引きこもりオタクはバーチャル仮想空間でクラスメイトの女生徒と恋をする〜第1話〜
しがないYouTuberアキトは、学校へは通わずゲーム実況にのめり込んでいた。その一方で彼は、思いを寄せるクラスメイトの美少女を、マルクスの魔の手から守るため学園中に監視カメラを仕掛けていた。これが彼なりの正義感だった。
ルミエールアカデミー医療専門学校の地下深く、小さな暗い部屋で、俺、アキトはパソコンのキーボードを叩いていた。
俺の趣味はYouTubeのゲーム実況生中継配信。毎日決まった時間に配信を開き、スコアをため、ランクインし、視聴者のコメントに返信するためには、学校なんか行っている暇はない。それに、学校へ行かない理由はもう一つあった。
ヴェルナー家の末裔、マルクスとその手下共だ。奴らは純潔家系を鼻にかけ、カネで学園を牛耳り、好き勝手している。教師たちは奴の言いなりになり、いじめや体罰があっても国家に報告出来ずにいる。奴らは俺のことを「キモいオタク」などと呼ばわり、クラス中が「アキトはキモいオタク」とレッテルを貼った。それで俺は学校へ行くのをやめ、ゲーム実況配信に逃げ込んだ。
しかし、だからといってゲームばかりやっている訳ではない。俺は学園中に監視カメラを仕掛け、マルクスの奴らが悪事を働いていないか見張ることにした。もし尻尾を掴めば、動画を国家に提出し、奴らの悪事を暴き、クラスを救うことが出来る。自分が傷つくことなく大切な人を守るーこれが俺の正義だ。
俺が特に心配していたのは、クラス一の秀才で美少女、リオだった。彼女はマルクスに獲物にされやすい。俺の卓越したテクノロジー技術で彼女を守る。君にだけは、手出しさせない。