし感想をいただけましたなら、きっと再開時期も早まるかと^^
読者の皆様方のお言葉が、物書きの糧でございますから。
では、しばしのお別れの前に、第二部の予告などを――
赤い瞳の天
第二部・闇の瞳
あの男が死んだという噂が、遠く離れた地に暮らす一人の女の耳に届いた。その男は、かつて彼女がたった一人愛した男であり、そして彼女が生んだたった一人の娘の父親であった。
女は残された、いや、あの男に奪われた娘に会うため、隊商に身を寄せる。
一方、ランデレイル城主に収まったロウゼンの元で、グルオンが頭を抱えていた。
城を守る兵はおらず、新しく雇うための金もない。このままでは、周囲の勢力に攻め入られるのは時間の問題だ。そのとき無情にも、統一法に則った宣戦布告の声が城内に響く。
COMING SOON……
追記 次回更新時より、タイトルがシリーズタイトル「赤い瞳の天」のみになります。ご了承ください。




