最終話 優しい思いは、未来へと運ばれる
捲し立てるように話すのが私の母の特徴。
近くにいるから、声が小さくても聞こえるというのに、耳が壊れるくらいの大声で私を呼ぶ。
「シア! 今から始まるみたいよ。ほらほら、ファイ君が映ってるわ。いいからそんなところにいないでこっち来て」
「はいはい。お母さん。もう少しだから待って。メモをしているからさ」
「んもう。まだ本を読んでいるの。いい加減にしなさいよ。本の虫ね」
「これが、面白いんだから仕方ないじゃん」
私が持っていたのは、かの有名な歴史書だ。
だから当然母でも知っている。アーリアの民ならば、誰もが知っている。
普段本を読まない母も面白いと言ってくるくらいだから、本当に誰もが知っている本なんだ。
「あなた。アーリア戦記を読んでたのね」
「うん。お母さん。これの終盤の章が面白いんだよ。ここだけ何度も読んでるんだ」
「英雄フュン・メイダルフィアの話よね」
アーリア戦記の締めくくりとなる最終章は、英雄フュン・メイダルフィアの話。
数々の逸話は面白いものばかりだった。
人質から大陸の英雄へとなるお話は、物語の王道中の王道。
英雄譚だ。
この国にとってだと、誰もが一度は読む書籍アーリア戦記。
教科書としても発行されていて。
歴史を学べるものでもある。
「そうそう。この人、凄いよね。最後の太陽の人なんでしょ。あたし、見て見たかったな。今でも、現れてくれたりするのかな」
彼以来。
太陽の人は、この世界に現れていない。
「そうね・・・現れたら素敵よね。おとぎ話みたいで」
「うん。あたし、これ。編纂しようと思ってるんだ」
「え? 編纂???」
「うん。家の蔵に、走り書きのような本があったの。アーリア戦記にも載っていないね。彼の伝説の話がたくさんあったんだ。それで、ファイの実家にもさ。それと似たようなものがあったしさ。それだったら、ウインドの実家にもあるのかも。それにベクター様のお城の書庫とかにもさ。きっとあるでしょ。王家にだってあるはずよね。だから私、お城にいけるまで有名になりたい」
今の身分ではお城にいけない。
だから私は、お城の書庫に入るために、出世を企んでいた。
「それは・・・誰かが記録していたら、あるでしょうね。彼の血族はまだいるし、配下の子孫も多いからね」
母のそばに近寄る。
「うん。だからね。将来は書籍を出そうと思うんだ。新説アーリア戦記みたいな感じでね」
テレビの前のテーブルの上に本を置いて、二人で自宅のテレビを見た。
「あなた、そんなこと考えてたの・・・ん、あ。始まるわよ。ファイ君。いい顔をしてるわよ。彼氏の応援しないとね」
テレビに映った彼は、カメラに気付いてニコッと笑った。お調子者の彼を見ると、ついついため息が出た。
「はぁ。彼氏ぃ!? 違うよ。腐れ縁だよ。腐れ縁。それにあいつとは、ちょっとした親戚じゃん」
「あなた。そんな言い方。ファイ君が可哀想よ」
「だってさ。百年以上前の家族だったんでしょ。ほとんど他人じゃん。他のニ家だってそうだよ」
「・・はぁ。あなたも、偉大な彼の血を継ぐのにね・・・困ったものだわ」
私の言動にがっかりした母は、両手を頭に置いた。
「いい。シア。あなたは、ダーレーの血を継ぐ者よ。自覚を持ちなさいよ」
「知りませ~ん。あたし、この人たちみたいに強くないもん。似ているのは髪色だけ。それにここは、本家じゃないもん。分家には家督とか関係ありません!」
この繊細な銀色の髪だけが、私の自慢。
電気の光に当てられると真っ白に発光しているように透き通った銀髪だった。
「もういいわ。口喧嘩は今度。今は、ファイ君の晴れ姿を見る時よ」
「うん。そうだね。この瞬間が大切だもんね」
二人でテレビを見つめた。
◇
