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ゲーム脳盗賊、闇を狩る。  作者: 土の味舐め五郎
第二章 ~アシバ皇国:白ムジナ盗賊団~
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メインクエスト:小目標『墳墓を攻略せよ』13


   ◇


 守衛の所まで戻り、剣を返した。

 王の霊から言われたこともついでに伝えると、守衛は感激したように身震いした。


〈かたじけない……。代わりにと言っては何だが、貴殿にこれを〉


 指輪だ。ほんのりと緑色だが限りなく透明な、不思議な色と質感をした大きめの宝石が一つ、はめ込まれている。 


「いいのか?」


〈構わぬ。その指輪は、もう使う必要がないからな〉


 それはどういう意味だろう。

 守衛は詳しく説明してくれるつもりは無いらしく〈もうくれてやるものはないぞ〉と言って動かなくなった。


 どんな指輪かくらい教えてくれてもいいだろうに。


 メニュー画面を開き所持アイテムを確認する。


『心眼の指輪』:見えないものを見ることができる。……と書いてある。


「大雑把なことしか書いてねえ」


 実際に装備して効果を確かめるしかないな。とにかく一旦墓所から出るか。


 再び王の寝所へ戻り、王の霊がいた棺の近くまで来たはいいのだが出口がどこかわからない。

 辺りを見回すと奥の壁にマーカーが浮かび上がった。

 衝立のようになっている壁が巧妙に出口を隠していた。隠すという意図では無いのかもしれないが、離れた場所から見ても全然わからない。部屋の景観を損ねないための工夫だろう。

 少し長い通路がある。そして暗い。奥の部屋の灯りに照らされているから特に問題は無い。

 暗い通路の先には螺旋階段のような物があった。

 ここを登れば出口だろうか。


 階段に足をかけたところで背後からゴゴゴという音と振動が伝わってきた。

 何重もの壁が動き出して王の寝所への通路を塞ぎ始めている。

 そりゃ裏口から侵入されたら困るもんな。


「そういえば、王の名前すらちゃんと聞いてなかったな」


 棺の周りをよく調べれば名前くらい明記されていたかもしれない。早くここから出たいという本能的な部分が脱出を退室を急がせたこともあるが、あの王の霊が「用が済んだらさっさと出ていけ」という感じを醸し出していた事も要因だ。


「村に戻ったらペイダンに詳しく聞いてみるかな」


 螺旋階段を登り切ると小部屋に出た。直ぐ目の前に扉がある。扉の右脇の天井からは輪形の取っ手がついた鎖が「引っ張ってください」と言わんばかりにぶら下がっていたので引っ張った。

 扉がゆっくりと開く。

 久しぶりに見る太陽の光は眩しく……とはならなかった。どうやら朝方で、太陽を拝む事になるのはもう少ししてからになりそうだ。


 アルミナが目の前に居る。というか、部屋に戻ろうとしている。


「どうしたんだアルミナ?」


「あの衛士と戦ってくる」


「はあ!?何言ってるんだ。もう寝所への通路は塞がってるぞ?てか何のために!?」


「このメイスを一度も試せなかった。あいつならいい相手になるはずだ」


「やめておけって!メイスを試すならサーベイと手合わせでもすればいいだろう!」


「ええ~?俺とぉ?」


「ふむ……それもありか」


 サーベイは勘弁してくれよぉという顔をしている。


「その前にまずは一休みしよう。結構疲れたからな。それに皆がどんな宝をもらったのかも見てみたい」



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