一通
掲載日:2026/03/28
『寒い冬が去り、あたたかな陽光が差し込むようになりましたね。
季節の変わり目ですが、お体の方は大丈夫でしょうか。
私は、いつまでもあなたの手紙を待っています。』
私は赤いポストをめがけて歩く。
そこは住宅街の小道。その先にポストが見える。
この道は、一方通行。
歩く。そしてポストの前で立ち止まる。
バッグから手紙を取り出し、ポストに入れようとする。
赤いポストと白い手紙を同時に目にする。
私は身体から湧き出る感情を抑えられなかった。
黒いアスファルトがポツポツと色づく。
このたった一通の手紙に意味があるのだろうか。
私の想いは、一方通行。