「現在、アーリア歴168年5月5日。今日、この日が歴史的な日となります。アーリア王ベクター・ロベルト・アーリアが、アーリア王国の国民に、現場から情報と思いを伝えます」
サナリアの大平原に来ているベクター王が、青空の中でマイクを持っている。
遠くに見えるロケットを見ての発言である。
「いよいよです。人類初の有人宇宙飛行。フュン計画を始める日がこの日となりました。この日が来ることを、世界中の人々が待ち侘びたでしょう。それに、アーリア王国の始祖フュンの思いが、ここにあると思っています。なので、私の言葉よりも、彼の言葉を最後に聞きましょう。その前に今回の作戦を実行する人物たちを紹介します」
ベクター王、乗組員から紹介した。
テレビの映像は彼らの方を映しだしている。
「今回は三名が宇宙へ行き、大陸中央を目指します。艦長サドラー・ビンジャー。調査員シロウ・フジ。乗組員ファイ・メイダルフィア以上の三名が、今回の有人宇宙飛行のメンバーです。世界に挑む三人は、この地。英雄の出発点から、始めます」
ベクター王が、両手を広げて宣言する。
「始祖フュン・メイダルフィアが生まれた地サナリアから、この計画が進みます。皆さんもご存じの通り。彼は太陽の人でありました。苦労に苦労を重ねた彼の最後の願いを叶える。それがこの計画、フュン計画です」
フュン計画とは、世界を知る計画。
彼が未来の人に託したものの一つとしてある事だ。
「この日からアーリア王国が始まる。いや、生まれ変わる時だと思っています。我々は一歩、各国よりも先に進みますよ。宇宙船ゼファー号で出発します。では、彼らを拍手で送り出しましょう。準備している彼らに聞こえるくらいに大きな拍手でです」
彼らが宇宙船に搭乗する間に、ベクター王が話す。
「良い拍手ですよ。ありがとう。では最後にこちらを。貴重な百年前の声です」
◇
テレビで流れるのは、会場で響く始祖の声だった。
昔の録音機での音声は所々聞き取りにくい。
でも温かな声で、懐かしい声にも感じるのは、なぜだろうか。
現代のアーリア国民は、彼の声に魅了された。
◇
小さなサナリア王国を守るため。
大きなガルナズン帝国を守るため。
そこから、一緒になったアーリア大陸を守るため。
そして、最後に世界に一時の平和をもたらそうとね。
いろいろと忙しくなく戦った僕もですよ。今の歳になるとね。
もうすることがなくなりましたね。
これも戦いの中で生きたという証なんでしょう。
戦いが無ければ暇になるんですよ。まったく困ったものです。
あれだけ平和を願っていたのにね。
戦争がないならないで、寂しいばかり・・・。
なんては、思いませんよ。
僕は、二度とやりたくない。
人同士の殺し合いなんてね。
しないのが一番です。
平和が一番。のんびりが一番。
良いですか皆さん、ぼ~っとするのが一番なんですよぉ。
残す言葉は・・そうですね。これですね。
僕が生きてきた証。
これが、この世界に残ります。
僕の思いを継いでくれた人たちがたくさんアーリアにはいますからね。
だから、今ここで死んでも満足です。
彼らの中で、僕は生きていきます。
この先の未来を、僕は皆さんに生かしてもらいますからね。
ありがとう。
何度でも、お礼を言いますね。
みなさん、ありがとうございますね。
ああ。そうだ。
言い残すとしたら。
まず、僕はね。皆と長生き勝負をしていましてね。
意外にも僕が一番長生きだったのが面白いですね。
皆を看取ったので、僕の勝ちです。
また勝ち逃げですかね。
そこの所、どうなんですかね。
僕の妻シルヴィア。
僕の好敵手ビンジャー卿。
僕の親友のタイローさんたち。ウルさんやシェンさん親衛隊の皆さん。
それと、僕の大切なウォーカー隊の皆!
