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昨日 今日 明日

作者: 楓夏


  静かに




静かに流れゆくのは

ほそいほそい糸のごとき時間

なにかを探して求めてやまない心のなかを

おちる おちる


砂粒のようにちいさくて

アトムのように儚げで

すくってもすくってもこぼれ落ちる


ひとつぶの中にひとつの記憶

ひとすじの中にひとつの想い

おちて おちて

風になる







  硝子の未来




はかないという言葉は

儚いと書く

人がみる夢 それが儚さ


あやふやで

危なげで

かりそめの 約束のない未来


不確かで

こわれやすくて 移ろいやすい



だけど人は知っている

ほんとうに確かなものなど

この世に

ありはしないことを


だから

すべてが夢

人はあらゆるものを夢に描く








  昨日 今日 明日




昨日 今日 明日

時間は淀みなく流れていく

そう信じていた

そんなこと当たり前で 

不思議だとも何とも思っていなかった


何気ない一言に傷ついたとき

取り返しのつかない焦燥に居たたまれない時

時間は悪意のあるループとなる


飛び出せないもどかしさに

未来から置いて行かれた不安に

何もかもが信じられなくなって

繰り返し 繰り返し

過去をなぞり 過去に囚われる

前を向くのを忘れて

過去を見つめて 過去を繰り返す

ふと瞳をあげれば

その先に続く未来が見えるのに

うつむいたまま視界が閉じる



ほんの小さな勇気

ほんの些細な思いつき

目の前の細い細い光に気付いたなら

時間はまた1本の線となる

淀みなく確かな足取りを取り戻したなら

時間はやがて無限の面に拡がる


昨日 今日 明日

時間の線の流れゆく先は 

決して 決して定まってはいない









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