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【短編シリーズ集】おもちゃ箱  作者: トネリコ
天才こじらせたあほ兄貴と、その妹
2/7

「排水路に何かいるっっ」

 とある小五の妹が下校していると、なぜか排水路を泳ぐ鯉を見つけました。

 その日から、妹はその鯉が気になって気になって仕方ないようです。

 そんな妹の日記を、少し覗いてみましょうか。

 おや?どうやら途中で、ページがなくなったようですね…


 

 

〇月β日 はれ

 学校から帰っていると、でっかくて黒いコイがいた。

 排水路を家にするなんて、変な奴だなと思った。

 少し知っている人に似てて親近感がわいた。


 不思ぎに思ったところ:背びれが出てるけど乾かないのだろうか



〇月△日 はれ

 今日も同じところいた。

 生きているのかなと上からのぞいたら、バシャバシャと逃げられた。

 追いかけっこしていると、いつもより遅くなってしまって兄貴はんにゃに怒られた。

 泣いてないもん!!


 帰り道でずっと名前を考えていたけど、思いつかなかった。



〇月□日 くもり

 授業中ぼんやりしてて怒られた。

 でも、かっこいい名前を思いついた!

 上からこっそりのぞき込んで、「ウロコが濃くてかっこいいコイだから、今日からお前は こいたろう だぞ」というと、こいたろうはバシャリと逃げてしまった。


 こいたろう は恥ずかしがり屋なのかもしれない。



〇月◇日 はれ

 パンをこっそり持ち帰ることにした。見つからないかドキドキした。

 上からゆっくりのぞいて、こいたろうにパンをちぎって投げた。

 最初は食べてくれなかったけど、口の前に投げたら食べてくれた。

 うれしかった。


 不思ぎに思ったところ:私の肩幅くらいなのに、どうやって排水路に来たんだろう



〇月Ω日 くもり

 やっぱりパンを持って帰るのはドキドキした。

 こいたろうを上からのぞいても逃げなくなった。

 名前を呼んで何度もパンをあげてると、すぐにパンがなくなっちゃう。


 バイバイ、また明日ねというと、パシャリとあいさつしてくれた。



〇月θ日 くもり

 今日もパンを持って帰ろうとすると、どうしたの?と友達に聞かれた。

 慌ててごまかしたから、パンを持って帰れなかった。

 ごめん、今日はないんだとこいたろうに謝ると、気にすんなよってスイーッと泳いでいった。


 こいたろうは優しいようだ。



〇月∀日 くもり

 家からパンを持ってくることにした。

 初めからこうすれば良かったと思った。

 こいたろうの名前を呼ぶと、ぱくぱくと近づいてくれるようになった。


 こいたろうは天才かもしれない。



〇月α日 くもり

 お気にいりのワンピースを着ていくことにした。

 淡いピンク色で、兄貴シスコンが買ってくれた宝物だ。

 調子に乗るから言わないけどね。

 こいたろうに自慢していたら、怒って水をかけられた。


 こいたろうを怒っちゃったけど、嫌われてしまったかな。



〇月☆日  あめ

 朝からごうごうと土砂降りの雨が降った。

 先生がみんなを送り迎えしてくれた。

 こいたろうを心配したけれど、雨が降っていきいきしてるかもしれない。


 明日は、私の大好物のうさぎパンを持って行ってあげようと思った。



〇月▽日 はれ

 とってもいい天気になった。

 お腹がすいてると思って、家にあったのを2個とも持ってきた。

 はやくこいたろうに会いたいな。


 行ってみたらこいたろうがいなかった。散歩に行ってるのかもしれない。



〇月$日 はれ

 今日も会いに行ったのに、こいたろうの姿が見当たらない。

 てくてくと探し回ってみた。

 もしかしたらお引っ越ししたのかな。


 明日はもっと遠くまで行ってみようと思った。



×月#日 あめ

 こいたろうがいなくなって、一週間経ってしまった。

 こいたろうはどこに行っちゃったんだろう。

 夕方、迎えにきた兄貴おおきなせなかに背負われて帰った。


 あのね…、おにいちゃん、あのね…。



×月&日 はれ

 朝から熱を出してしまった。

 こいたろうにはもう会えないと思って、なんで怒ちゃったんだろうって思いながら布団にくるまってずっと寝てた。

 起きたら、おかゆが置いてあった。


 ぬるくて猫舌の私でも食べられた。



×月✽日 はれ

 朝起きると、兄貴ふほうしんにゅうしゃが四角い画面のついた機械を持ってきた。

 よくみてみると、こいたろうが大きな川ですいすいと泳いでいる姿が映っている。

 ずっと眺めていると、くしゃくしゃに頭を撫でられた。


 ぽろぽろと画面を汚してしまった。



×月Σ日 はれ

 自転車で行ける川だとわかった。

 川に行くと、こいたろうの仲間が一杯いてびっくりした。

 みんなまっ黒だから、こいたろうが見つからない。


 とりあえず私は名前を呼んでみることにした。





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