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雨小人

作者: 織花かおり

霜月透子さま、鈴木りんさま主催の「ひだまり童話館」<ゆらゆらな話>参加作品です。

 ぼくしかいない あめのこうえん。

ざーざーざー。

ざーざーざー。


 きょうで がっこうは おわり。

おもいにもつと おもいこころ。

おかあさんのびょうき よくなるかな……。


 ふあんで つぎからつぎへとふってくる あまつぶを みつめていたら……。

ゆらゆら ゆらゆら あまつぶがゆれて。

あっ!あれ、なんだ!?

あめこびと!

とうめいな からだを ふるふるふるわせて つぎからつぎへと うまれてくる。


 ルンルン ラララ。

ルルララ ルルルン。

ピチャポチャ チュルルン。

チュロチュリ ピチャチャン。


 すべりだいから ちゅるん ぽちゃ。

ぶらんこを ちからあわせて ギーギー ぽちゃ。

トンネルからは さかさになって ぽっちゃん ちゃん。

ついでに すいどうからも ぴちゃぴちゃ ぴちゃん。


 ルンルン ラララ。

ルルララ ルルルン。

ピチャポチャ チュルルン。

チュロチュリ ピチャチャン。


 ジャングルジムから ぽたぽた ぽたりん。

シーソーを ちからあわせて ギーギー ぺちゃん。

うんていからは ぴっちぴっち ぴちゃん。

ベンチの上で ぷりんぷるん ぷりるるん。


 みんなわらって  きゃっきゃっ はしゃいでいる。


  いつのまにか ぼくも えがおになっていた。

「いっしょに あそぼう!」

そういわれているきがした。

よし! かさをたたんで ぼくもあそぼう!


 いっぽをふみだしたら

ぼちゃん!

うわばきいれが みずたまりに おちた。


ざーざーざー。

ざーざーざー。


 もとの ぼくだけがいる こうえんに なった。


 でも……

あめこびとは たしかにいた。

おかあさんに きょうのこと はなさなきゃ!

きっと 「ふしぎねぇ」ってえがおになるぞ!


 あめこびと またあえたら こんどこそいっしょにあそぼうね!

 びしょびしょになったって ぼく まったくへっちゃらだからさ!

                おわり


お読みくださり、ありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
気持ちが沈んでいる時の雨は冷たくて悲しみも深まりがちですよね。 お母さんの事で不安な中、突然現れた雨小人の存在にぼく君は救われたんだなぁ~と少し切ないながらもほっこりしました。 それはそれとして、雨…
 あめこびとの音が様々で、私も雨の日を楽しめるのでは、と思ってしまいました。  子どもの歌「雨の遊園地」を音量小さめに聞きつつ、読み返してみたくなるのでした。
[良い点] 子供が本を読んでいるのを見ると、同じ本でも年齢によって響く場面が違うんですよね。 本作も小学生ぐらいになると、「おかあさん良くなるといいな」と心配、共感し、もっと小さい子は、あめこびとや…
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