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聖剣使いと契約魔女  作者: ふーみん
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八王子市防衛戦(2)

 がはっ、ぐはっ、ぐふっ、と呻き声を三度連発させながら地面を転がった裕紀は、終いには背中で地面を滑った後にようやく制止した。

 頭がとてもぐるぐるする。みぞおちの辺りがとても気持ち悪くなるが、幸い吐くまでは至らなかった。

 これが脳震盪を起こしたときの気分なのかな? などと夜空を眺めながら呑気に考えていたのはものの数秒だった。

 生命力の使い過ぎかやや重たい身体を起こし、脱出した植物園に視線を向ける。


 強引にこじ開けた植物園の壁は、既に闇の魔力で塞がれている。

 そして、ドーム型だった植物園は、黒く巨大な闇の塊によって呑み込まれていた。

(俺は、俺のできる最善を尽くします)

 おぞましい瘴気のような気配を漂わせている暗黒の塊の内部にいるのだろう加藤千穂に向け、裕紀は内心でそう告げた。


 闇の魔力から視線を外した裕紀は、転倒した際に手から離れた魔光剣を拾いに行く。

 精密機器らしい柄から煙が上がっていることを目撃した裕紀は、嫌な予感を感じながらも恐るおそる手に取った。


 柄を手に持ってみると、耐熱性能を備えているらしい黒色のグローブ越しから仄かな暖かさを感じる。

 耐熱性の手袋越しからでも暖かいのだから、いちいち素手で触らなくてもデバイスが熱いことは分かる。

 これで生命力をデバイスに送ったらどうなるのか、想像に難くないが裕紀には試さなければならない理由があった。


 魔光剣という魔法武器を失ってしまえば、裕紀に残された武器は聖具であるエクスしかない。

 現実世界において聖具が途轍もなく生命力を必要とするものである、という玲奈の言葉は今しみじみと実感している。

 加藤徹との戦闘中にエクス・カリバーを具現化させているあいだ、裕紀の身体からは驚くほどの生命力が消費されていくのが分かった。

 生命力を制御させる術を知らなかったら、加藤徹との戦闘中に生命力不足で倒れていたかもしれない。


 そんな動機もあって、玲奈の言う通り聖具の使いどころは考えたいところだった。

 どうか故障しないでくれよ…、と心の底から願いつつ、裕紀は魔光剣の柄のスイッチを押し込んだ。

 きっと大丈夫、と思いながら押し込んだ裕紀の願いは、儚くも激しいスパークとともに打ち砕かれた。


 裕紀の手の中からスパークを散らしたデバイスが弾け飛んだ。

 今度こそ使用不能なことが一目で分かるほど破損してしまったデバイスを前に、裕紀は凍り付いた。

 アークエンジェルからの借り物を壊してしまったという罪悪感と、これから始まるだろう最終決戦に聖具で挑まねばならないというプレッシャーに必死に抗っていた。



 そんな気持ちだったからだろうか。

「新田くん、無事だたんだね!!」

 急に前方から掛けられた声に、ビクッと大きく肩を震わせた。

 はっ、と声に反応して顔を上げた裕紀の視界は、一瞬で弾力のある真っ黒なモノに塞がれた。

「わふっ!?」

「良かったぁーーっ、生きててくれたーっ。念話も繋がらないし、植物園はあんなになっちゃうしで、ほんっと心配だったんだよぉおお」

「ふぉっ!? やめへ、やめれくりゃはい!」

 この大胆な行動と活気に満ちた声音の主は、赤城ましろだろうと抗議しながら判断する。


 とても弾力のある何かに顔を塞がれ呼吸困難になりかけた裕紀は、必死に腕を振りながら抗議する。やがて顔に押し付けられているモノの正体を悟った裕紀の心拍が一気に上がる。

