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魔女は灰かぶり  作者: ふとん
17/24

お礼SS 夜明けに鳴く1

お礼SS『騎士と魔女』のあとの話。

 タージがその手紙を言付けたのは、まったくの気まぐれだった。

 知り合いの行商人が朝早くから王都へ発つというので、ついでに手紙を届けてもらうよう頼んだのだ。普段なら魔女組合を仲介して手紙を出すが、今滞在している町から支部が少し遠い。

 ミネル王国は郵便事業が整備されているので、大きな街には郵便局がある。そこへ預けてくれればいい。そう言っていくらかの銀貨と魔女の薬を分けてやると快く引き受けてくれた。お互い決まった家のない身分なので、商売以外でも時折こういうやりとりをするのだ。


「またコレかい」


 行商のオヤジが指を立てる品のない問いに、タージは一笑した。下世話なオヤジはすでに別れた恋人のことを覚えていたらしい。


「そうだったらいいんだけどね」


 あいにく今は決まった恋人はいない。手紙の宛先は頭の堅い騎士さまだ。

 

 平和なミネル王国で女性たちの話題といえば、見目のいい男(イケメン)たちの話題だ。その女性たちの話題でいちばんに登場するのは、第一王子のゲイルヴォート・カイ・ミネル殿下。最近、王位継承権を放棄したとかで、かすんで見えなかった高嶺の花が影ぐらいは見えるようになったと話題になった。続いて話題にのぼるのが、ゲイルヴォート殿下お付きの騎士のことだ。容姿と立ち姿が美しいのに、表情を忘れたかのように温かみのない美貌の騎士だという。なんびとも寄せ付けないその騎士は、氷の騎士と呼ばれている。ライオネル・ヒューバート。

 この氷の騎士こそ、タージの手紙の送り先だ。


(私も人並みにお人好しだったんだわ)

 

 師匠から引き継いだ古い森を守る妹弟子エレン。世間知らずの彼女が初めて恋をした相手がこともあろうにかの有名な第一王子なのだ。

 その縁で王子付きの騎士であるライオネルと手紙のやりとりをするようになった。

 このやりとりは艶っぽい鞘当てなどではなく、ただの依頼だ。

 それもこれも師匠のアリンダがかわいい最後の弟子のために残した占いのせいだが、タージとしてもエレンの初恋は見守ってやりたい。

 

(それにしたってあの堅物、この私に恋占いをさせようなんていい度胸してるわ)


 魔女にはそれぞれ得意分野がある。

 師匠のアリンダは見ることだった。現在を見渡し、過去と照らし、未来を予見する。

 妹魔女のエレンは作ることだ。薬を作り、道具を作り、方法を作る。

 タージの専門は探すことだ。宝を探し、答えを探し、解決策を探す。

 だから占いは出来ないことはないが、得意ではない。うまくできているように見えるのならば、師アリンダの指導のたまものだろう。

 堅物騎士に向かって助言できるのは、アリンダの占いの結果の行方を見ながらタージが他の解釈ができないか探しているからだ。

 その事実を堅物騎士に告げてやる義理も義務もないからこれから先も言ってやるつもりもないが、エレンの恋は見守ってやりたい。

 だから、定期的に占いの結果を堅物騎士へと知らせてやることにしている。


 手紙を持たせた行商のオヤジを見送ると、タージは町外れへと足を向けた。

 この町には知人の魔女がいる。

 魔女には珍しく子供と暮らしていて、薬屋として生計を立てているのだ。

 少し年上のその魔女には魔女組合で世話になったことがあって、彼女に子供ができてからはときどきタージが仕事を手伝っている。

 

 魔女は家族を持つ者があまりいない。

 恋人を作っても、たとえ子供ができたとしても、人間たちのように集落に留まり、家庭を持つ者が少ないのだ。

 それは生まれた国の法のためであったり、魔女自身の性格のためであったりもするが、理由の大本は魔女の掟によるためだ。

 魔女は世界のために働かなくてはならない。契約以外で種族や人種、ましてや国のために働いてはならないのだ。この掟は魔女となる修行で第一に教えられるもので、どのようなことがあっても破ってはならない不可侵の掟とされている。

 もちろん魔女は人間でもあるから、家族や近しい者のために心を砕くことがある。けれど、彼ら彼女らのためだけに生きることはできない。

 そのため家族を持った者は魔女を辞めてしまうことが大半であったし、辞めない者は家族から距離を置かれてしまうことも多い。

 

 町からいくらか歩くと畑が広がり、畑の隙間を埋めるようにして家が建っている。町にほど近いこの村はのどかで、野良仕事をする人が遠くにぽつぽつと見えた。

 その畦道からすこし森に入ったところに知り合いの魔女の家はある。

 小さな家には看板もなく、周囲には人避けの魔法が施されている。ただの人間が近付いても、家の人間は森に消えたように見えるだろう。たとえ無理に分け入っても家は見つけられない。

