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第6話 託宣の時

プシュケーのこれからが決まっていきます

「そう、まだプシュケーには婚儀の相手が決まってはいない」

プシュケーの父と母、つまり、王国の王と王妃は深いため息をつきました。

三姉妹の姉二人には、相手が見つかったものの、末娘のプシュケーの相手は

一向に決まることはありませんでした。


「とても美しく、素直でいい子なのに」

「あまりにも美しすぎるのも考えものなのかもしれんな」

王妃の嘆きに、王は遠いところを見て、ため息をつきました。

「私達もアフロディーテの再来と言われ

 愚かにも、そのウワサを広めてしまった罰があるのかもしれぬ」

「神がそのような狭量な理由で、人の幸せを妨害するのでしょうか」

「何が神の逆鱗に触れるのかは、人である我々には、測ることはできぬよ」


「なればこそーーーー」

王と王妃の会話に口を挟む者が現われました。

美しい竪琴を持ち、風と共に現れた金色の柔らかな巻き毛の彼。

王と王妃は、呆然としながらも、その姿にただならぬ気配を感じ、そのまま膝をつきました。


「人であるお前たちに判断がつかぬのなら、我らに託せ。我こそは予言の神アポロンの遣いの者」

使者は、竪琴を弾き始めました。

「プシュケーは、人ならざる者の目に留まり、此度、娶る者が現われた」


「なんと!」

王は、使者の言葉に喜び、その場で伏しました。


「喜ぶのか、人の王よ。なれば、明後日の夜、高い山の嶺に少女を置け。

 死に行く嫁入りの装いに飾り立て、身一つで少女を置き去りにせよ。

 婿になる者は、人ではない。荒く猛々しく、マムシのように、毒々しい男よ。

 よいか。葬列を成せ。少女の婚儀ではない。葬式と思え。

 二度とお前たちとは会う事はなく、プシュケーは人ではない者と共になる」


美しい竪琴の音と共に託宣された、神からの予言は、プシュケーの親である父と母には

到底、受け入れることができない内容でした。


ですが、託宣を断れば、託宣の内容以上の災厄が王国にやってくることが

わかっている王と王妃は、予言の神アポロンの使者の託宣を受け入れるしかなかったのでした。


使者は、竪琴を鳴らし終えると、音もなく消え去り、後にはただ、プシュケーの身の上を嘆く

両親が力なく、床にうずくまっているのでした。

続きます

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