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セント・ゴット

時は3時半を回る頃、そこには元気に走り回る子供の姿があった。


「わぁーい!」

「ねぇ!私も抱っこしてー!」

「ぁ…!ぁぁ…!」


「あぁ、待ちたまえ君達。今日も変わらず元気がいいな」


ここは、セント・クリヌゥス王国南西門近くにある多くの『聖職者』が住み込みで働く教会。


『#セント・ゴット__・__#』の総本部【#セント・ゴット南西協会__・__#】


そこには、他国の戦争から逃げてきた孤児や人々を一時的に住まわせ、セント・クリヌゥス王国の住民登録が完了するまでの働き口を紹介する場でもある。


そこの裏手側。広い庭にて、齢十歳未満の子供達がセント・ゴットの司祭である『ラヴクラフト』と、四肢が、無数の#触手__・__#になっている羊毛で出来た服を来た女性が子供たちを持ち上げていた。


「シュブ。子供達を落とさないでくれよ?見ててヒヤヒヤするんだ」


「大丈夫ですよマスター。私、力には自信あるんですよ?」


彼女はラヴクラフトの#スキル__・__#により生み出された『シュブ=ニグラス』。


人間の姿と#化け物__・__#の姿を変え、ラヴクラフトに忠義を示すおっとり系の女性。好物は生肉。


「シュブさんつよーい!」

「俺も!俺も抱っこして!」


「えぇい!我が嫁に触るでない!人間ども!」


「落ち着いてくれヨグよ…。突然出てくるな」


ラヴクラフトの後ろから突然出てきた、高身長で黄色のローブを着こなす、一部の髪の毛が虹色に光っている青年は、『ヨグ=ソトース』と呼ばれるこちらもラヴクラフトのスキルで生み出された者だ。


「あー!ヨグさん出てきたから#ダイス__・__#も出てきちゃったじゃーん!」

「お前また#狂気__・__#になれよ!お前の早口面白いんだから」

「ぁ!……ァッ!!」


#ダイス__・__#とは、ラヴクラフトのスキルで生み出された者たちを最初に見た時に発生する一から十のサイコロが二つ出る現象を指している。


この二つのサイコロの数字を合わせて(例・片方が二でもう片方が五の時の数字は二十五になる)五十以上となった場合、もう一度一つの十面ダイスを降らされ、それが五以上の時、厄介なデバフをばら撒く能力だ。


これをとく方法は、一定時間経過するか専用の魔法薬を飲むかの二つしかない。


「はぁ…すまない諸君。私は魔法薬取ってくるからダイスを振っといてくれたまえ。ヨグ、悪いが手を貸してほしい」


「…」


「返事は?」


「…#了解です__ヤ・ヴォルー__#マスター」


そして、ラヴクラフトは不機嫌な顔しているヨグ=ソトースを連れて教会の中に入っていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『教会内倉庫』


