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第4話 予言の神アポロンの策

このお話でのアポロンは、予言の神アポロンとして出ています。

クピドにとって、アポロンは義兄弟にあたります。

全知全能の神ゼウスを父と持つからです。

アポロンは、クピドを可愛い弟のように思っていますが、それは建前みたいなもので

本音を言うと、少々、付き合うのがメンドくさい奴、です。

それもそのはず。

アポロンは、昔、クピドの悪戯心から放たれた恋の矢によって痛い恋を経験してるからです。

その出来事を根に持つことはありませんでしたが、クビドが来訪してくることを

小間使い達から聞くと、嫌そうな顔をしたのは、確かです。

メンドくさそうに、気だるそうに、息せき切って飛んできたクピドを居城に迎え入れました。


「へえ」

意地悪そうにアポロンは笑いました。

「な、なんだよ・・・」

バツが悪そうにクピドは言葉を返すと、アポロンの居城にある客間のふかふかのソファに

身体を無造作に預けました。

「もうわかっているだろ・・・このざまだよ」

「まあ、僕も君の矢には苦心させられたからね。それで?何をしてほしいんだい?」

「言わなくてもわかるだろ・・・」

「さあ?少なくとも、その態度は予言の神アポロンに

 大切な頼みをしに来た者の言葉ではないのは、わかるよ」


クピドは、起き上がり、真剣な顔で頭を下げました。

「頼む。プシュケーを妻にするために協力してほしい。お願いします」

「それは予言の神アポロンに頼んでいるんだね?」

「そうです」

「わかった。引き受けよう。ただし、条件がある」

「僕ができることなら、なんでも」

「僕が頼んだ時、恋の弓矢の腕前を借りてもいいかい?

 それこそ、僕が極上な可憐な少女に出会った時に」


アポロンのその言葉に、クピドは思わず、安堵の微笑を浮かべました。


「任せろ。たまーに失敗するけれど、たまーにだ。というか、今回、初めてなんだよな」

「へえ」

「母アフロディーテの命で動いたんだけどさ」

「へえ?」

「プシュケーと醜男を結び付けろってさ。いつになく、酷い命令だよな」

「そうかな?」

「だって、そうだろ?醜男と結ばれたら―――ああ、口に出すのもおぞましいが

 プシュケーがそんなことになったら、可哀想じゃないか。

 きっと母の企みは、美しいプシュケーへの妬みや意地悪から思いついてると思うね」

「へえ」


アポロンは、お気に入りの葡萄酒をクピドに勧めながら、つぶやくように言いました。

「あのアフロディーテが、そんな小さな感情でお前を動かすかな?」

「え?」

「いや、アフロディーテが絡んでいるなら、素早く実行したほうがいいな」


アポロンは、予言の神として出来る事、そして、クピドのやるべきことを伝えました。

「さあ、我が兄弟でもあり、好敵手よ。急がれよ。

 君の愛しのプシュケーが、気まぐれの女神に攫われる前に」

続きます

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