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ゲーム脳盗賊、闇を狩る。  作者: 土の味舐め五郎
第二章 ~アシバ皇国:白ムジナ盗賊団~
46/93

メインクエスト:小目標『魔族の戦士を排除せよ』


   ◇


 何事もなかったかのようにムヅラの元に戻った。

 アルミナの癒しの術は不浄なものを払う力があり、血の汚れや臭いなどは全く無い。

 しかしムヅラは「何人殺した?」と聞いてきた。

 

「……殺したって?」


「とぼけたって無駄だ。血の匂いがしなくたって、お前さんの顔を見りゃわかる。安心しろ、命のやり取りを咎めるつもりはねえ。儂が気にしてるのは死体から何も盗ってねえかどうかだ」


「盗ってない。殺した奴からは盗らない」


「ならいい」


 それ以上ムヅラはなにも言わなかった。

 俺にとってはありがたいことだが、何か、ムヅラにはもう少し事情を話しておいた方がいいのではないかとも思った。


「……爺様。じつは俺達」


「言わんでいい。ヤギリ、お前さんたちがどういう状況なのか詳しく話す事はねえ。聞かなくても大体の事はわかる。自分たちで露払いができて、白ムジナに災いをもたらさなければ、それでいい」


「もしも災いをもたらす事になったら?」


「そん時は距離をとってもらう事になるな。それで、問題が解決したらまた戻ってくればいい。儂らはしばらくここを離れんからな」

 

「……わかった」


 ムヅラの言葉は、まるで俺達がこれからどうなるのか分かっているようにも聞こえた。


   ◇


 俺とアルミナはこの二週間、ムヅラに言われた通り白ムジナに迷惑が掛からぬよう注意し、密かに且つ迅速に襲撃者たちを排除した。殆どがアルミナの手によるものだが、俺も密偵達の撹乱などをした。命を奪う事に抵抗はあるが、致命的にはならない手傷を負わせて行動を阻害する事はできる。

 

 襲撃があるのは主に夜で、日中は白ムジナの仲間たちと交流を深めた。

 盗賊としての生活には特に問題なかった。しかし、それ以外の部分で大きな問題があることにも気づいた。

 俺には『生活無能力者』というバッドステータスがついていた。名前の通り、生活無能力者になってしまう効果で、具体的には炊事・洗濯・清掃などの家事全般の行動にマイナス補正が掛かる。

 衣服の着替えなどにも影響があり、自分で身だしなみを整えると周りにはとんでもないダサい格好に見えてしまう。以前コサの町で着替えた時はまさにこのデバフの影響を受けていたのだろう。ただ、これは他人に衣服を軽く整えてもらえれば解消されるようである。

 調理に関しても、湯を沸かしたり、単純に焼いたり、塩をまぶしたり、までは普通にできる。それ以外の調理作業には全てデバフが掛かり、クソ不味い食べ物が出来上がる。

 GNPを消費して解除しようと試みたが、この『生活無能力者』は特殊なバッドステータスらしく解除はできなかった。


 いつか、必ずこの『生活無能力者』を取り除いてやる……!


 さらに一週間が経った頃。

 カマルナムの差し向けて来る刺客に変化があった。

 忍者のような密偵ではなく、しっかりと武器・防具を整えた戦士になったのだ。

 しかも、アルミナと同じ魔族だ。


 日没前でまだ明るい時間だったが、偶然にも二人で郊外の林に出かけていたので人目を気にする必要は無かった。


「お前は手を出さず隠れていろ。でないと死ぬぞ」


 アルミナの目は至って真剣そのもの。

 俺は素直に従った。

 魔族の戦士は一人。

 アルミナと一対一の勝負をするとは、この戦士はそれほどの手練れなのだろうか?

 魔族の戦士は密偵よりもはるかに手強かった。

 しかしアルミナの敵ではなく、危なげなく打ち倒した。


「なんだ。これなら全然対処出来そうじゃないか」


 俺はすっかり安心していた。


 三日後、俺達は魔族の戦士十人に襲われ窮地に陥る事になる。


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