 呼吸ができないにも関わらずどんどんと心拍数が上がり、そろそろ本当に窒息してしまいそうになる。

「そろそろ止めとけ。これ以上は本気でやばいぞ」

 どんな力が働いているのかどう足搔いても引き剥がせなかったましろの身体は、あきれ果てたそんな声とともに軽々と裕紀から引き剥がされた。


 ましろより高身長な男性は蘭条昴だった。

 黒髪を後ろで束ねた昴に襟首を掴まれたましろは、借りてきた猫のように大人しくなったが表情は明るい。

 よほど裕紀の安否を心配してくれていたのだろう。

 そう思うと、何故だか裕紀まで嬉しくなってきてしまう。


 だが、気を緩めるのもほどほどにしなければならない。

 なぜなら、まだ戦いは終わっていないからだ。

 こうして四人が集まれたからには、植物園を呑み込んでしまった闇の魔力を何としてでも排除しなければならない。


 そのことは他の三人も承知しているようで、すぐに意識を切り替えたましろは昴の手から脱出すると植物園を見上げた。


 右手を翳して植物園を眺めたましろは、緊急の事態にも関わらずのんびりと言った。

「それにしても、すっごい魔力の塊ね。これだけのものを造り出すのに必要な生命力なんて考えたくもないわ」

「だな。少なくとも加藤徹は、奴が殺した魔法使いたちの魂を糧にしているはずだ」

 ましろの声に腕を組んで頷いた昴へ、裕紀は追加の情報を与えた。

「それだけではありません。加藤徹は自分自身の生命力と、植物園内で植えられているすべての植物をもこの魔法の魔力として使っています。きっと今も、植物から生命力を吸収しているはずです」