勝ちましたよ。僕まだ生きてま~す。
ああ、でも、最後が厳しかったかもしれないですね。
ゼファーとは意地の勝負でした。
『殿下! 殿下よりも先に逝く。我は我を許せそうにない。最後までお供出来ず、申し訳ない』
って言ってましたよ。だから。
「なにが申し訳ないのかがよく分かりません。
それよりもあなた。ず~っと僕の従者だったのが申し訳ないですね。
でも、楽しかったですか」
って僕が言い返したら。
『もちろんです。殿下。我はもう一度生まれ変わっても、殿下の従者になりますよ。おそばに生まれてみせます』
って意地になって言ってましたよ。
来世でも僕と彼は主従関係らしいです。
実はその時ね。友達が良かったなって言いたかったです。
彼は、どんだけ僕の従者になりたいのでしょうかね。
僕が主でないと、気が済まないようですよ。
だから彼は、自分の人生に満足だったんでしょうかね。
だったら嬉しいですね。
僕は、彼が友達で幸せでしたね。
最初から最後まで、苦労を掛けました。
彼のおかげで、僕はここまで生きて来られました。
人質で殺されてもおかしくない僕が、こんな長く生きられたのはね。
彼がいたからでしたよ。
本当に感謝しています。
ゼファーは大切な従者でした。
僕には、本当にもったいない従者なんですよ。
もっと立派な人になれるのにね。僕の従者程度でいいなんてね。
ゼファーは珍しい人でしたね。うんうん。
さあ、ここまでは年寄りの昔話だ。
ここからは、未来を向いていきますよ。
この声を聞いてくれる皆さんは、僕らの未来の人たちです。
未来はどうなってますか。
もしや、戦っていたりしますか?
それとも、交流をしてくれていますか?
どちらかと言うと交流が良いのですが、人は分かりません。
戦う未来があってもおかしくない。
と僕は思っています。
この後の歴史で、僕がどう言われるかわかりませんが。
僕は理想論よりも現実主義者なんです。
今の平和が、そのような変化をしても、しょうがない。
人の愚かさも、人の良さも。
こればかりは変わりようがないでしょう。
いくら技術が良くなっても、それを扱う人が変わる事はないのです。
だから、どちらであっても、皆さんの無事を祈るばかりです。
僕が残した思いは、平和ですが、あなたたちが残す思いが何になるかを楽しみにします。
未来に託すとしたら、僕は解明できなかった謎に迫って欲しいと思っています。
世界の中央にあるとされる大陸。未確認の大陸。
僕、世界旅行は出来たんですけど、あそこには行けなかったんですよね。
今の技術では辿り着けない。
シュルツ皇子が出した答えでしたからね。
彼が生きている間でも不可能だと言っていました。
あの海域は難しいんですよ。
荒波じゃない、何か強力な力に阻まれています。
潜水艇も駄目でしたからね。
それで、空も無理らしいです。
飛行船が出来た今でも無理みたいでね。
近寄るのも危険らしいです。
あの空域で空を飛ぶのは難しいみたいです。
なので彼の予想が『空を越えていけばいいのではないか』でした。
空です。
宇宙ですね。
人類が行った事もない宇宙へ行く。
これが大切かもしれません。
一旦ここから出て、そのまま戻る形で、未知の大陸に着陸する。
それが正解だと彼が言っていました。
そんな事できるのか。
なんて僕も思ったりしましたが、いずれ誰かがやってのけると思います。
だってね。僕がしてきた事も、出来ない事ばかりだと皆から言われてきましたから。
僕らみたいな考えを持つ。
未来の誰かが、これをしてくれると思いますよ。
僕は、信じています。
未来を信じているんじゃないですよ。
僕は、人を信じています。
人がやる事に限界なんてない。
だって、誰かが思いを受け取っていき、最後の最後にはやり遂げるはずですからね。
みんなでやるんです。
どんなこともみんなで!
僕はそうして生きてきましたから、結果として上手くやれたと思います。
でも、僕が無理な事なら、次の人へ。
その次の人が無理であれば、さらに次の人が。
そうやって思いを継承していけば、結局最後は皆で目標をやり遂げちゃうんですよ。
だから人に限界なんてない。
それが僕の持論です。
なので、みなさんがやることはね。
過去を知り、今を諦めないで、未来へ進むです。
これを忘れないでください。
あなたがしてきたことは、決して無駄じゃない。
誰かがどこかで、その思いをきっと受け取ってくれる。
次に渡してくれるはずなんです。
思いは永遠。絆は繋がりますよ。
だから、生きる事を諦めないでください。夢も諦めないでください。
叶わなくても、誰かが受け継いでくれますよ。
だから僕はアーリアの心配をしていませんよ。
皆さんならば、絶対にこの国を立派にしていってくれますからね。
まったく、心配していません。
それでも皆さんが不安に思ったら、この言葉を思い出して。
大丈夫。大丈夫。
何とかなりますからね!
