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ゲーム脳盗賊、闇を狩る。  作者: 土の味舐め五郎
第二章 ~アシバ皇国:白ムジナ盗賊団~
71/93

メインクエスト:小目標『墳墓を攻略せよ』5


   ◇

 

「馬鹿野郎ぉ……どうすんだよこれおい……」


「野郎じゃないよ!乙女だよ!」


「どうすんだよこれ馬鹿乙女……!」


「しっかり言いなおさなくてもいいのに!?」


 これ、もう駄目なんじゃね?


 そう思ったとき、暢気に寝ていたサヨが首から離れて地面に降りた。


 キュキュキュッ。キュキュキュキュッ!


 威嚇……ではなさそうな、どちらかと言えば機嫌の良さそうな鳴き声をサヨは発した。

 

 一気に潮が引いていくように、蛇達はむき出しの土や岩がある通路の隙間へと退散していった。

 これは、サヨを恐れて逃げたのか、それとも、謎解きが上手くいったからなのか、いまいち判断ができない。


「大丈夫、だったのか?」


「ああ~怖かったぁ~!」


 俺はチカのローブについたフードを頭にかぶせて思いっきり下に引っ張った。

 

「んぉおお!?なにをする!?ちょっまっ、ごめんて!ごめーーん!?」


「脳筋馬鹿乙女さんちょっとは反省してもらえませんかね~!」


「わっ!わかりました!わかりましたからっ!どうかお許しくださいヤギリ様ぁー!」


 パッとフードの部分から手を離す。

 フードを頭からバッと捲ったチカは深呼吸をして身だしなみを整え始めた。何か言われるかとも思ったが「反省、反省!」と自分の頬を二回程パシパシ叩いている。

 ……本当に反省できてるのだろうか。


「次やらかしたら、その無駄に脂肪の詰まった胸を()(しだ)いてやるからな」


「なッ!?おのれスケベ盗賊め恐ろしいことを……。待てよ?それは胸を揉ませる覚悟であればやらかしてもいいと考えら」


「一晩身体を好きにさせてもらう方に変えてもいいが?エロ同人みたいに」


「アッ、ハイ。キヲツケマス」


 さて、サヨはどうしたか。


 見ると、通路の少し奥の方で、何かを食べている。


「なんだ?なにか餌になる物なんてあったか?」


 サヨの居る方へ、近づく。

 

「一体何を食ってるんだサ……ヨ……?」


 サヨは夢中になって一匹の蛇を貪っていた。




 少し遅れて、アルミナ、キリバ、サーベイの三人がやってきた。


「いやぁ焦ったよ。二人を追いかけようとしたら部屋の中に急に蛇がたくさん現れて動けなくってねぇ」


「じっとしてしばらくしたら勝手に逃げてったけどな。てかよ……」 


「そんなところで座ってどうしたヤギリ。疲れたのか」


「いやぁ~これはその、サヨちゃん?がやらかしちゃったみたいで~」


 俺の代わりにチカが答えた。


 三人とも「チカじゃなくて?」と言うような表情をしてから俺を見る。


「サヨが、蛇を食べちゃってさ……」


「えぇ~……」


 サーベイですら面食らった様子だ。


「それってよ。別に大丈夫じゃないか?サヨがお前の相棒つってもよ。動物の行動なんて完璧に制御しきれねぇし、挑戦者が敵対したっていう判定にはならないんじゃないか?」


 意外にもキリバが助け船を出してくれた。


「そう、思うか?」


「つーか、ここまで来たらやるしかないだろ?大蛇の居るところまで行って、もし駄目だったらそん時に諦めりゃいいだろ」 

 

「……それも、そうだな」


「よっし。それじゃあここからは俺が頑張るとしますかぁ」


 サーベイが飄々とした感じで先頭を歩き出し「ちゃちゃ~っと大蛇の所までご案内致しますよ皆さん」と余裕を見せる。


 こういうときは、やけに頼もしい部類の男だな。

 旅をするならサーベイみたいな仲間が一人はいると助かる。


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