つま先のメメント・モリ

大学生の野坂と川瀬は生まれも育ちもまったく違う。野坂の子どもの頃は掃き溜めのような世界だった。長屋の市営住宅で周囲にはヤクザやアル中、ギャンブル中毒など暮らしていて負い目を感じていた。川瀬は土地持ちの子どもで子どもの頃から絵を習い、どこかしら不思議なランク上の人に思えた。

高校のある日、川瀬は写真部の野坂からモデルを頼まれた。撮影は朝、野坂は丁寧に時間畳むように撮る。そんな穏やかな時間が続くと思われた矢先、撮影が終わった。
川瀬は急に涙があふれた。やがて彼女はできた作品を見て野坂の心に自分の心を封じ込められた気がした。

野坂と川瀬は理解し合えるのか。川瀬の野坂に対する苦しい気持ちは救われるのか。野坂の幼少期の劣等感は川瀬との恋にどんな影響を与えるのか。

等身大の二人をお読みください。
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