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第零章 RESURRECTION
これが私だ。
地面の中、黒い棺の中で、微動だにしない、冷たい身体。
これが私だ。
生前、最後の瞬間に穿たれた穴。今は多くの花に隠されている、醜い弾痕。
これが私だ。
これが、これが私――
私はこれだった。
見ているのは、私。
見られているのは、私。
見ている者と、見られている者。
動と静。
生と死。
どちらも私。私は私。
醜いなあ、私。
あなたこそ醜いのね、私。
お互い様ね。
そうね。
私は私に背を向けた。
動かない私が、私に手を振ったような気がした。
私はもう一度、私を始めてみる。
私というあなたの人生が、あなたという私の人生が、どうか、報われますように。
祈りは私の足を、前へ前へと動かしていく。
「さようなら、ミーク・マクマスター・ドルイット」
「いってらっしゃい、ミーク・マクマスター・ドルイット」
一度だけ振り返った時、墓標に刻まれた文字が、私の網膜に焼き付いた。
"R.I.P. Meek McMaster Druitt"