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月の姫は私で、彼は翁で  作者: かすがいこまき
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1話

ピピピピピピピッ…

携帯電話のアラームを止めて起床する

またあの夢を見てしまった、あの夢は確かに現実に起きた事だ


私は嘔吐して倒れている所を誰かが発見して救急車が病院まで運んでくれたらしい

救急車を呼んだ人は居なかったらしいが隊員の人が即座に私を見つけて運んだらしい


そんな事よりもあの化物の事である

あの異形の事を友人に話したが誰も信じてくれなかった、怖い話を作ったんでしょ?と冗談としか捉えてくれなかった


家族にも相談が、家族は青ざめた顔をして


「この事は忘れなさい…きっと悪い夢でも見たんだ」


と父親は言っていたが、母は何故か御守りを渡してきた、それも一個どころでは無く十数個もだ

もはや不安でしか無かったが、最近は特にそういう恐怖体験は無いので、私も勉強のし過ぎで疲れていたのだと思うようになってきた


「さてと、準備しよ」


私も高校2年生になり勉強に部活と青春を謳歌している

まだ恋愛は叶わないが、その内素敵な男子が現れてくれるはずと願っているのが現状である

他の友達は彼氏がいるから、凄い自慢して来るけど、まぁ今は勉強とか部活に集中したいし別に悔しくは無い…なくも無い


「香久夜ー、早く起きなさいー!朝ご飯出来てるわよー!」


「はーい、今着替えてるのー!」


下からお母さんが大声出している、いつもの光景だ

朝ご飯を食べて、テレビで占いを見て学校に向かう、それが私のいつもの行動


「頂きまーす、あっ、お父さんおはー」


「おはよう、香久夜」


「あっ、今日最下位じゃーん…えぇ、ラッキーアイテムは鈴?ペットの首輪を持ってくのは無いでしょ」


「おっ、じゃあこれどうだ鈴カステラ」


「お父さん、それはもはや鈴じゃ無いし、パサパサしてるからいいよ」


「えっ、美味しいのになぁ…仕方ない仕事場で食べるか」


「では1位の方は…おめでとうございます10月生まれのあなた!今日は異性との距離が一気に縮むかも?ラッキーアイテムは消しゴムです、ではまた明日〜…」


「10月生まれかぁ」


TVの電源を消して学校へ向かう

わすれ物がないかしっかりと確認してだ


「行って来まーす!!」


「気を付けてね!」


「はーい」


家から学校までは歩いて10分の所だ、幸いにもここは田舎のためバス通学の人も居れば自転車通学の人もいる

なので歩いて10分に学校があるのは本当に助かる

だって遅刻しても走れば5分で着くのだから


「おーい香久夜ー」


「あっ舞!おはよ」


「おは、しかし香久夜本当羨ましいわ〜、家が近くて、私の家と交換して欲しいもん」


「いや、無理でしょ!まぁ私も自転車通学はしてみたいかな〜」


「ウソつけ!」


「ハハ、バレた?」


談笑しながら登校するのもいつも通りだ

これだから毎日が楽しい

舞は中学生の頃からの友達だ、部活は違うが3年間同じクラスだったのでかなり仲が良い友達の1人だ


「よっ!高ブー!おはよ!」


「おう、おはよう月下、花沢あと高ブーはやめろ」


「高橋おはよー、あんた…また太った?」


「えっ?そんな訳無いだろ?えっ、マジで?」


高橋は高校生なってからの友人だ、特徴はまず体がデカい、しかし運動は極端に嫌いで帰宅部ではエースをやっているとこの前言っていた

そもそも帰宅部自体にエースがあるのかもよく分からないが、面白い男子である

わやわやしながらも自分の席に着き、朝の授業の準備をする

先生が来てホームルームが始まった

まずは出欠確認だ


「じゃあ出欠確認します、浅野」


「はい」


次々と人が呼ばれて行く


「高橋」


「はい」


「竹取…?ん?竹取は?」


「先生、また遅刻じゃ無いんですか」


「そんな連絡は来てないけどな…じゃあ後回しにして…」


後ろのドアがガラガラと開いて、1人の男子がこっそりと入って来た


「すいません、遅れました…」


「おい、竹取!最近遅刻が多いぞ!気を付けろよ!」


