第5話 プシュケーの胸の内
更新に少しお時間頂きました。冬季オリンピックの開会式でアモールとプシュケー出て、個人的に湧きました。
恋の矢による激しい恋慕に身を焦がしているクピドが
アポロンの策の成就に右往左往している間。
クピドの想い人であるプシュケーは、深い溜息をついていました。
(私は誰にも愛されてはいない)
父や母、二人の姉、城内の人々、城外の人々・・・・・・プシュケーを取り巻く人々の
態度、言葉遣いは、日に日に、プシュケーの胸の内にある疑惑を育てていました。
豪華な贈り物、神の再来という賛辞、身に余る誉め言葉は、プシュケーの上を
ただただ、通り抜けていくだけでした。
プシュケーの胸の内に育った疑惑が、決定的な確信に変わってしまったのは
二人の姉の結婚が決まってからでした。
二人の姉は、別の王国へと嫁ぎ先が決まり、婚礼の支度に勤しんでいました。
プシュケーは、二人の姉の結婚を心から喜びましたが、心の片隅で
こう思っていたのでした。
(誰も、私を妻に、と望んでくれはしない・・・・・・)
二人の姉も薄々は、そう気づいていました。
大事に大事に育てられた可愛く美しい妹に、婚姻の話がひとつもないことに。
そのことがあるからこそ、自分達の尊厳が守られている事に。
「大丈夫よ、可愛いプシュケー。きっと素晴らしい嫁ぎ先が決まるわ」
「そうよ。まだ、素敵な人が現われていないだけよ」
続きます