「あ、ハスター様。ラヴクラフト様もこんにちは」


「ヨグ=ソトースだ馬鹿者」


「そう言ってやるなヨグよ…。ヴァッサ、倉庫番にはもう慣れたか?」


「はい、#ショゴス__・__#様のおかげでかなり楽できてますよ」


セント・ゴットの地下にある、専用の倉庫には、ジャンケン大会での資金や重要書類、危険魔法薬などが管理されている。


その管理をしているのは、元々アンフェール帝国で警備隊の隊長をしていたが、#ある事件__・__#により盲目になった男。


『聖職者』Lv25の『ヴァッサ』と


「…#てけり・り__誰?__#」


「やぁショゴス。ヴァッサとは上手くやれてるかい?」


「#てけり・り__マスター__#!」


天井から、形状的にスライムとも呼べる下半身をした「てけり・り」としか喋らない銀髪の長い髪が特徴的な女の子がヴァッサの肩を掴みながら降りてきた。


彼女もまたラヴクラフトのスキルで生み出された『ショゴス』と言う名の者だ。


「早速で悪いんだが、また子供達がまたダイス降らされたから魔法薬を予備合わせて十本欲しいんだ。取ってきてくれるかい?」


「もー、またですか。ショゴス様、F7からいつもの奴とついでにA2から#例のやつ__・__#持ってきてください」


「#てけり・り__分かった__#」


そうヴァッサがショゴスに言うと、ヴァッサの肩を掴んでいたショゴスは、肩から天井にくっつき、天井を這いながら物を取りに行った。


「例の…あのクソ司教から何か頼まれたのか?人間」


「クソ司教って…ヨグ様。アハト様を悪く言ってはダメですよ?#一応__・__#司教なんですから」


「#一応__・__#って…ヴァッサ。君もアハトに何か恨みでもあるのかい?」


やれやれ、と呆れるラヴクラフトの元に、ショゴスが木箱と何かの書類を持ってきた。


「#てけり・り__持ってきたよ__#」


「ふむ、助かるよショゴス。ヨグ、これ持ってくれ」


「…人間。あのクソ司教はまた何か#蘇らす__・__#のか?」


ヨグは、木箱を持ちながら、その中に入っていた書類をヴァッサに渡した。


ヴァッサは、苦い表情をしながら受け取ると、暗い口調で、話した。


「はい…。そうみたいです。無理なさらないようにとは言ったんですが…」


「#てけり・り__辛そうだった__#…」


「大丈夫だヴァッサ、ショゴス。私からまた言っておく。魔法薬ありがとう」


お礼の言葉を伝え、ラヴクラフトとヨグ=ソトースは、子供達とシュブ=ニグラスの待つ庭へと向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『教会裏手・庭』


「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ」

「アッハッハッハッハッ!また早口になりやがった!!」

「うまうま!」


庭にて、狂気にかられた者たちは、シュブの触手によって拘束されている。


狂気の種類は、1から10の数字で表されている。


1が気絶or金切り声

2がパニック症状

3がヒステリー行動

4が多弁症

5が極度の恐怖症

6が殺人or自殺癖

7が幻覚or妄想

8が反響言語or反響動作

9が異物を食べたがる

10が昏迷or緊張症


これらは、無差別で起こってしまう事なのだが、何故それに耐えれる子供たちがいるのかは別のお話で…。


「よしよーし、皆大丈夫だよ~。あ、マスター、それにヨグ様。五人が狂気になりましたよ」


「4と9…それに1と2と7か…6がいなくて何よりだ。ヨグ、投与してやれ」


「人間ども、大人しくしろ」


ヨグは、持っていた木箱の中に入っている魔法薬を、無理矢理拘束している子供たちの国にねじ込み飲ませていく。


すると、それを飲んだ子ども達は段々と狂気から解放されていった。


「もー!ヨグさんのせいで酷い目にあったよー!」

「ぁ…!あ…!!」


「知らん、そこにいたお前達が悪い」


そして、子供達はまた遊び始め、ラヴクラフトはその子供達を見ながら、教会に入るための扉近くにある樽に登り、そして腰掛けた。


「ありがとうございます。マスター」


「…シュブ…。その子にちゃんと飲ませたか?」


「うまうま」


座ったラヴクラフトに、触手の一本を先程9番を発症していた子供に噛まれたままシュブが近付いてきた。


「ヨグ様が飲ませていた筈なんですけど…何故でしょか。私もタコみたいな味するのですかね」


「ハスターじゃないんだ。多分口が寂しいお年頃なんだろうが…その子は確か父親がいたな、父親が来るまで預かっててくれ」


「#了解__ヤ・ヴォルー__#マスター」


礼をしてから、シュブはまた子供達が遊んでいる所へと戻って行った。


その時だった。


突然上の方からパリーンとした音が聞こえる。思わず上を見上げたラヴクラフトが見た物は、飛び降りてくる水色のフリルワンピースを着た#男__少女__#。


『聖職者』LvMAXであり、九天神の一角でもある、セント・ゴットの司教『アハト』だった。


「……あ、これ死んだ」


「シュ、シュブぅー!!!!」


「#了解__ヤ・ヴォルー__#マスター!!」


シュブが、その触手を伸ばし、アハトを掴みゆっくりと降ろした。


「この馬鹿!何故急に飛び降りてくるんだ!気をつければ回避も出来るだろ!」


「出たなクソ司教!」


「あっはは…いや、疲れすぎてボーっとしてた」


子供達やヨグ=ソトースも駆け寄り、アハトを囲むように立っている。アハトは、フラフラと教会に向かって歩き出した。


それにつられてか、子供達もアハトに着いていきながらトコトコと歩き出した。


「アハトよ、今は#運__・__#はどのくらい溜まった?」


「取り敢えず…#十人分__・__#は溜まったけど…はぁ、#幸運の予約__グリュック・レゼビールング__#も楽じゃないし、合わせ技なんてしなきゃ良かった」


現在アハトは、#明日の仕事__・__#の為に運の貯蓄をやっている途中なのだ。


貯蓄をし始めた日は数々の不幸が来るのだが、明日の仕事だけは失敗出来ないので、合わせ技として、アハトは自身に#不幸の履行__ウングリュック・エッフロン__#をかけているのだ。


#不幸の履行__ウングリュック・エッフロン__#とは、対象の運をかなり下げる技である。対象の願っていることとは的外れな事が起こるのがこの魔法の効果なのだが、#幸運の予約__グリュック・レゼビールング__#を使った後に使うと、幸運がさらに蓄積されるので、相性がいいとされている合わせ技なのだ。


