入学前➀
私達の正確に言うと私の弟はいや義弟になるのかな?でも可愛いから弟でいいよね。
この子はラルファイアと名付けられました。
ものすっごくお父様似と云うことはお父様に似ている私似。
ミルクショコラ色といえば聞こえはいいがまぁいうならうっすい茶色の髪の毛にアンバーの瞳。
お気付きでしょう超地味。
でもね色だけで見たら超地味だけど、やはり公爵家なのですわホホホ。
パーツが良いのよパーツが。
お目々パッチリで親子三人とも輪郭に合わせてこれ以上はハマるところはないと言うくらいの場所に鼻も口も配置されてるの。
丁度よい大きさで。
お父様はイケオジだし私は美少女だし弟は美赤子?
ここまで似ると笑えるほど親子そっくりだった。
でもねマルシェの事を考えちゃって私お父様にお願いしたのよ。
8歳の子供が言っても無邪気で許してもらえるでしょう。
「お父様、内緒のお話しがあります」
「どうしたんだいエル」
「あのねラルの色私とお揃いでしょう」
「そうだね姉弟そっくりで私は嬉しいよ」
「私も嬉しいわ、でもねそうすると周りからマルシェが浮いてしまうでしょう」
「⋯⋯」
「だからもう一人お義母様に産んで頂きたいの!お父様頑張って下さいませ!」
どうかな?
無邪気な文字通り邪気の無い感じでお強請りできたかしら?
私の考えとは裏腹に何故かお父様は口をパクパクさせてたけど「わかった」って仰ったわ。
あ~良かった。
これで来年か再来年にはもう一人産まれそうね
お励みになってお父様!
月日の流れは早い早い来年には学園に入学という14歳を私とマルシェは迎えました。
お父様にお強請りしたとおりお義母様はお腹が凹まないうちに金髪緑目の麗しいお義母様に似た女の子を産んでくれました。
お義母さまに似ているってことはマルシェに似ているって事!
パーツはお父様似だから私似だけど、それがとても嬉しかった。
だって私とマルシェが合わさったような子なのよ!
そりゃあ可愛がりましたわ。
お名前もメルファイアと申しますのよホホホ。
あらら妹に思考が飛んじゃった。
来年は学園入学だからというわけでもないけれど、私とマルシェはこの頃私的な理由で大変忙しいのです。
実はお義母様が突然動き出しましてマルシェを寮に入れると言い出したの。
学園には馬車で通える距離だから寮に入る必要は全くないのだけど、自立の第一歩だそうです。
でも私達の国ロッサルト王国で今ちょっとした異変?が起きているんです。
この国の貴族の子息子女はだいたい上位貴族であればあるほど10歳頃には婚約者が決まるのが通例でした。
だけど今代の王太子様の婚約者が決まってないんです。
王太子が決めてくれないと年齢の近さもあって公爵家や侯爵家、そして伯爵家までも遠慮して決めかねている状況。
実はマルシェの為に早めに婚約者を決めてもらって学園の騒ぎを回避しようと二人で相談してたのに、そのせいでマルシェの婚約もまぁ序に私の婚約も未だに決まってないんです(泣)
噂では幼少期に大本命のマリエーヌ嬢が王宮に出入り禁止になった事で、それが解除されるのを王太子様は待ってるのだとか何とか、だったらさっさと解除すればいいじゃん!
周りに迷惑かけんなよ!
と思ったけど⋯原因って⋯私?だったような。
そんな事もあって私達は同年代の子息と交流する事も殆ど無かったんです。
お茶会もお義母様が選んだ物に行ってるので女の子のお友達は何人かは出来たけど男の子になると、友達っていうよりお兄様ポジかな?2つ上のサミエル様くらいしか交流してない。
サミエル様は三大公爵のもう一つスティール公爵家の嫡男様です。
サミエル様は私とマルシェの友人であるアリシアの婚約者様で、お茶会にも良く参加してくれて(アリシアにべったりだから)お話し相手もしてくれるのです。
そんなこんなで異性の交流がない状態で寮に入れるなんて危ない!とお父様が反対してて今アシェリー公爵家はお父様とお義母様の落とし所が解らなくて戦々恐々としているから、とんでもなく居心地が悪い。
だから私とマルシェは良く二人で王都の街に気晴らしで出掛けることが多くなったの。
そこで実は偶然にも辺境伯のご令息と知り合ったのです。
丁度いい事に三男さんだし、婿を探してるマルシェにピッタリかなと思って!
だから今私とマルシェは大変なんです。
空気の悪い家の目を誤魔化して王都の街に出るのって結構疲れちゃうのよね。
でもマルシェの為にも!
お姉様は一肌でも二肌でも脱ぎまっせー!