 園内で加藤徹が行った全てを目撃していた裕紀の言葉を疑うつもりは三人にはないらしい。


 己を犠牲にしたことと、園内の植物が危険であることに驚いた雰囲気を漂わせるがそれだけだった。

 何も言わない三人を代表して、玲奈が冷静な声音で言った。

「どうあれ、早くあの魔法を止めなければならないことは確かよ。魔法の詳細も後藤リーダーから情報が入ったし、作戦通り私たちでケリをつけるわよ」

「はい! …て言いたいところなんですけど、俺まだ、あの魔法の情報を知りません…」

 植物園内で通信を遮断されていた裕紀は知る由もなかったのだが、外で待機していた玲奈たちはいつの間にかあの魔法の情報を知らされていたらしい。


 裕紀の発言でそのことを思い出した昴が頷きながら言った。

「作戦司令室からの情報だと、この魔法は大規模召喚魔法という召喚魔法の一種だ。召喚されるであろう魔獣は炎の巨人スルトらしい」

 昴の話に幾つか用いられた専門用語に、今回は魔法に疎い裕紀でもイメージすることができた。


「炎の巨人、スルト?」

 しかし、炎の巨人と呼ばれた魔獣のことを知らなかった裕紀は重ねてそう尋ねた。


 難しい顔で小首を傾げる裕紀に、昴が腕を組みながら言った。

「資料では北欧神話に登場する、炎を操る巨人とあったな。まあ実物は俺も視たことがないから詳しいことは知らないが、巨人っていうからにはそれなりにデカいんだろうな」

「炎を操る…。じゃあ、植物園を取り込んだあの魔力は…」

 おぼろなイメージで想像してしまったスルトへの勝手な印象を抱きつつ、裕紀は現状の疑問の解消を急いだ。


 召喚魔法と聞いて巨人スルトらしき魔獣を探したが夢の丘公園にそのような影はない。

 唯一視界に移ったのは、植物園を呑み込んでいる闇の魔力だけだ。改めてよく見てみると、ドロドロとした粘液質のある表面はリズムに合わせるように動いている。

 どくん、どくん、とまるで心臓の鼓動のような動き方だ。まるで魔力そのものが生きているかのようだった。


「いつまでも考えていても仕方ねえ。いっちょ試すか」

 そう思っている裕紀を他所に、腕を組んでいた昴がそう呟いた。

 三人より前に歩み出た昴は、右腕を植物園へ突き出すと詠唱を唱えた。

「フレイム・スピア」

 その詠唱に応えるように、昴の右手からオレンジ色の魔法陣が浮かび上がり炎の槍が生成される。


 周囲に陽炎を纏うほどの高温の槍を昴は右手から解き放った。

 植物園を覆う闇の魔力へ、紅蓮の炎を引きながら一直線に飛翔した槍は数秒後に轟音とともに爆散した。爆風とともに微かな熱感が裕紀の肌を撫でる。

 個人的には手応えありと思っていたのだが、すぐ傍に立つ三人は揃ってため息を吐いた。

「ダメか? 意外と頑丈だな…」

 魔法を放った本人が感想を述べるとほぼ同時に、煙が晴れ無傷な魔力塊の表面が露わになった。


「えぇ…」

 その様子を見た裕紀の口から絶望のため息が漏れた。

 ドクンッ。

 裕紀のため息が零れると同時に、闇の魔力から強力な波動が放たれ、裕紀を強烈な目眩と怖気が襲った。


 突然襲われた感覚に思わずよろめいてしまった裕紀の肩を咄嗟にましろが支えた。

「ありがとう、ございます」

 気怠そうにましろへ謝った裕紀に彼女も張り詰めた声で答えた。

「大丈夫? しっかり立てる?」

「はい…、少しバランスを崩しただけですから…」

 心配してくれているましろに、裕紀は少しだけ強がりを言った。


 その強がりはすぐに見破られていただろうが、ましろたちは見逃してくれたようだった。

 ましろに支えてもらいながら立ち直った裕紀は、急激な変化を起こした闇の魔力へ視線を向けた。植物園を呑み込んだ闇の魔力は相変わらず鼓動を脈打っていた。


 その闇の魔力から突如紫炎が燃え上がったのはその時だった。

 あっという間に魔力塊全体を覆った紫炎に溶かされるように、植物園を覆っていた魔力が形状を歪ませた。一つだった魔力塊は三つに枝別れ、それぞれ異なる長さで変形していく。中央に別れた魔力は空へ伸びるように、左右に別れた魔力は斜め上へと伸びた。

