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5 でこぼこの友達

 でこぼこの友達

 

 季節は夏から秋に変わり、やがてもうすぐ冬を迎える時期になった。

 時間は本当にあっという間に過ぎていった。毎日が忙しくて充実しているからなのかも知れないけれど、本当に東京では故郷の田舎の町とは違うとても早い時間が流れているようだとめめは思った。

 ちっちゃいめめと背の高いるう。

 私たちはでこぼこの友達だと思った。

 たった一度だけの出会い。

 一日だけの友達。

 それなのにずっと忘れられない。

 まるで本当の妹のように思う。

 るう。

 君は今、なにをしているのかな?

 今もあのときのように悲しい顔をしているのかな?

 もしそうならすごく心配だよ。

 るう。

 人生は楽しいよ。

 面白いことがいっぱいあるよ。

 夢だってきっと見つかるよ。

 だから。

 だからさ。

 笑ってよ。

 るう。


 いつのまにかめめは眠っていた。

 起きるとテーブルの上から顔を上げて窓の外に広がる暗い空を見つめた。

 不安だ。

 私は本当に歌を歌って生きていけるのだろうか?

 とっても不安だ。

 でも、いいんだ。

 それでもいい。

 だって私が自分で選んだ道なんだから。

 迷ってもいい。

 失敗しても、大変でも、辛くても、寂しくてもいいんだ。

 めめは部屋の中で丸くなる。

 十一月の終わりごろ。

 朝の時間。

 アパートの部屋から出ためめは空を見上げる。

 夜の明ける空を。

 輝くひとつの星を見る。

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