 用のある人間は森の入り口にあるベルを鳴らすのだ。それで家の人間は誰が来たのか確認できる。このベルはタージが彼女に贈った。

 入り口のベルを軽く鳴らすと、チリンチリンと涼やかな音が鳴る。ここから遠く西にある工芸が盛んな国で、この音色を気に入って買ったものの使い道がなくて、まじないを施して譲ったのだ。


「タージ!」


 家から走り出てきたのは、タージよりいくらか年上の赤錆色の髪の女性だ。


「ひさしぶり、マルティ」


「ええ、本当に。元気そうで良かったわ」


 マルティがタージを家へと招いてくれると、ひとりの男の子も部屋の奥からやってきた。


「まぁ! ユリウスは大きくなったわね」


 黒にも赤にも見える不思議な髪色の男の子、ユリウスにタージがそういって声をかけると、少年は大人しそうな顔をほころばせた。

 ユリウスはマルティのひとり息子だ。タージは彼が生まれた年から知っている。


「この子ったらあなたがくれた薬草の本を何度も読んでいるのよ」


 マルティが薬草茶を出してくれながら笑うので、タージはユリウスに「そうなの?」と問いかけた。


「薬草は面白い?」


「……うん」


「じゃあ今度、新しい本を持ってきてあげるわ。私の妹魔女が薬草に詳しいのよ」


 妹弟子のエレンなら良い本を知っているだろうとあたりをつけて言ってやると、ユリウスは目を輝かせる。


「あまり甘やかさないでよ、タージ」


「薬草ならいいじゃない。どんな道に進んでも役に立つわ」


 マルティはタージの答えに苦笑して、ダイニングのテーブルについた。タージが同じように椅子に座るのを見て大人たちの長話が始まると察したのか、ユリウスは外へ遊びに行くと言って出かけていった。頭の良い子なのだ。

 そんな我が子の後ろ姿を見送って、マルティは少し溜息をついた。


「──男の子だものね。外の学校へ行かせなくちゃいけないわ」


 すっかり化粧っけのないマルティの顔が暗く沈む。

 魔女の子どもであろうと、男の子は魔力を持たないことが多い。魔法使いとも呼ばれる男の魔女もいないわけではないが、魔女組合に所属する魔法使いは少数派だ。

 同じように魔力を扱う者に魔術師というものがあるが、彼らの技は魔女とは異なるものだ。

 魔女の子どもは魔女となって伝統と技術を受け継いでいくことが生まれたときから与えられる選択のひとつだ。でも、魔女のもとに生まれた男の子は大半が魔女とは異なる人生を選ぶことが多かった。


 今でこそ化粧すらまともにしないマルティだが、タージと出会った頃の彼女は誰もが認める美しい魔女だった。赤錆色の髪はもっと鮮やかな炎色で、恋にも情熱的なマルティはバラの魔女と呼ばれていたほどだ。

 そんな彼女が市井の男と結婚するというから、タージだけでなく他の魔女たちも驚いた。魔女は魔法使いでも魔術師でもない、ただびとの男と子どもを作ることはあっても結婚はしないからだ。大昔はただびとの男と結婚した魔女は魔女組合から追放されていたほど忌避されていた。今は魔女組合が認めれば婚姻は認められているが、ただびとの男と結婚する魔女は少ない。


「他人事みたいに言って。あなたも他人事ではないのよ」


 マルティの苦笑に、タージは大げさに肩をすくめた。


「そうね。子どもはいつか欲しいわ。でも夫はいらない」


「決めるなら早いほうがいいわ。子どもを持つなら産んでからが大変だから」


 マルティの言葉はじっと雨風を耐えてきた石のように重かった。周囲の反対を押し切って結婚したものの、マルティの夫は結局逃げ出したのだ。恋に奔放な性格とは違って、伝統と格式に縛られた魔女の暮らしは地味でつまらない。そんな魔女との生活に飽きたのか、自分だけを助けてくれない女に飽きたのか。魔女のタージではあの男の気持ちは分からない。噂では魔女たちの報復を恐れて遠い国へ逃げたという。


「あなたなら大丈夫よ、タージ。由緒正しい魔女の家系だもの。男なんか必要ないわ」


 マルティの妙な励ましに今度はタージが苦笑する。

 タージの実家は代々続く魔女の家系だ。連綿と続く女系一家に夫が婿入りすることもあるが、ほとんどが母に始まり叔母や祖母などに子どもは育てられる。タージも父親は知らない。「あんたの父親はいい男だったわよ」と母がしきり自慢するので顔だけは良かったのだろう。


