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第二話 チームメイト

第二話


先週の水曜日、18時半ごろオフィスの俺の電話が鳴った

「もしもしー あたし、カオリ 今練習してるんですけどお 何時に来れますか?」


どうやら試合に向けて練習をしているらしい 俺も出ることになっているがこの日練習に行くかどうか言っていないはずだ 行きたいとは思っているが仕事が多い 今日は遅くなりそうだ


「すいません、仕事まだ終わらないから分からないですよ 7時半か8時ぐらいにはいけるかもしれないけど」

「あっそ じゃあラケット持ってきてくれませんか? ラケットが足りないのよ」


は? 俺は仕事中だ カオリは遊んでるんじゃあないのか? オフィスから卓球会場まで徒歩5分 俺は仕事中 ラケットは俺の ラケットが足りないなら人が余っているだろ 勇気を振り絞って反論する


「それは無理ですよ まだ仕事終わってないし 僕のラケットなら貸せますけど誰か取りに来てくださいよ」

「それが無理なんです じゃあ誰かが帰るときに預けてくれる? ガチャ」


は? 無理? どういう意味だ? 俺のラケット結構手入れしてるんだが 誰かってだれかいるのか? いた 


「すいませんチカさん これ帰りがけにカオリさんたちに渡しておいていただけませんか」

「しょうがないわねえ あんたたちの遊びに付き合ってられないけどいいわ 渡しとく」

「すいませんよろしくお願いします」


なぜ俺はこんなに腰を低くしないといけないのか 俺は今日は遊んでいない


趣味は卓球です そう言えるようになるまで長い時間を要した 俺は中学校で卓球部だった 高校では卓球を辞め、陸上部に入った 卓球をやっているとモテないから そんな理由だったような気がする 不思議なことに同じクラスには5人ほど元卓球部がいた 彼らも似たような理由で中学の部活のことは話したがらなかった 卓球部のフルウチ君も同じクラスだった 彼とは違う中学だが地区大会で一度対戦し、俺が勝っている 元卓球部5人組には、結局高校3年間彼女というものができなかった 卓球部のフルウチ君にも彼女はできなかった どうやら部活とそれとは関係ないらしい 考えてもみろ キムタクが卓球部だったら? モテるに決まっている


卓球をやっていてよかった 今は心からそう思う 来週行われる卓球大会 ダブルスの個人戦だが会社対抗の様相も呈している これまでユキオというエースはいたがパートナーがいないため、ベスト8が最高だった タカはユキオではなく、カオリと組んでミックスダブルスで上位を狙う 半年前に転職で今の会社に入った俺がユキオと組む 全社の期待は大きい 大丈夫 趣味は卓球ですから


つづく 


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