第1話 死亡後、貴族に転生
これからよろしくお願いします。
俺は、
隠キャだがなろう系でお馴染みの無職ではない者である!会社サボってゲームしてるけど。
何のゲームをしてるのか、気になるだろう?気になるよな!
説明しよう。このゲームは、簡単に言えば『の⚪︎な⚪︎の野望』に似ている。
もう天下統一したけど。
今はちょくちょく練兵のために意図的に反乱とかを起こさせてる。
↓
俺が世界のトップに立つために絶賛軍事力強化中である。
なんかさ、ゲームの世界だけでも、俺と同等の位置に誰かがいるのが我慢できないんだよね。
ゲームの世界だけだからいいんだよ。
最近転生だのなんだの、ラノベが流行ってるけどさ、転生するってことは生まれ変わるんだよ!記憶なくなっちゃうんだよ!
絶対ゲームの世界でウハウハ、ニャンニャンしてた方がいいよ!
ニャンニャンはできないだろうがね。
だが、ウハウハゲームの世界だけでもお金稼ぎをしてたら友達に自慢できるし満足だろ。
これには俺の全財産を賭けても負ける気がしないよ。
少し長くなってしまったが、俺が言いたいのは、
俺は通り魔に殺されても絶対転生しないからなぁぁぁ!と言うことだ。
♦︎♦︎♦︎
ここは、どこだ?
何も見えない。何も感じない。だけど、なんか、上に上がらないといけない気がするッ!
宇ォォォォォォ!
上がらないと死ぬ。息苦しくなってきたし。
人々の悲鳴が聞こえてきた。
俺は手を、足を必死に動かした。手の感覚も足の感覚もないのだが、とにかく、勘で体を動かし続けた。
人々の悲鳴が大きくなってきた。
何かの光も見える。
これは、あれか。終末戦争。
なるほどな。体の感覚がないのも当然だ。1人俺は感心する。でも、おかしいな。どうして体の感覚がなく、目も見えないはずなのに光が見えるのだろう?
もしかして視覚しょうがい者はこういう光は見えるのかな?
その前に!どうして俺はこんなところにいる?
確かめるために俺はもうスピードで上へ、上へと上がって行った。
ん?なんか感覚が戻ってきたぞ。
ーピカー
ひ、光が。ちょうどスルトが世界を焼き尽くすところで来てしまったのか。
俺は自分の死を覚悟した。
なのにいつまで待っても死なない。
ーーーーーーーーーーーー
妙だな。
俺は恐る恐る目を開けてみた。
・・・なんか目の感覚も戻ってるな。
こ、これは!
何も見えない。
ねぇえ!どうしてだよ。俺の度胸も報われて欲しいってもんよ!
「おくーーま、かわーーなーーす」
「よーーーーーーーほーーーーーーーーーーに」
そこにいるのは泣いてる女性と喜んでいる女性。
あ?誰だ?お前ら。
お前が神か?
神ならなんで泣いてるんだ?
俺は情報量なのか戸惑いなのか分からないが一時的に固まった。
すると心配そうな顔をする女性。
さっき以上に泣く女性。何?俺そんなに酷いことした?
何が不味かったのか考える。
と言うか、息ッ!
気づいた時にはもう遅かった。
マズイ、意識、が、ーーーーーーーーー。
こうしてこの者は短い人生に幕を下ろしたのだったとさ、めでたしめでたし。とはならないのでこのまま別のページに飛ばずに下の方へとスクロールしてもらいたい。
♦︎♦︎♦︎
あれからしばらくの時がたった。あの後起きた時考えたのだが、おぞましい考えが俺の頭に浮かんでしまった。
転生している、と。
具体的にはなろう系の『目が覚めたら異世界にいた』じゃない。
マジモンの意味で転生しているのだ。
分からない人の為に分かりやすく言うとぉーー
なんて言えるほど俺はこの状態を飲み込めていないので結論から言おう。
体が赤ちゃんになっている。(しかも女子の)
何も疑問に思うな。冒頭で『絶対転生しないからなぁぁぁ』て言ったのにこれではダメだと俺も思う。
俺って最近ついてないな。
唯一の良かったことは、もはや前世となってしまった時の記憶を覚えていることだ。
少し思い出そう。俺は前世で何をしていた?