「おいおい、これは!?」

 その変形を目の当たりにした昴が、焦った様子で声を上げる。裕紀も驚愕のあまり声が出ないが、その瞳にはしっかりと魔力の形状変化の様子が映っていた。


 冷たい殺意の炎を周囲に振り撒きながら、魔力塊は徐々に明確な形状へと変化していく。

『—―玲奈、ましろ、昴! その一帯から闇の魔力の反応が増幅している!! 至急撤退をッ』

 もはや裕紀にも魔力塊が変貌しようとしているモノの正体がはっきりと解った時、裕紀の耳に飛鳥の焦った声が届いた。


 同様の通信が三人にも届いたのだろう。

 このメンバーでの立場は一番上の玲奈が飛鳥の指示に受け答えた。

「こちらでも現象を確認しました。新田くんとも合流できましたので、一時撤退を開始します」

『新田が!? 無事だったのか!?』

 裕紀の生存を確認できず相当心配していたらしい飛鳥に、裕紀は目の前で起こる現象に対する戸惑いを押し隠しながら言った。


「ご心配おかけしました。…すみません俺の力では、加藤徹を止められなかったです」

 だが、自分が任された任務を果たせなかった裕紀は、やりきれない気持ちで飛鳥にそう謝罪した。

『新田が無事ならそれでいいさ。よく頑張った』

 裕紀の謝罪に飛鳥は優しく労いの言葉を送った。


 飛鳥との通信を終えると玲奈が三人に向けて指示を出した。

「これより植物園敷地内から撤退、鐘の塔まで撤退します」

「「「了解!!」」」

 戦闘部隊リーダーの指令に揃って応答した三人は、玲奈とともに植物園を後にした。

 立ち去り際に伺ったドーム型植物園からは、闇の魔力が紫炎を纏う巨人の上半身へと形を変形させたところだった。



 二〇六七年十二月四日、午前二時五十三分。

 場所をドーム型植物園から白い塔に移した四人は、再び玲奈から飛鳥へ通信を繋いだ。

 すぐに呼び出しに応答した飛鳥に、玲奈が切迫した声音で言う。

「こちら月夜玲奈と以下三名。問題なく植物園からの撤退を完了しました」

『うむ、ご苦労。こちらからもそちらの様子を確認した』

 玲奈の報告に、どこからか四人の姿を視認しているらしい飛鳥が答えた。


 植物園の方角からピリピリとした気配を感じつつも、そちらの方角には視線を向けないようにして、裕紀は続く飛鳥の言葉を聞いた。

『どうやら植物園を覆っていたあの魔力塊は魔獣の卵、いや心臓のようなものだったのだろうな』

 飛鳥の言う通り、あの闇の魔力は人間の心臓のように一定の間隔で脈打っていた。

 心臓と言われれば確かにその通りだろう。


 すぐに実体化できなかった理由は、きっと生命力が不足していたからだ。まだ完全ではないということは、未だに植物園の植物たちから生命力を吸収している可能性が高い。

 早くあの巨人を倒さなければ、植物園内にある植物たちが全て枯れ果ててしまう。


 そう思い気持ちを焦らせた裕紀の耳に、同じ推測を立てていたのだろう玲奈が言った。

「恐らくは召喚に必要な魔力は確保できても、この世界で完全に実体化できるほどの魔力量ではなかったのでしょう。証拠に、現在実体化できているのは巨人の上半身のみで、それより下は形を形成できていないようです」


『魔獣の核は上位系統の魔法でも貫けなかったようだな?』

 やはり何処からか裕紀たちを見守ってくれているらしい飛鳥の問いに、魔法を発動した本人が渋い表情で答えた。

「貫通力はともかく、まあまあ威力は高めの魔法だったんですが、傷一つ付かなかったっすね。上半身が実体化しちまったってことは、核となる心臓はすでに巨人の体内でしょうし、生半可な魔法での攻撃じゃ通らないと思います」

 裕紀も魔獣に核と呼ばれる生命維持器官のようなものがあることは知っている。

 異世界で裕紀が無力化した魔獣は、赤い核が表面に浮き出ていたため外見から容易に核の位置を判断できた。

 だが、今回の魔獣はそんな分かりやすい構造はしていない。


 なるべく視線は向けまいとしてきた裕紀は、ここで初めて植物園の方角へ視線を移した。

 夢の丘公園の敷地は広く、この白い塔と植物園との距離もかなりあるにも関わらず巨人の姿はとても大きく視える。


 全体の色調は黒というより灰色に近く、上半身は所々が紫炎によって燃え上がっている。遠くで待機している裕紀にも熱気が伝わって来そう、というよりほんの少し外気温が上昇気味な気がするのはそのせいだろうか。


