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ゲーム脳盗賊、闇を狩る。  作者: 土の味舐め五郎
第二章 ~アシバ皇国:白ムジナ盗賊団~
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今後の方針


 窮地に陥りながらも10人の刺客を返り討ちにした俺達(と言ってもほぼアルミナだが)は、ムヅラのいる拠点へ戻る前に今後の方針について話し合った。


 髪と肌と瞳の色はそのままに『加藤美奈』に近い容姿へと変わったアルミナは、『竜気の解放』による一時的なパワーアップとその反動による弱体化について教えてくれた。そして今回の苦戦を受けて、早急に本来の力を取り戻す必要があると思い至ったらしく、すぐにでも行動を開始したいという。


 俺は俺で、不可避の戦闘時、特に魔族の戦士を相手にした時の有効な対処の方法、手段、武具などはなんとしても確保したいと思った。アルミナはとても頼りになる戦力だが、また危機的な状況に直面するかもしれない。その時に確実に手助け出来るようにはなりたい。


 ただ、どちらにせよ情報が無い。小目標には『ムヅラと今後の方針について話せ』とある。その話の中で、有用な情報を得られるのかもしれないが、今はまだわからない。


 今後の方針か……。


 魔族を退ける力を手に入れたとして、その後は?再び白ムジナに戻って盗賊としての生活を?だとしても、さらにその後はどうするつもりだ?俺はカマルナムの連中に意趣返しするんじゃなかったのか?笹川達にも奴らの思惑を伝えてやらないとまた誰かが犠牲になるかもしれない……。

 

 もうすぐ一か月ほど経つ。何も起こってないといいが。

 

「なにを悩んでいる」


 隣を歩いているアルミナがこちらの顔を覗き込んでくる。少しドキッとした。


「今後の事を、刺客共に対抗する力を手に入れた後の事を考えてた」


「また盗賊団に戻るのだろう?」


「それはそうだけど、ずっとはいられない。俺はカマルナムに戻って他の……現世から来た人達に危険を知らせなくちゃならない。それに、城の奴らに報いも与えてやらないと」


「報復はわかるが、他の異世界の連中を助ける理由があるのか」


「……全員よく知ってるわけじゃないけど、気にいった奴もいる。死なせたくない」


「そうか。わかった。なら急ぐぞ」


 アルミナは走り出した。俺もアルミナを追う。サヨは今頃になって襟元から顔を出し欠伸をした。


 そういえばこいつずっといたんだよな……。俺が魔族にやられてた時もずっと静かだったから忘れてた。もっともあの時変に騒がれてたら魔族に俺の存在がバレてヤバいことになってただろうけど。


「お前、もしかしてそういうのちゃんとわかってるのか……?」


「キュキュキュッ!」


 何を言ってるのかわからなかったが。なんとなく自慢げであるような気がした。


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