「私は、魔女以外を知らないだけよ」


 タージも恋は大好きだ。魔法使いの男を恋人にしたこともあるし、ただびとの男に恋したこともある。けれど、結局タージが魔女という属性にある限り恋人にはなれないのだと知った。今はゆきずりの恋人ばかりを作っては別れを繰り返している。


「今はどんな男と付き合っているの?」


 だからマルティの何気ない問いかけに、評判とかけはなれた騎士が思い浮かんでタージは内心驚いてしまった。

 あの偽物の氷の騎士だけは絶対にありえない。

 タージは頭に浮かんだ端正な顔に勝手にバツ印をつけて笑った。


「今はいないわ。面倒なことを押しつけてくる依頼人ならいくらでもいるけどね」


 そんなことよりタージには気になることがある。


「……ねぇ、マルティ。ユリウスってもしかしたら魔力を持っているんじゃない?」


 魔力を持つ者は不思議な色の髪や瞳で生まれることが多い。タージの青い髪やマルティの鮮やかな赤い髪、妹魔女の白い髪も特別な髪色だ。

 そして、ユリウスの黒髪も日に当たると不思議と赤色にも見えた。

 タージの指摘にマルティは複雑そうな顔で眉をしかめた。


「……たしかにユリウスの髪はただの黒髪ではないわ。でも、今まで魔力があるような素振りを見せたこともないの」


 魔力を持つからといって、生まれたときから不思議なことを起こせるわけではない。手の延長のように物を動かすことができたり、不思議な声を聞いたりするのは、歩く練習をするように成長と共に覚えていくものなのだ。


「あの子の瞳は父親譲りの淡い茶色で、今の今まで本当に何の気配もないのよ。もう七歳になるのに……」


 ユリウスは村の子どもと遊ぶこともあるようだが、ほとんどの時間をひとりで森で遊ぶことに熱中しているという。けれど、八歳からは地域学校へ通えるようになる。子どもに教育を受けさせることを是としているこの村で暮らすのならば、ユリウスもそのように成長させるのが良いと思われた。


「魔女としてなら、私だって助言をしたり導いてあげられる。……でも、だめね。母親として男の子をどうやって育てたらいいのかずっと迷ってる」


 自嘲するマルティにタージもどう言葉をかければ良いのか分からなくて、薬草茶を飲んだ。

 タージもマルティと同じなのだ。魔女としてであればいくらでも助けてやれるが、日々成長していく少年の扱いは分からない。

 それでも、ひとつだけ言えることはある。


「……気休めにしかならないだろうけれど、私の目から見ればユリウスは十分あなたを頼りにしてるし、大好きなんだと思うわよ。マルティ」


 ユリウスは賢い子だ。母親の苦労も分かっているし、自分が助けになろうとしているのも分かるのだ。


(薬草を覚えようとしているのは、きっとマルティを助けたいからね)


 マルティは今、薬を売って生計を立てている。だから身近な薬草を覚えれば母親の助けになるとユリウスはよく分かっているのだろう。


(でもそれは言わないでおいてあげる)


 小さくとも子どもにだって矜持はあるのだ。母親を案じる優しい少年の矜持をへし折るのはタージの趣味じゃない。


「微力だけど私も力になるわ、マルティ」


 タージが笑うと、マルティも少しだけ微笑んだ。


「……あなたにそう言ってもらえると心強いわ。頼りにしてるわよ、青の魔女」



 魔女は孤独だ。

 魔女として生まれたときから掟と使命が明確で、人間でありながらただびとではないのだ。

 魔女は世界を守って生きるから、ひとところに群れて暮らすことをよしとしない。あらゆるところにある不思議な世界と人の世界を繋ぐために魔力の強い場所を守るのだ。世界は人間だけのものではないし、人間は人間だけでは生きていけない。自然と世界と不思議なものの助けを受けて生きている。