 頭部は人間と同じようだが頭髪はなく、小さく丸い瞳は禍々しく赤黒い光を宿している。

 楕円に広がる口は顎という概念が存在しないのか、口の周囲に細長い牙のようなものがずらりと並んでいた。


 しかも巨人の周囲はかなりの高温なのか周囲の木々が燃えているらしい。

 まさに炎の巨人などと言われるだけある容姿と力だ。

 下半身を実体化できなければ移動は困難なのか、今は図太い両腕を支えにバランスをとっている。


 そこまで観察し終えた裕紀は、スルトの楕円形の口に仄かな光が瞬いていることに気付く。

 何かがおかしい、と裕紀が思うと同時に、発光するスルトの口から真紅の魔法陣が展開された。

 その現象を目撃した裕紀は、背筋に氷のような戦慄が走るのを感じた。


 他の三人はスルトに対する対策を思案しているためか、巨人の反応に気付いていない。

「みなさん、スルトが魔法を…!!」

『魔獣から強力な魔力反応を検知。魔法、発動されます!!』

 裕紀がスルトの新たな行動を三人に伝えるのと、通信機から恵の悲鳴じみた報告が届くのはほぼ一緒だった。


 その報告に、裕紀を含め四人は弾かれるようにスルトへ視線を向けた。

 それと同時に、世界が純白に染められた。

 正確には魔法発動の際に発光した光が強すぎただけだが、四人はそんなことは少しも気にならなかった。


 直後スルトから放たれた、強烈な熱光線魔法が人払いを展開した八王子市街を横断したために。

「あ…、あぁ…」

 裕紀の口から今度こそ絶望の掠れ声が漏れた。


 まるでフィクション、いやそう思いたい裕紀の視界で、光線を真っすぐに放たれた八王子市街に炎の柱が何本も立った。

 熱光線が通過した場所は如何なるものも消し炭となり、熱に晒された周囲の建物は溶けたチョコレートのように溶解していた。


 もし人払いの展開がされていなかったらどうなっていたか、考えたくもない。

 この光景を作戦司令室からも視ていたのだろう。

 若干のノイズを走らせた通信機から、珍しい飛鳥の焦った声が届いた。

『街で作戦を進めていたメンバーの安否を急げ! …どうやら、事態は我々の想定以上に深刻なものらしいな』

「早急に対処しなければ、これ以上の街への攻撃はいくら人払いといえど難しいでしょうね」

 冷静沈着な玲奈も、今回の魔獣の攻撃には動揺を隠しきれないみたいだ。


 昴の報告から作戦を思案していたらしい飛鳥は、早口で裕紀たちに指令を出した。。

『これより、本作戦の危険度をレッドゾーンへ引き上げる。よって月夜玲奈と新田裕紀の両人に告げる。大規模召喚魔法サモン・サークルによって呼び出された炎の巨人スルト討伐にあたり、二人の聖具の使用を要請。聖具をもってスルトの核を破壊せよ!』

「「はい!」」

 緊急事態でも上官としての威厳を含めた指令に裕紀と玲奈は同時に応えた。


 自分の指揮下にある部下の保持する聖具の使用を強制ではなく任意として指示を出したのは、寛容な飛鳥の性格ゆえか。

 先生らしい、と思っていた裕紀の聴覚に続けて放たれた飛鳥の声が届いた。

『残されたチームリーダーは八王子市街で待機中の各メンバーと合流。完了次第、第二射に備えて人払いの補強を頼む』

「「了解」」

 ましろと昴も張り詰めた声音で答える。恐らく八王子市街地にいるであろう他のメンバーも行動を開始していることだろう。


 指示を出し終えた飛鳥は、全員が聞いているだろう通信に真剣な声音で言った。

『敵の熱光線魔法は驚異的だ。もう二度と撃たせるわけにはいかない。お前たち一人一人の力で、八王子市を救ってくれ。本日のラストミッション、開始だ!』

 作戦に関わっているメンバー全員に気合の入る一言を残した飛鳥からの通信はそこで途切れた。


 裕紀を含め、この場にいる四人のメンバーは、それぞれ張り詰めた表情で同時に頷く。

「絶対にスルトを倒してくれよ!」

「信じてるよ、二人とも!」

 別れ際にそう投げかけられた昴とましろの声に、裕紀と玲奈もそれぞれ答える。

「ええ、そっちも気を付けて」

「共に頑張りましょう!」

 頷き合った四人は、それぞれの戦場へ赴くために走った。


 二〇六七年一二月四日、午前三時五分。

 魔法使いコミュニティ《アークエンジェル》は、炎の巨人スルトへ八王子市防衛作戦を発動させた。


お待たせしました!

「聖剣使いと契約魔女」本年初の本編投稿となります。


今年は二回おみくじを引きました。

一回目が大吉で、二回目が末吉という結果でした…

ともあれ、充実した一年にしたいですね。(以上、どうでもいい話でした)


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