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炎帝魔祖  作者: 夜斗
前戯
1/4

序章 我愿意相信

「悪いことをしたら炎帝魔祖(えんていまそ)に呪われる」



幼いこどもはそう言い聞かされて、育つ。

世界を絶望へ、地獄へと叩き落としたその魔の名を、人々は恐れる。



悪神

全ての悪事の根幹には彼が居り、人が死ねば炎帝魔祖(えんていまそ)の性、強盗が起きれば炎帝魔祖(えんていまそ)の性、流行病(はやりやまい)がはやれば炎帝魔祖(えんていまそ)の性。



人々にとって都合の悪いものは全て、炎帝魔祖(えんていまそ)の性にされた。



それほどまでに、彼の所業は残酷であったのか。

無慈悲であったのか。

悪神にふさわしき、人間であったのか。



そんな疑問を持つ者は、現れることはない。

言い伝えられていること、聞かされてきたこと、それが全てであり人々にとって真実など、無価値に等しい。



かつて皇子であった人間が、なぜ魔に墜ちたのか。

なぜ、己の家族を手にかけたのか。


彼は、何を想っていたのか。



それが明かされることは、これから先、永久に、ない。



呪いに呪われ、その身を焦がされた一人のちっぽけな人間のために。



真実は永遠に葬り去られていたままの方が、誰にとっても、都合が良い。

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