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幻想奇譚

爽涼

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。

六月も終わりに差し掛かる頃、梅雨明けとは大変言い難い頃合では御座いますが、世間一般には夏の準備をしていると思われます。 私も先日購入した日傘と共に街に繰り出す本日で御座います。訪れた御社では夏越しの祓の輪潜りが、仏閣では多くの風鈴が身を寄せあって音を奏でておいでです。しかしほんのりと初夏の兆しを感じたのはそれらではなく。参拝時に注がれたあるものなのです。本日はそのお話。真夏に見た濃霧の話。


本日の予定は前々から決めておりました。今日は久方振りにぐるりと神社仏閣を巡りとう御座います。

という訳で、お馴染みの御社を訪れました。唐門を潜ると、境内全体に霧が立ち込めおります。蒸気したそれは空気を地面をしっとりと濡らし、真夏でありながらも涼しい光景を形作っております。

先ずは御祭神の方にご挨拶を。そう思って列に並んだ時のこと。優しい霧を身をもって感じたのです。

視覚を掠める様に降り注ぐ泡沫。今朝方に立ち込める霧のように、水中に舞い上がる気泡の様に、私の視覚を薄ぼんやりと掠ませます。ご祈祷中では御座いますが、一度瞬きをした途端、全て幻に帰してしまいそうな、淡い光景。現実で執り行われているにも関わらず、そのような気持ちになります。

お賽銭を献上し、目を瞑っている間にも頬を撫でる霧はそこにあって、それだけが今を示して下さると思うのです。夏にしか出来ない、貴重な体験で御座います。

そうして浮かべるのは、とある老舗の餡蜜。私は思い立った様にその場を後に致しました。


とある老舗の餡蜜。餡子をとても売りにしていて、他の素材は餡子を引き立てる為に、淡いお味の餡蜜。えぇでも、本日の主役は餡子ではなく、寒天で御座います。早速お出しされたのを、静かに眺めます。

四角形の餡子と、透き通る様な寒天、それから白の求肥飴。とてもシンプルでありながら、瑞々しい一品。先ずは一口。寒天から。

寒天は多くの水分を多分に含み、歯で砕くとゼリーのような破片へと変化してゆきます。そうして小さな破片へと変わって行くのを口内で感じていると、肌に触れた霧を思い浮かべるのです。

瞬きの間に消えてしまったあの霧達。それが今は口腔の中にあって、体に染み渡って行く様な。私の体の中にじんわりと染み渡る様な。


夏、と言えば真っ赤に染まった太陽を浮かべます。全てを焼き払う様なからりとした日差し。しかし本日感じたのは涼し気な夏。水分を多分に含み、しっとりと体を染み渡る様な。そんな涼し気な夏で御座います。

まだ梅雨明けしてはいないようですが、気分は梅雨明けです。

梅の実もないですしね。

ミストを見て、夏を感じました。

素肌だけじゃなくて、その身に取り込んで、夏を感じる手法があるのでは無いかと思って書きました。


餡蜜の個性があって楽しいなーの思う本日。

餡子をめちゃ売りにしていて、他の素材が淡い餡蜜です。

寒天瑞々しい。黒蜜も控え目。餡子が上品で量多め。


餡子と一緒に食え!! その為の淡さだ!! その為のこの量だ!!


という心意気を感じます。

ちなみに老舗の餡蜜です。結構有名ですよ。

食べてたらミストの話と繋がりました。


※元々行く予定のない甘味屋でした。

※過去を引き摺ってるのは百も承知な行動。

※でも自信を持って勧めたいから、今後も沢山巡ります。

※あと二箇所程〜。


琵琶って本当に水面に石を落とした音で鳴るんだなーと。

パイプオルガンの表情の豊かさにビビりました。

ドーナツは我慢しました。

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