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余命半年  作者: leon
5/9

死神との出会い

病院までの長くも短くもない道のり。

外の景色をどんどん追い越して車は走る。

座席を倒していた私の目には雲1つない綺麗な青空が映っている。

車内には叔母さんの好きなまどろむようなJazzが流れていた。

そのゆったりとした音楽が耳の鼓膜を気持ちよく響かせて眠りを誘わせる。うん、いいベースの音。

病院に着いたら真っ先にもう一度寝よう、そんな呑気なことを思った。



「美嘉ちゃん。もう着くわよ。」



そう運転中の叔母さんに言われて倒していた座席を起こす。

もう車は駐車場に入っていた。

車を出て荷物を持ち病院の裏口に入ると、神代先生がロビーで迎えてくれた。



「おはよう。美嘉ちゃん。おはようございます。柏木さん。」


「「おはようございます。」」



そう言って丁寧にお辞儀をしてきた先生に私と叔母さんもお辞儀をして挨拶を返す。



「今日から美嘉ちゃんの担当医となります。神代知幸です。全力で彼女の治療にあたります。」



予想していた通り、担当医は神代先生だった。

私としてはとても嬉しいことだ。これであの時一緒にいた可愛い看護婦さんもいればさらに嬉しい。

そしてそんな私の願いが叶ったのか、神代先生のサポート兼パートナーはあの看護婦さん。

こんな所で運を使ってしまって私は大丈夫なのだろうか・・・。

この後、仕事のある叔母さんとは別れて、病室を見に行ったり、病院の施設なんかを案内してもらったりした。

私が一番気に入ったのは施設でもない屋上。

外の空気が吸いたくなったときはここに通うことに決めた。





「よいしょっと・・・。こんなもんかな。」



私はさっそく病室で荷物の整理に取りかかった。そしてちょっとだけ部屋の模様替え。

私の病室はなぜかえらく広かった。私の部屋より大きいし、もしかしたら柏木家のリビングより広いかも知れない。

ベッドはふかふかで、テレビも結構綺麗だし、外の景色もなかなか。

どうしてこんな豪華な部屋なのか。私が変な病気にかかっているせいだろうか?



「でもまぁ、部屋が綺麗にこしたことはないよね。むしろラッキー、かな・・・。」


「ふむ・・・。そうだな、我にとってもラッキーだ。」



・・・。



!?



え、いまなんかかなりドスのきいた低い声が聞こえた気がする・・・。

私が「部屋が綺麗でラッキー☆」と言ったら「うん。我もラッキー☆」みたいな←違う

声の主を捜して後ろを振り返るとあっさりと見つけた。そして固まった。

マントを羽織った小さな骸骨が宙にフワフワと浮いているのだ。



「む・・・お前は我が見えるのか・・・?」


「は、はい。目の前に骸骨が浮いてます・・・。」


「そうか・・・我が見えるとは・・・お前は変わり者だな。」


「は、はぁ・・・。」



骸骨は体に合わない大きな手を組んでうんうんと頷く。

いきなり骸骨に話しかけられたあげく変わり者呼ばわりされてしまった私は何をするわけでもなく、じっと骸骨を見続けていた。

するとコンコンと部屋をノックする音。入ってきたのはあの可愛い看護婦さん。名前は天野稲葉あまのいなはというらしい。

私と骸骨は丁度部屋のドアから見ると真正面にいたのだが、天野さんは全く骸骨に気づく様子がない。

そのまま話しかけてくる。



「美嘉ちゃん。荷物の整理は終わった?」


「あ・・・は、はい。」


「・・・?どうしたの?何かあった?」


「いえ、何にもないです。(ほんとうは大ありだけど。)」


「そう?この後は昼から検査があるから、それまでにお昼ご飯食べておいてね。時間になったら迎えにくるから。」


「お手数おかけします。」


「そんなこと気にしなくていいのよ?これからよろしくね。」


「よろしくお願いします。」


「それじゃあ、またお昼にね。」



そう言って彼女は部屋から出て行った。

お昼から検査・・・。どうやら今日はお昼寝はできそうもない。


それよりもこの骸骨だ。


一体なんなのだ。この意味不明なものは。



「我が見えても動じないのだな、お前は。中々に気に入ったぞ。」


「お褒めいただきどーも。で、あなたは何者?」



「我は死神。お前が死んだ際に魂を極楽へ導く者だ。」



「死神・・・。」



その二文字が意味すること。

それを理解した私は訝しげにその死神を見つめた。




基本的には週に1回更新を心がけたいな・・・。

今日はあともう一話更新します。いつもより短いかもしれないけど。


この話で1つだけ確定した事項があります。

まぁ、分かる人は分かると思うんですけど・・・。



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