プロローグ ~キミへ宛てた手紙~
■どうも初めまして、酒虫 不眠なるしがない文字書きです。今回は人生初の長編小説の挑戦として、あえて「異世界転生物」を執筆していきたいと思います。初めての試みなので、なにとぞ温かく見守ってくださいませ。
■今回はプロローグと第一話の同時投稿となります。物語のさわりだけでも体験していただくためです。これ以降は大体3~5日に一本位のペースで上げていきたいと思います。投稿が遅れている際には設定の練り直しや原稿の手直しの可能性が高いので、どうか御容赦ください・・・。
――――――拝啓、大切なキミへ。
この世は自分の思い通りにならないって、キミは何時気がついたのかな?
どれだけ泣いても、商品棚にあるおもちゃは自分の物にはならなくて。
どれだけ怒っても、他人は自分の言う通りに動かなくて。
『どうして自分を中心に世界は回らないんだろう』って考えるのを、
キミは何時止めたのかな?
――――――僕はどうやら、つい最近まで、そう考えていたらしい。
誰かを守りたくても、僕の力ではどうにも出来ない。
だったら、世界が僕の力量に合わせてくれるべきだ。
そうすれば、僕はあの子を救えたはずなのに。
そんな『べき論』の事ばかり、考えてしまう。
あの子は、もう、居ないのに。
――――――『盾』は身を守る為の道具だ。
じゃああの子を確かに守っていた筈の僕には、何が足りなかったのだろう?
なんで、世界の悪意は、僕と言う盾を貫通して、あの子を殺してしまったのだろう?
それとも、僕はそもそも盾に成り得る器なんかじゃなかったのか。
『守っていた』だなんて、結局は僕の自己満足でしかなかったのだろうか。
――――――おしえてくれ、僕の大切な友達。
――――――『キミを守る』のに、僕はどうすれば良かったのかな?
――――――僕は、今度こそ、『キミ』を守れるのかな?
――――――敬具。