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僕と君のシークレットプレイ  作者: すみ 小桜


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8/17

第8話◎

 ログアウトして戻ると、涼華はヘッドを外し僕が戻るのを待っていた。


 「もうなんで、エルフじゃないのよ!」

 「あぁ……最初はエルフにしようと思ったんだけど、錬金術に興味が湧いちゃって」

 「だからって、上級者向け選んでどうするのよ!」

 「え? そうなの?」

 「そうなのって……非戦闘種族じゃん」


 はぁっとここでも大きなため息をつく涼華。

 そう言われればそうだけど、アイテムで攻撃出来るし。


 「大丈夫! アイテムで攻撃出来るみたいだし。ヒールになるアイテム作るし」

 「それ、いつ出来るの?」

 「回復薬ならもう作れるけど……」

 「え? そうなの? ポーション作れるの!?」


 ポーション? 普通ポーションって液体だよね? 僕が作ったのは粉。もしかして、あれから更に加工するの?


 「いや僕が作れるのは粉」

 「粉? 粉って何?」

 「えーと」


 やっぱり僕が作っているのは、流通していないの?


 「えっと、よくわからないけど粉薬? そ、それよりさ。よく、僕だとわかったね」


 話題を変えたなっという顔で、涼華が僕を見ている。


 「あんな格好で僕っ子だったからね」

 「僕っ子……。そうだった! 見た目女の子だからそうなるのか」

 「本当に抜けてるわね~。で、ヒールは取得してないのね?」

 「うん……」

 「じゃ、サブ何とったの?」

 「応用って言うスキル」


 何それという顔つきになった。


 「一つ聞くけど、アキって攻撃力いくつ?」

 「1……」

 「いち~! 武器は?」

 「武器?」


 そう言えば、ナイフすら持っていなかったような……。


 「あなたねぇ。一緒にプレイしたいって言うなら少しは考えなさいよ!」


 僕が、持っていないと答えなくてもわかったみたいでそう言われた。

 まさか武器すらないなんて思わないじゃん!


 「明日までに武器を手に入れるか、アイテムで攻撃出来る様になりなさいよ」

 「そんな無茶な! 武器装備したって攻撃力ないと思うけど。涼華って攻撃力いくつ?」

 「17」


 17!? 増えたって攻撃力1ぐらいだと思う。

 アイテムだって、すぐに作れるわけない。材料だってレシピだって知らないんだから……。


 「武器は買うけど、気休め程度だと思うけど? まだ戦闘してないからわからないけど。アイテム作りは頑張るけど、明日までにって言われても……」

 「もうしょうがないわね。ちゃんと錬金術のスキルゲットするのよ。で、凄い装備作ってよ!」

 「うん……まあ。頑張る」

 「じゃ、続きするわよ」


 そう言って涼華は、ヘッドを被ろうする。


 「ちょっと待って! 念話の仕方教えてよ」

 「あれは、アキにって思うと、アキに送れるの。一回やってみればいいよ」

 「うん。後、僕は自分の部屋に戻ってから続きするよ」

 「そう。わかったわ」

 「あ、そうだ。何で他人のふりなの?」

 「あのね。最初から知り合いだって言ったら、根掘り葉掘り聞かれるでしょう? 入れ替わったのが、ばれたらどうするのよ」


 あぁ、そういう事か。

 色々面倒だな。


 「じゃ、僕は戻るね。チュートリアル終わったら連絡入れるから」

 「うん。わかった。私は、先にINしてるわね」


 そう言うと、涼華はヘッドを被った。

 見送りしてくれないのか~。

 僕、ゲームに負けている……。


 涼華の父さんにお礼を言って僕達家族は、隣の自宅へと帰って来た。

 そして、父さんにほどほどになと言われ、自分の部屋でヘッドを被る。

 兎に角早く、錬金術のスキルを手に入れよう!

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