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第2話:お守り役は魔法剣士

「ハルト、右! カケルはマイの後ろに下がって!」


ハルモニアとして受ける初めてのギルド依頼は、森の魔物討伐だった。 ユウマは当初「お守り」として見守るつもりだったが、駆け出しの4人の戦いは見ていて冷や冷やするものだった。


「あ、あわわ……魔物がこっちに!」 ビビりな付与術師のカケルが腰を抜かしそうになり、槍使いのハルトが必死に応戦するが、連携がバラバラだ。


「危ない!」


背後から迫る魔物の爪がカケルに届こうとした瞬間、ユウマの体が反射的に動いた。 黒いローブを翻し、腰の剣を抜き放つ。


「氷華、吹き荒べ!」


ユウマが放った氷属性の魔法が、一瞬で魔物の足を凍りつかせ、鋭い剣閃がその喉元を貫いた。 元Bランクの実力は伊達ではない。 それどころか、自分でも驚くほど魔法の威力が増している。


「……すごいや、ユウマ兄さん!」 「あたい、やっぱりユウマと結婚する! 今すぐ式を挙げよう!」 「……ふん、お守りにしては上出来ね」


マイの求婚を「女性には興味がないんだ」といつものようにあしらいつつ、ユウマは胸の奥が熱くなるのを感じた。 彼が動いた時、無意識のうちに体内の何かが共鳴したような、不思議な感覚があった。


一方、その頃――『オーバーロード』拠点


「……どういうことだ、アンナ。ユウマはどこへ行った」


ようやく目を覚ましたタケヒロが、冷徹な表情でアンナに詰め寄っていた。 いつもは穏やかな彼の瞳には、隠しきれない怒りが宿っている。


「言ったはずよ、タケヒロ。彼はパーティを抜けたの。恋愛禁止条項に従ってね」 アンナは優雅に弓の手入れをしながら、勝ち誇ったように微笑む。


「嘘をつくな! ユウマが俺を置いて行くはずがない。お前が無理やり追い出したんだろう!」


タケヒロの剣気が部屋を圧するが、アンナは動じない。


「なら、追いかけてみる? 無駄だと思うけれど。彼は今頃、どこかのFランクパーティと馴れ合っているみたいだし」


タケヒロは拳を握りしめる。 (ユウマ……待っていてくれ。俺も必ずSランクへ行く。そして、お前との誓いを果たす)


彼はわざとクエストの歩みを遅らせながら、ユウマと再会する好機をうかがう決意をした。

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