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ゲーム脳盗賊、闇を狩る。  作者: 土の味舐め五郎
第二章 ~アシバ皇国:白ムジナ盗賊団~
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真夜中すぎの「あばよ」


   ◇


 俺は村の外へ出てすぐ南にある木立に身を隠し、他の四人と一匹を待った。ここに来る途中、大木が弾けるような大きな音が聞こえたのが気になったが、そんな破壊音が出せるとしたらアルミナかチカしかいない。たぶん村人を威嚇でもしたのだろう。

 なら、もうそろそろ来るはずだ。

 

 先にサヨが戻ってきた。

 続いて、アルミナ達が小走りで村の入り口からやってくるのが見える。それほど慌てて逃げてきた様子でもない。


「皆無事か?」


 木立から姿を現して四人に近づく。向こうもこっちにすぐ気づいた。


「ああ問題ないよ。村の男達が武器を持って家をとり囲んだけれど、アルミナがちょこ~っと脅かしたら、皆おとなしくなってくれたから」


「さっきの大きな音はそれか」


「そ。ちょっと村の家屋が一つ消し飛んだけど、怪我人も死人も出てないから安心してよ」


「そりゃよかった」


「村を出たのはいいけどよ。これからどうするんだヤギリ」


 キリバが若干不満そうに言う。


「どうするって、ひとまずナナトコリまで戻る」


「この真夜中に移動するのか……それなら村を制圧したほうが手っ取り早いんじゃないか」


 キリバの言う事にも一理ある。俺達の頭数は少ないが、あの村の全員を力づくで従えようと思えば実行できるだろう。しかし、女子供の存在が気がかりなので村人を痛めつけたり殺傷するような真似はしたくない。

 それに、遺跡の攻略という目的を遂げた以上、ここで時間を浪費したくない。

 小目標も『村から脱出』から『ナナトコリまで戻る』に変わっている。流れ的に次はカマルナムで『月白の牙』を探すことになるだろう。ムロノスに寄ってこの事をムヅラの爺様に報告もしたい。

 


「制圧も考えたけど、時間がかかる。なるべく早くムロノスに戻って爺様に報告して、カマルナムに行きたいからな」


「急ぐなら、しょうがねーな」


「とりあえず村の連中が追ってこないのを確認するまでは移動だ。休息をとりたいとこだが、もう少しの辛抱してくれ」


 言い終わるとチカがいきなり挙手した。


「皆さま大変のようですが!私は別の目的がありますのでここまでということで!さらば!」


「いや、待て待て!」


 俺は慌ててチカのローブを引っ掴んだ。


「ん?どうかしたん?」

 

「どうかしたん?じゃない!俺がカマルナムから脱出した後の事をまだ聞いてないだろ!」


「ああ~そういえばそうだっけ?それ、すぐ知りたい?てかそんなに大事な情報?」


「当たり前だろう!お前や他の連中の命にも関わってくるかもしれない話だ。頼むからもう少し一緒にいてくれ」


「命って、マジ?」


「マジだ。マジ。とにかく今はここを離れよう。話はそれからだ」 


 俺達はナナトコリへ向けて真夜中の闇の中を歩き出した。


 ハダホイタヤの村は不気味なほどに静まり返り、村人が追ってくる様子はなかった。


 せっかくピキリーナの試練を乗り越え目的の宝も入手できたっていうのに、いまいちしっくりこない終わり方だ。

 

 けれど、最後に逃げることになるっていうのは、いかにも盗賊らしい……のかもしれないな。


「あばよ」


 俺は誰にも聞こえないように呟いた。つもりだった。


 キュキュ


 何かっこつけてんだか。とサヨが呆れていた。 


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