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引きこもりオタクのYouTuberはバーチャル仮想空間でクラスメイトの女性徒と恋をする  作者: 東雲明


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第11話 反撃の狼煙

暗闇に支配された仮想空間の闘技場。アキトのアバターは、冷たく輝くマルクスの漆黒の鎧を前に、膝をつきそうになる。マルクスの赤い瞳がアキトを射抜き、嘲笑が空間を切り裂く。

「引きこもりのゴミが、俺に逆らう? リオンはもうすぐ消える。お前との思い出も、跡形もなく!」


アキトの心臓は恐怖で締め付けられた。*リオが消える*——その言葉は、彼の胸をナイフで抉るように突き刺さる。仮想空間とはいえ、リオの笑顔、彼女と過ごした時間の断片が、目の前で薄れていく感覚に耐えきれなかった。*逃げたい。こんな化け物に勝てるわけがない。* かつての自分なら、モニターの電源を切り、布団に潜り込んでいただろう。手が震え、視界が揺れる。マルクスの剣撃が空気を切り裂くたび、アキトの心は縮こまり、過去の失敗——ゲーム配信で炎上した夜、視聴者に嘲笑された記憶——がフラッシュバックする。*俺は…やっぱりダメなやつだ…。*


だが、その時、頭の片隅でリオの声が響いた。「アキト、君ならできるよ。」仮想空間で初めて出会った時の、彼女の温かい笑顔。彼女を失いたくない——その一心が、恐怖に飲み込まれそうなアキトの心に小さな火を灯した。


仲間たちは管理端末を囲み、必死でゲームのコードを書き換えていた。ハッカー気質のタクミが叫ぶ。「ポイント制、導入完了! アキトがマルクスにダメージを与えるたび、リオのメモリーが回復する!」

ユウカがモニターを覗き込み、声を上げる。「配信、100万ビュー突破! コメント欄はアキトへの応援で溢れてる!」


モニターには、世界中からの声が流れていた。

「アキト、負けるな! リオを救え!」

「マルクスの不正、ぜんぶ暴いてやる!」

マルクスの学園内での悪事——賄賂、脅迫、データ改ざん——を告発するコメントも増え、エレナ教授は証拠書類を手に決意を固める。「これでマルクスを追い詰められる。だが、アキトが持ちこたえてくれなければ…!」彼女は急いで国家機関への提出準備を進めた。


アキトの心は恐怖と希望の狭間で揺れていた。マルクスの剣撃が迫るたび、*死ぬかもしれない*という恐怖が全身を支配する。だが、モニター越しに流れる視聴者の声援が、アキトの耳に届く。「アキト、動け!」「お前ならやれる!」 かつてゲーム実況で味わった、視聴者との繋がり。それが、彼の凍りついた心を溶かし始めた。


*俺は…逃げない。リオを、仲間を、裏切るわけにはいかない!*

アキトは深呼吸し、かつてのゲーム実況者としての感覚を呼び覚ます。敵の動きを読み、隙を突く——何百時間も磨いた技術が、身体に蘇る。「マルクス、お前のルールで遊ぶのは終わりだ!」

彼はマルクスの剣撃を紙一重で回避し、光の矢を放つ。**ヒット!** リオのメモリーバーがわずかに回復し、アキトのHPも上昇する。


マルクスが動揺を滲ませる。「何!? システムが…!」

「仲間たちが書き換えたんだ。お前を倒せば、リオの記憶が戻る!」アキトの声には、恐怖を乗り越えた確かな力が宿っていた。


だが、マルクスは狡猾に笑う。「甘いな。」彼は管理者権限を悪用し、闘技場に無数の分身を召喚。一斉にアキトを囲み、攻撃を仕掛けてくる。「お前の希望も、リオンとの思い出も、俺が全て消し去る!」


アキトの心に再び恐怖がよぎる。*こんなの…無理だ…。* だが、コメント欄に流れる視聴者の声——「右の分身が本物だ!」「アキト、動きを読め!」——が彼を支える。*仲間が…みんなが、俺を信じてくれてる。* アキトは恐怖を振り払い、本物のマルクスを見抜いて突進。渾身の一撃を叩き込む。

**クリティカルヒット!**

リオのメモリーバーがさらに回復し、観衆の歓声が響く。アキトの胸に、初めての確信が芽生えた。*俺は…勝てるかもしれない。*


コメント欄は熱狂に沸いていた。

「アキト、めっちゃカッコいいぞ!」「マルクスの不正、ぜんぶバレてる!」

エレナ教授は証拠書類を国家機関に送信。マルクスの悪事が明るみに出る瞬間が迫っていた。


マルクスは焦りを隠せない。「ふざけるな…! 俺が負けるはずがない!」彼は空間を歪ませ、アキトを奈落へ引きずり込もうとする。だが、アキトの瞳に迷いはなかった。*リオを…仲間を…守るんだ!*

かつてのゲーム実況の技術と、仲間たちの支えを胸に、アキトは最後の反撃を仕掛けるーー

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― 新着の感想 ―
引きこもりで居場所のなかった主人公が多くの声援を背に悪と戦う、王道で気持ちがいい展開ですね!続きが気になります!
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