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ゲーム脳盗賊、闇を狩る。  作者: 土の味舐め五郎
第二章 ~アシバ皇国:白ムジナ盗賊団~
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ギャラクチカのギャラクティックルート3


   △


 少し話は戻り、城を脱出したチカがネルケセク領に降り立ってガメスから諸々の説明を受けていた時の事。

 カマルナムの城で既に聞いているはずの経験値やレベルに関する説明をあえて省いていたガメスに、チカが「アレ?」と不思議そうに質問をした。

 

「そういえばガメちゃん。レベルってどうすれば上がるの?経験値入手の条件って具体的に何?」


 チカが珍妙な呼び方で質問をする。ガメスは特別気分を害する様子もなく返答する。


「そういった守護英雄の成長に関する最低限のことは、カマルナムの城で教えられているはずだが、何も説明を受けてないのかい?」


「もちろん最初に城から出る時にちょっとしたレクチャーは受けたけどさ~。あの城の人達が実はヤバイ人達だからこうして逃げてきたわけだし、教えられたことが全部正しいとは思えないし、怪しいじゃん?」


「なるほど、君の懸念はもっともだ。では私からもう一度説明するとしよう」


 ガメスはレベルアップや能力の上昇についての説明を改めてチカに聞かせた。


 経験値を取得する条件の一つめは、攻撃によってエネミーを倒すこと。 

 チカの場合は魔砲士なので、魔砲による攻撃か、それに準するスキルによるダメージや効果でエネミーを討伐するとさらにボーナスが付く。

 

 二つめは、有効な対象へのスキルの使用だ。ダメージを与えたり撃破までに至らなくても、対象に効果を発揮していれば都度経験値が入る。もちろん対象のレベルが自分より高い程倍率は大きくなる。


 そこまで話した所でチカが質問をした。


「攻撃スキル以外は経験値もらえないなんてことはないよね」


「もちろんそんなことはない。これはエネミーへの攻撃以外に、中立・友好的な人物などへの回復・補助・強化スキルなども含まれるし、それ以外にも特殊なスキルでの条件もある。例えば盗賊プレイをしている者がいたとして、盗賊のスキルを使って物資を盗んでも経験値が入らなかったら悲惨だろう?」


「やっぱりそうだよね!盗賊は泥棒したり、こっそり家に忍び込んだりして経験値を入手してレベルアップするわけだ。そしてさらに盗みに役立つスキルを取得すると言うことだよね!」


「理解が早くて素晴らしい」


「それでその盗賊プレイをしているのが行方不明のヤギリ氏なわけだ」


「…………なぜそう思ったんだい?」


「ふっふっふ……ガメちゃーん。その数秒の間はほぼ肯定したのと一緒だよ~」


「明言は控えさせてもらうよ。それで、理由を聞かせてくれるかな?」


「まあ半分は直感だけどねー。ガメちゃんが盗賊の例を出したときに、身近な人物を参考にしているような声音というか気配?表情?な感じがしたからもしかしたらと思って」


 現在ガメスは依り代もなく霊体でもなく視覚情報は何もないはずなので表情など分かるはずがないのだが、チカの第六感的なセンサーがそれを感じ取ったのだろう。

 さすがのガメスもこれには驚き、素直に感心した。


 そういった不思議な鋭敏さをもっているチカであるからして、「ヤバそうな雰囲気」を感じ取ることにも長けている。……のだが。


 それなり能力で見た目も好みのフル装備で、大目標であるクエストを爽快に攻略――何体ものゴーレムを蹴散らし結界の要所を破壊――した彼女は結構な興奮状態にある。感極まり、狂喜乱舞している状態と言ってもいい。

 ようするに、長年の夢が現実のものとなり始め、幸福な万能感が彼女の第六感を鈍らせているのだ。


「これは、良くない」と、ガメスは非常に危惧していた。

 

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