ですよ。本当に大丈夫ですからね。
誰よりも弱い僕が、最後まで生き残ったんです。
だったら、皆さんならね。
絶対に大丈夫なんですよ!
そうそう。だから心配しないで。
楽しんで生きていきましょう!
あはははは。
◇
「これが初代王のお言葉です・・・」
少々軽い印象があるが、これがフュン・メイダルフィアの最後の言葉であった。
テレビで聞いた人間たちの中には、肉声を初めて聞いたものもいた。
アーリア王国を作り上げた初代王。
威厳の塊かと思いきや、そうでもなくて、普通の人みたいだと。
お爺さんであるだろうが、ご近所の明るいお兄さんのような口調であったのだ。
「だから、こちらからも伝えたい。私たちはついにあなたの夢の続きを・・・お見せすることが出来るのだと・・・初代王に捧げる計画です」
目に涙を浮かべているベクター王は拳を掲げて、宣言する。
「今日は・・・私たちの夢と、初代王らの夢が重なる日です。皆が、共に生きる事を願っていた初代王の夢は、世界の謎です。ここへ思いを馳せていた彼の為にも、私たちは世界の中心へといきます。それでは、夢を乗せて出発します・・・」
宇宙船のエンジンがかかると、耳をつんざく音がする。
遠くにあるはずの宇宙船から出る音は、この中継会場にまで響いていた。
「5・・・4・・・3」
カウントダウンと共に、テレビで見守る民も、現地で見守る民も。
宇宙船の新たな旅が上手くいくことを心から願った。
「2・・・1・・・」
アーリアの民は、彼の夢の続きを見守った。
彼の未来にあたる現代人も、彼の願いを叶えたいと思ってくれたのだ。
彼の想いは、現在にまで繋がっていた。
◇
アーリアの英雄フュン・メイダルフィア。
それは、時代を跨って続く英雄譚の主人公の名だ。
アーリア戦記に記されている彼は英雄らしい部分もあるが、基本がただの普通の人であって、特に青臭い事を平気で言う想い人としての記録が数多く残っている。
彼の人生は、苦難の連続であった。
帝国の人質から始まり、死と隣り合わせの戦場で、何度も強大な敵と戦い。
家族を失い。師を失い。
辛い事があっても、それでも、新しく出来た家族や、共に過ごしてきた仲間たちと、生きる事を諦めなかった。
この戦記には、大陸の覇者となった人物の全てが詰まっている。
彼の思いが、この本に残り、そして今もなお、語り継がれることになったのは。
英雄のお話であっても、悲しい時、辛い時、楽しい時、嬉しい時がある。
歴史の人物だとしても、普通の人と変わりない事を、この本が示してくれるからだろう。
世界の人々のそばには、英雄の叙事詩が残った。
人の思いを繋いで、人を次なる舞台へ、時代を前へ進ませてくれた。
そんな偉大な英雄の物語。
アーリアの英雄は、誰もが思う平和を実現してくれた人間だったからこそ、未来永劫人々の記憶の中で生き続けるのだ。
人を繋げていく凡庸だった小さな国の王子様の英雄物語は、この先の未来にまで続く、永遠の英雄物語である。
人質から始まった凡庸で優しい王子の英雄譚
著者シア・ダーレー
ここがラストです。
物語の締めくくりはフュンの人生の先とします。
彼の思いは、常に人なので、これがラストとしていいかなと思いました。
もう一つの話を出します。
ですが、こちらが賛否別れる部分だと自負しています。
想像の余地の部分を開示。
物語で一切語っていない謎の部分です。
この物語を作った時にある設定ですので、初期設定です。
フュンの人質からの出世。
彼と主要人物たちの性格。
太陽と影の力。
それと、世界は四大陸じゃない。五大大陸である事。
この物語が、世界史ベースで進んでいく事。
この小説が、シア・ダーレーが書いた本だという設定。
これらが、自分が最初に考えた事で、次のラストも最初にイメージしていた場面です。
実は、書き始めた当初から、最後の話で、現在を知るという仕組みを取っていました。
それと、小説の細かい部分に散りばめていた謎が、最後の話と繋がります。
例えば、距離をメートルで表現したりしてたことですかね。
あと、花などの一部の名前も、何故かこちらにあるものとなっている事ですかね。
それと武器の変化。医療関係。これらについて独特の進化を遂げているのも、次の話で大体が想像できるようになっています。ここらは小説では説明をしませんでした。
まあ。なので、行き当たりばったりで書いた部分は、結構少ないです。
思い返しても長くなってしまった部分はありますが、大筋は最初の頃に考えた事ですね。
変更点はあまりないです。
一部の話で、テンションが上がってどんどん書いてしまった部分もあるから、長くなってしまいました。
それと最後の部分を読むと、あれ? ファンタジー?