 その架け橋となる魔女たちもまた魔女の助けを受けて生きている。だから血統と呼べるものはあるが、家族の縁は薄いのだ。


 久しぶりに魔女同士が集まったことが楽しくて夕方まで話し込んでいたタージたちだったが、いつまで経ってもユリウスが帰ってこないことに気がついた。


「もう日が沈むわ。どうしたのかしら」


 いつもならばマルティが呼びに行かなくとも帰ってくる頃だという。


「森に出かけたなら私が呼びに行くわ。マルティは夕食をお願い」


 森で子どもを探すぐらいならば、探す魔女のタージにとっては朝飯前だ。

「お願いね」とマルティに頼まれて家を出ると、今にも日が地平の向こうへ沈みかけていた。


 昼と夜が入れ替わる夕方は特別な時間だ。

 昔の魔女風に言えば、精霊がちょうど入れ替わる時間で、昼の精霊は眠りにつき、夜の精霊が起き出す。

 そして、夕暮れはそんな精霊たちを狙う凶悪な精霊も起き出してくる。

 ざわざわと森が騒ぐのはそういう精霊が獲物を探しているから。

 そんな風に魔女の子どもは大人の魔女に脅される。

 今のタージならば、夕暮れに家へまっすぐ帰るよう子どもをしつけるためだったとわかる。だが、夜が魔女にとって危険なのは大人になっても変わりない。

 夜は魔力が高まる時間だ。

 だから薬を作ったり占いをしたりする時間はいつも夜になる。昼は人間としての時間、夜は魔女としての時間だ。

 夕暮れ時はそのどちらの顔も入り交じるから、魔女の体の中を流れる魔力の調整が難しい。

 子どもの魔女はまず自分の体の中の魔力の扱いを学ぶのだ。


 タージは家の近くの林の中でじっと森の音を聞く。


(やけに静かね)


 子どもが遊びそうな場所はすぐ分かる。明るくて低い草の多い雑多な場所だ。森は魔女の庭なのだ。耳をすまして注意深く森の気配を探れば、タージには動物の居場所さえ分かった。

 けれど、今はその動物の動きさえなく、森がしんと静まりかえっている。

 マルティの家へ入る前はあれほど活発だった森の動物も植物も息をひそめるようにして動かない。

 まるで、自分たちの気配をわざと消しているように。


(──これは、魔力の気配!)


 タージは木々の合間をすり抜けるようにして森を走った。かかとの高い靴は転びやすいとからかわれるが、体重の移動さえうまければどんな道も軽く走ることができる。大仰な布地の少ない服は低い木々をすり抜けるときに引っかかることはない。

 タージの服装はあくまでも冒険に特化しているのだ。

 木々のあいだをすり抜けるとタージは空き地へと出た。日当たりが良いせいか太陽を好む薬草が群生している。

 その背の低い薬草たちの中に黒髪の少年を見つけた。彼は薬草の中で倒れて苦しげにうめいている。


「ユリウス!」

 

 慌てて駆け寄って抱き起こすが、ユリウスはうなされるようにして体を縮めるばかりだ。


(この魔力……やっぱりユリウスは魔力持ちだったんだわ)

 

 夜の森が嫌がるほどの強い魔力だ。

 その気がなければ隠せるほどのものではない。


「……ユリウス。あなた、マルティにも自分の魔力のことを隠していたのね」


 荒い呼吸を繰り返すユリウスをタージが睨む。少年の淡い茶色だったはずの瞳がじわりと金色に変化している。

「お母さんには言わないで」と言って、ユリウスは泣き出してしまう。


「…僕は変なんだ。勝手に物が動いたり、重い岩を手も使わずに動かしてしまったり…」


 髪の端が赤く染まっていくのを見られまいとしているのか、ユリウスは頭を腕で覆ってしまう。


「あら。ユリウスは私の髪も気味が悪いと思っていたの?」


 タージがユリウスを見下ろして言うと、金色に染まった瞳がわずかに見上げてくる。


「…タージの青は綺麗だよ…」


「だったらあなたも同じよ。ユリウス」


 そう言ってタージは自分の背にユリウスを乗せて背負った。


「私もマルティも魔女よ。魔力で物が動くぐらいどうってことないわ。私なんて部屋中の物を飛ばして怒られていたんだからね!」


 タージはユリウスを背負って日の落ちかけた森を走り出す。

 七歳になる男の子はなかなか重い。けれど今のユリウスはとうてい動けない。


(魔力があふれて制御できなくなってる)


 きっとひとりでどんなことができるか試していたのだろう。タージも幼い頃はよくそうやって怒られていた。何の目的もなく魔力を操る行為は暴発する危険な遊びだからだ。

 操作を誤れば魔力を持つ血が制御できなくなって体の中でてんでばらばら動き出してしまう。そうなってしまっては魔力を制御することに長けた魔女に治療してもらうしかない。


 タージは森を抜け出してマルティの家へと駆け込んだ。

 ぐったりとした息子の様子にマルティは悲鳴を上げる。半狂乱になりかけたマルティになんとかベッドまで案内させて、タージはユリウスを寝かせた。


「魔力が暴走しかけているの。なんとか薬で症状を押しとどめて」


 タージが症状を伝えると、マルティはさっと顔色を変えた。どんなに取り乱しても彼女は魔女なのだ。くすんでいた瞳が理性的な光を取り戻す。


「分かったわ、任せて。……これからどうしたらいいと思う?」


 魔女であるマルティは原因も処置も心得ている。けれどさすがに自分の息子の症状に顔が青ざめていた。魔力の暴走は魔女にとっては掟破りの次に命に関わる恐ろしいことなのだ。


「治療できる魔女を知っているわ。私は足を確保してくる!」


 休む間もなくユリウスをマルティへと預けると、タージは街へと再び走り出した。 




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