何故死んだ?
やっぱ通り魔かな。
ーピコンー
そうだ!俺は死ぬ前に、久しぶりに出勤したんだ。
なのに電車に乗る直後に誰かに押されて、ーー。
通り魔、だな。
これからは自分のことを【有言実行之神】と呼ぼう。
ダサい?俺は人目を気にしないからいいんだよ。それが俺のいいところだ。
まあ、転生したのだし、これからは人格も変えてこうかな。
うおッ!
誰かに持ち上げられた。
「この子の名前はカミラだ。『カミラ・ウェーズリー』だ」
どうやら俺の父親の様だ。
にしても、『カミラ』か。
センスあんじゃね。
あと成り行き的に見ると俺の家は貴族らしい。
そうして俺の新生活が始まったのだった。
♦︎♦︎♦︎
「ふー、そろそろか」
改めて、カミラこと俺が言った。あれからだいぶ月日が経った。
俺16歳。
今まで色々な苦難があったよ。何も別にヤバいことがあった訳ではない。
どうやらこの国は女性の権利がかなり制限されているらしい。
そのため俺は生まれて少し経ったことからは何度も女性としての教養的なものを叩き込まれ続けてきた。
理不尽だと感じた俺は言葉が喋れる様になってからは両親に何度も訴えてきた。当然案は受け入れられる事はなかった。
一度もだ。
と、そんな時俺はあるものを目にした。
人として当然持てる権利を制限されていた女性たちがなんと、朝廷の前でデモを起こしていたのだ。デモはすぐに軍に鎮圧されたが、女性たちは全く怯まず権利を訴え続けていた。
俺はその姿に感動した。できるんだな。おかしいと思っていたのは自分だけじゃなかったんだな。俺はその時初めて自分と同じ気持ちを共有できる人がどこかにいるのだと実感できた気がした。
俺は再び両親に訴えた。当然受け入れられなかった。もう「話通じねぇな」と割り切ることにしたよ。まあ、為になる事のはずだし、素直に教養の講座的なものを受けることにした。
他の人として当然できる様になっておきたい事は、隙を見つけては家の屋敷を抜け出し、秘密裏に町に出たりして学ぶ様にした。勉強やら戦闘やらである。
そして外に出て学んでいる間に気づいた。やっぱこの国おかしい。
考えてみれば、この国での革命を志すようになったのもこの時だったな。
無駄話はやめて、ここはカルジア連合帝国の帝都シルロード。
ちなみにカルジア連合帝国は俺の祖国。
どうして俺がこんなところにいるのかって?
そんなん議会立カルジア学園に入学するために決まっているじゃないか。
そんな理由じゃないと馬車なんて乗ってられないよ。
この世界以外に進んでて何故か電車とかあるんだよね。
まあ、他にも理由はある。
それは、結婚のためだ。ご存知の通り俺は女子に転生した。
俺は貴族。
もう俺が何を言いたいのか、わかるよな?
屋敷を出る前に母親に何度も言われて耳がクラーケンになったよ。ジンジンする。痛い。
そう言うわけだ。
何はともあれ俺はカルジア学園に入学する。
父親が言うには貴族が役職を得るにはここカルジア学園の卒業が不可欠らしい。
だが、試験が必要でむっちゃむずい。
貴族の子供とか冷や汗である。まあ、大卒の俺の敵ではなかったがな。魔法の実技も意外にも簡単だった。
「お嬢様、学園につきました」
1人のお爺さんが話しかけてきた。こいつは父親の執事。ランクA +。ベテラン。
ちなみに俺はと言うと、試験を受けた事がないから分からない。
だが、だいぶ個人の実力は運に左右されるらしい、がね。
「ああ、わかった」
そうして俺は初めて学園の土を踏むことになったのだった。決して希望があるわけではないが、波乱の学園生活になるとも知らずに。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
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