ってなると思いますが、とある部分の説明をしませんが、異世界にはなっているので、ファンタジーにしておいてください。
自分の中では、彼の物語は、異世界ファンタジー戦記物だと思っているので、大丈夫だとしています。
フュンは、昨今の主人公たちと比べると、少々良くないのかもしれません。
チートもありませんし、最初から上手くいってませんし、成長していく過程でも、失敗ばかりしています。
そしてこの世界で一番強くありません。
ここが最近の主人公とは違うでしょう。
武じゃなくて、知略で勝っています。フュンが正直者なのに、結構ズルでも勝っています。
でも誰よりも人を信じて、成長や努力をしていく人の可能性を信じている人物なんです。
そして彼は、あのちっぽけな存在感しか出せない人質から、世界で最も影響力のある人間に変わっていきます。
強さは、単純な強さだけじゃない。
自分と他人を上手く使って、力を合わせる努力をする。
それを無理なく、上手く出来るのがフュンです。
この世界で一番強い集団を作った。
これがフュンの真の強さです。
自分はそういうイメージで彼を作り、そして彼がこの作中で一番好きです。
他にも一番がたくさんいますが、やはり彼が重要ですね。
まあ、ここらの成長過程などでは、読者の方に色々お叱りの言葉も頂きました。
皆さんが気に食わない部分もあったと思います。
たくさん仲間が死んでいってますからね。
でも、この物語が、成長の物語だと言う事で、勘弁してもらいたいです。
思い返してもらうと分かるのですが。
彼は最終章以外仲間を守れていません。
シゲマサ。ザイオン。ザンカ。ヒザルス。ミランダ。
彼らを失っています。
本当はもう少し、自分の中では仲間たちを失う予定ではありました。
でも彼の成長具合から行くとおかしいかなと思って、少なくしています。
フュンの成長は、最終章にあります。
皆の指導者になってからが、全ての反省を活かした戦いをしています。
アーリア大陸を基本と考えて、彼らを守り切ったフュンは、アーリアの英雄だと断定していいでしょう。
彼が守った大陸人たちが、今度は世界の為に動き出しますからね。
彼の人生が、世界の基礎となる。
それがこの物語の根幹です。
そうです。
世界の基礎となる!
この部分が重要となります。
これからの時代、彼が土台となって次なる世代が、新たな境地へと進む。
この物語の重要部分の一つです。
これは連なる物語なんです。
未来へと続いているんです。
そして自分の話をします。
自分は、ここで書きたい事を書き切ったと思います。
満足して、この話を終えられると思います。
これを出せた。
ならば、まだ自分が生きている証ですからね。
難病を克服することはありませんが、たまに来る激痛に耐えても、なんとか付き合って生きていける気もします。
皆さんの応援コメントで、自分は励まされてきました。
感謝で一杯です。
本当にありがとうございます。
皆さんが、自分の作品をまた読んでもいいかな。
って思ってもらえるような作品をこれからも作っていきたい。
無理をせずに頑張っていきます。
それで次回が、最後となっていますが、ここがラストでもいいです。
最後は本当に気になる方が読んでみてください。
構想の全てを吐き出した形にしたいからの作者の自己満足のエピローグとなっています。
それではここで終わります。
皆さん、ここまでありがとうございました。
また会える日を楽しみにしています。
では、ここで終わる方、次の機会でお会いしましょう。
この話の続きを読んでくださる方がいれば、また次回に。
それでは、さようなら




