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7 あなたに出会わなければ

 あなたに出会わなければ


 本当にどうもありがとう。めめ先輩。と泣きながらるうは言った。

 こちらこそありがとう。とめめは言った。

 いつのまにかめめも泣いていた。

 るうはめめと会ってから今までずっと真剣に夢を探していたのだと言った。

 真剣になって、一生懸命になって、真面目に、毎日夢を探した。

 自分のやりたいこと。

 楽しいと思ったこと。

 実際にやることができること。

 ずっとずっと探し続けた。

 夢を見つけて、めめにめめ先輩。私のやりたいことはこれです。私の夢はこれなんですって言うことができるまで、めめの歌を聞きに行くことはやめようと思っていたのだと言った。

 でも夢は見つからなかった。

 だから、ごめんなさい。とるうは言った。

 そんなるうのことをめめは力いっぱい背伸びをして抱きしめた。


 少し前に、東京に初雪が降ったある冬の日。

 朝の時間。

 アパートを出ためめは雪を踏みながら公園に出かけた。

 夜が明ける時間の暗がりの緑色の空の中に星の光がひとつだけ残っている。

 その星を見ながらめめは歌を歌った。

 息が白い。

 でも心はずっとあったかかった。


 君の音楽が好き。 終わり

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