「はい」


「はいじゃあ、続けるぞ、田中」


そのまま竹取は私の隣の自分の席に座って授業の準備を始めた

気になった事があったので小声で聞いてみた


「ねぇ、幸次君…最近なんかあった?」


「…別に…特に無いけど」


「そっ…か、遅刻するなよ〜」


ぐいぐいと肘で突っつく、幸次君は基本的無表情なのでスキンシップしないと何故か不安になってくる


「うん、気をつけるよ」


そもそも幸次君は幼馴染みだ、家族ぐるみでご飯を食べたりしていた古い付き合いである

幸次君の実家はお寺で、かなり昔から続いている伝統のあるお寺なのである

かといって私はごく一般の家庭で生まれて、これといっては無いが昔祖母から聞いたのは霊感が強い家系なのだとかで、常に御守りを持たされている

その御守りを作っているのが幸次君の家なのだがいまいち有り難みが分からない

申し訳ないのですが


幸次君は幼馴染みなのだがいつも前髪で目が隠れていて無表情、笑っている所は見た事が無い

趣味は読書みたいで、昼休みはいつも読書室で本を読んでいる

特徴が無いのだ彼は


「ねぇ、香久夜、聞こえてる?」


背中を突いて来ながら舞が話しかけてきた


「う、うん?どうしたの」


「また竹取ばっかり見て、好きだよねぇ」


「違う違う違う!そんなんじゃ無いしっ!」


「本当かなぁ?」


「本当だよ!で、どうしたの?」


「これ見てよ、この記事!」


携帯電話のディスプレイを見せてきた、そこには[謎の仮面男出現する]と書いてある

このサイトは都市伝説のまとめを掲示していて、ほとんどがデマである


「何これ?変質者じゃ無いの?」


「違うの!これ、証言者によると空を飛んで消えたらしいんだって!それも出現場所がこの近くだって!凄くない?」


「本当に都市伝説好きだよねー、大体デマで出来ているサイトなのによく信じるよね」


「私はツチノコやカッパは存在すると信じているからね」


「そうなんだ…ハハハッ」


流石にいないと思うけどオバケはいると思う

でもカッパのミイラとかあるしどうなのか、私にはあまり興味の引かない話だ


「おい月下、花沢!朝礼中に喋るな!」


「「すいませーん」」


怒られてしまった、まぁ朝礼中に話すのは駄目であるのは知っているけど、なんか喋っちゃうんです


「では、朝礼は終わる…次の授業遅れるなよ」


朝礼も終わり、授業に入る

授業は退屈だ、数学とか歴史とかわけが変わらない

どうせ覚えても日常的に使わないじゃんって思う


「つまんないなぁ、全部の教科が体育か美術にならないかなぁ」


窓を見つめていると青い空に鳥が羽ばたいている


『良いなぁ、私も何も考えず羽を広げて大空へ…』


ずっと見つめていると窓の縁に黒いモヤが見えた


「ん?」


ごしごしと目を擦ると消えた、目の錯覚だろうか、何故か見られていた様にも感じた

気のせいだろう


「こら月下よそ見するな、この問題やってみろ」


「すっ、すいません、え〜っと分かりません」


一瞬で教室中が笑いに包まれた、教師は頭を掻いて溜息をついた


「はぁ、月下は放課後職員室に来るように、あとお前らも部活ばっかり力入れてないで、頭の中にも力入れろよ」


「「はぁーい」」


「はぁ、部活がない日に限って…はぁ」


席に座ると、幸次君の視線に気がついた

メガネ越しに見える瞳には少し怖さを感じた


「どうしたの幸次君?」


「いや、さっき窓を見てたから…何か見えたの?」


「んー、いや特には…鳥みたいに自由に飛びたいなぁなんて思ってただけだよ」


「そう…」


そのまま黒板を見て授業を聞いている


『えっ、そんだけ?普通もっと会話するでしょ!』


よく考えると今は授業中だから話するのもどうかと思うが、しかし彼にはコミュニケーションというものが足りないのだ

いつもひと言ふた事話したら会話が終了する

会話するのも自分だけだししょうがないと思うが


「ボッチ」


ぼそっと言ってノートをとり始めた

今回はまだ自己紹介なので、まだまだ話は続きますよ!

よろしくお願いします!

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