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自分のしたいこと、やりたいことがわからないとるうは言った。
夢が見つからないと言った。
るうはめめにどうやって夢を見つけたのかと聞いた。
でも答えはよくわからなかった。
気がついたら歌が好きになっていた。自分で調べて自分の好きな音楽を探して、勉強して、作詞や作曲をするようになった。
アルバイトをしてお金を貯めて楽器を買って、作曲のための音楽機器を買った。
作った歌は友達に聞いてもらった。そんな毎日がすごく楽しかった。
「るうはなにもしているときが一番楽しいの?」とめめは言った。
「わかりません。楽しいときってあんまりないから」と小さく笑いながらるうは言った。
るうと一緒に歩くと誰もがるうのことを見た。
でもるうにとってはそれは普通のことなのだろう。人の目が気になって仕方がないめめと違ってるうはいつも平然としていた。