前世持ちの俺が掲示板に載せてみた結果
突然だが、俺こと木宮琳には前世の記憶がある。
それは、ファンタジーな世界でとある帝国の護衛騎士隊副隊長だった頃の記憶だ。
前世の俺は馬鹿すぎるやたら美形な隊員を締め上げたり、妻ラブすぎるイケメン護衛騎士隊長を言語的と物理的に嗜めたり、規格外すぎる魔術師団長を魔術師団副長(前世の俺の妻)と捕まえようとして返り討ちにあったり、奔放すぎる王族たる隊長と団長の妻二人&その家族達の市民に混じって働くのを退職覚悟で止めたりとなかなかに波乱万丈な人生を歩んでた。
まぁ、色々あって戦争の真っ只中で死んだのだが。
記憶を思い出したのは小学生四年生の時高熱で倒れた時だった。
小学生四年生にならばこんな記憶があるのがおかしいのは流石に分かる。
なのでいじめられることもなく平穏な日々を過ごしていた。
そんなある日。
『この文字理解できる人いますか?』
俺はふと魔がさしてこの言葉とともにとある文の写真を載せた。
前世の世界で共通言語として使っていた言葉の文を書いた写真。
内容は『俺は前世の記憶がある。前世の名はコーヴェル・ブランデル。ヴァルヴァール帝国騎士団副団長だった。妻ラブすぎるイケメン野郎護衛騎士団長と規格外な表情筋死滅魔術師団長の妻をよこせとのたまった聖国との戦争中団員逹を庇い殉死した。誰か俺の記憶を共有できる者はいないだろうか。』だ。
それをある有名なサイトの掲示板に載せてみたのだ。
いや、馬鹿じゃね?と思った。
けどまぁ、なんとなくで載せた。そしたら驚くべき反応がきた。
『ヴェル!?まじで!?俺カイルなんだけど!』
まじかよ!
いるのかよ!
『え、カイル団長!?』
『ヴェルなの!?私魔術師副団長だったシエル・ブランデルよ!』
カイル団長に驚いて返信すれば新たに現れる仲間。
しかも前世の俺の妻。
そこから更に37人ほど現れなんと団員達や魔術師団長、カイル団長の妻(聖女兼姉姫)に魔術師団長の妻(魔女兼妹姫)挙げ句には二人の従者達まで出てきた。
なんか揃っちまったことにより、鍵アカ作りそこで交流を始めた。
んで、やっぱり皆で集まるかー!となった。
まずは言い出しっぺの俺とその妻が先に顔合わせをし、その後皆と集まるという流れだ。
そして今日がかつての妻と会う日である。
………………うん。
あれだね。
前世妻だった人と今世で会うとか。
めちゃくちゃ緊張するね!
俺の心が破裂しそうだわー(汗)
場所はとあるカラオケ館の大きめの部屋にしてもらった。
40人なのでかなりの人数となったが奇跡的に50人入れる広さの部屋があった。
かなり驚いたけどな!
そして待つこと数分。
遂に妻がやって来た。
開くドア。
俺は即座に挨拶を交わす。
「「あの!はじめまし………」」
……………………………………………………!?
なんでここにクラスメイトの女子様が居るのかな!?
「え…。座敷原さん…?」
「えぇ!?木宮くん!?もしかして木宮くんがヴェルなの!?」
ええええええええええ!?
クラスメイトがまさかの前世の妻でした!
衝撃の事実すぎる…。
そこから少し話をして……。
「「付き合ってください‼」」
こうなりました。
いや、だって前世お互いにあるんだよ!?
しかも夫婦だったんだよ!?
こんなの運命としか言えないよね!?←突っ込み不在
二人でリンゴーンと鐘の幻聴を聴いてると再度ドアが開く。
「ちわー!カイル団長様入りまー……………琳!?」
「カイル団長ってお前かよ!?」
そこにはまたクラスメイトの姿。
俺の友人にしてクソイケメン野郎黒崎翔がいた。
つか、またクラスメイトって!
わが校1-3どうなってるし。
「…………………」
そして入ってきたのは。
またまたクラスメイトでした。
マジかよ。
「え、龍お前、前世持ってたの?俺カイルなんだけどさ。え?マジ?双子でかよ」
「……………翔?」
そう。
今来たのは黒崎龍。
黒崎翔とは双子なのである。
「え、お前まさか…」
「……………マティアス」
はい!
魔術師団長きたー!
まさかの双子にして隊長と団長かよ!
まぁ確かに喋り方とか性格とかそっくりだったけど!
「ここかしら?」
「うぅ…。ここにマティアスがいるんだよね…。ドキドキしてきた…」
こ れ は 。
フラグだ。
とてつもないフラグだ。
「……………まさか白家がリア?」
「おいおい!もしかしなくても夢原がフェリなのか!?」
「ええええええええええ!?黒崎くんがマティアス!?」
「まさか翔。あんたがカイルって言うんじゃないでしょうね」
ですよねー!
ここまで来たらそりゃあ来ますよねー!
さすがに驚けないよ!
またかよっ!て思うわ!
そんな俺を置いて盛り上がる四人と元妻(現彼女)。
そして。
『いやー。まさかクラスメイト全員前世ありだとは思わなかった』
結果クラスメイト全員来たわ!
前世持ち40人全員クラスメイトでした!
「うそだろ…。こんなのってありか…」
「いやー。驚きだよな」
翔はあっはっはっ。と笑い飛ばす。
いや。
こんなの普通ねぇよ!
これただのクラス会!
クラスの集まり会!
そんな風に喚きながらも俺は心を弾ませていた。
俺にとって一人で抱え込まなければいけなかったものがこんなにも共有できることに。
けれど俺はまだ知らない。
このメンバーと共にとても長く波乱万丈すぎる人生を歩むことを。
いや、だって想像できないだろ!
まさかこのクラス+先生と異能バトルに巻き込まれたり異世界トリップして人外人生を歩んだりするなんて。
誰が思うかよー!
前世持ちの俺が掲示板に載せてみた結果。
中々に波乱万丈な人生を歩むこととなります!