「はぁ、今日の晩御飯は何かリクエストはあるかい?」


「……あー…お肉」

「大変ですアハト様ラヴクラフト様!食料番してた#食屍鬼__グール__#達が全ての肉に齧り付いてしまいました!」


「……じゃあ…魚」

「アハト様!ダゴン様が保存してあった魚全て食べてしまいました!!」


「……………野菜は?」

「アハト様!先程トロワ様がやってきてBBQやるからと言って野菜の殆どを持って行ってしまいました!」


「………僕…もう寝るね」


「待て待てアハト。いや、寝てても良いがちゃんとした料理食べさせてやるから希望を持っておいてくれ!」


アハトが言ったことが全て裏目に出て、セント・ゴットは食料問題へと突入してしまった。


ちゃんと聞いていたのかいなかったのか分からない様子のアハトは、猫背になりながら、子供達と一緒に先程#飛び降りてきた__飛び降ろされた__#部屋へと向かってトボトボと歩いていくのだった。


「…取り敢えず#食屍鬼__グール__#とダゴンは戻しておくか…。ヨグよ、シュブと共に野菜をかき集めてきてくれ」


「「#了解__ヤ・ヴォルー__#。マスター」」


ラヴクラフトがそう命令すると、ヨグ=ソトースとシュブ=ニグラスは、足跡ひとつ残さず、その場で消えた。


そして、その姿を見届けた後にラヴクラフトは食料庫兼調理場へと向かって走っていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『調理場』


セント・ゴットの調理場は、孤児や住み込みで働く者が多くいるので、クリヌゥス城と同じようにかなり広い調理場となっている。基本的に住み込みで働いている物の中で#製造者__料理人__#が作るのだが、いない時はラヴクラフトともう一人が作っている。


そして、今現在。ラヴクラフトが到着した調理場には、セント・ゴットに住み込みで働いている者たちと高身長で燕尾服を着た老執事が#食屍鬼__グール__#が汚したと思われる調理場を掃除をしていた。


「オトゥーム、来ていたのか」


「えぇ、#食屍鬼__グール__#共してやられましたが、無事な食材もあるようです」


彼もまた、ラヴクラフトのスキルにより生み出された『オトゥーム』と呼ばれる者だ。


『ショゴス』や『ダゴン』と共に、#常に現世に現界している者__・__#の一人であり、このセント・ゴット南西教会で執事として、アハトの身の回りや教会に住み込みで働く者達のリーダーとして活躍している。


「しかし、ダゴンの様子がおかしいのですが、何かありましたかな?」


「あぁ、今アハトが運の貯蓄をしていてな。その影響だろう」


「ふむ…成程。では、調理中も気をつけなければいけませんが…」


「いくら見張りがいたとはいえ…やはり#食屍鬼__グール__#に肉の番は難しかったか…」


#食屍鬼__グール__#も、お察しの通りラヴクラフトが生み出した者なのだが、力が人間と変わらないが、齧り付いた物を腐食させる厄介な能力を有しており、腐食した部分を取り除けば腐食が広がることが無いのだが、聖職者の技には腐食を治す技は無いので非常に厄介この上ないのである。


しかも、無尽蔵に増やせる数少ない者達なので。戦闘においては強力ではあるが、如何せん頭もあまりよくなく、強い者に従うだけの者たちなので、ちょっと手におえない部分も多々ある。


「無事な肉も数kgありましたが…今日の晩御飯に持ってやっとですかね」


「アハト様!根菜類は持っていかれませんでした!」


「乳製品も無事だったぞ」


調理場の扉が開く、そこには無数の触手で木箱に入った多くの根菜類を持ってきたシュブの姿と、代車で様々な乳製品を持ってきたヨグの姿があった。


「おぉ!それはいい報告だ!…なら、あれが出来るな。シュブとヨグは地下にダゴンをまた現界させるから、事情を話してくれ。オトゥームとこの場にいる者は私の手伝いを」


「「「「#了解__ヤ・ヴォルー__#!!」」」」


そうして、ラヴクラフト達は料理をし始めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『セント・ゴット執務室』


時はたち、現在七時を回る頃。


セント・ゴットにある執務室に設置されたベットでは、アハトが大量の本に埋もれながら寝ていたのだった。


そこに、コンコンと扉を叩いてから入ってきたのは、オトゥームだった。


「アハト様。ご夕飯が出来ましたので、お迎えにあがりました」


「…ん…あ、オトゥーム。はは、ごめん。抱っこして」


オトゥームが周りに目をやると、ベットの近くにある本棚の中にあった魔導書などが全てアハトのベッドの上にある事を確認してから、アハトを救出しお姫様だっこした。


「アハト様。魔導書を読むのもいいですが、あまり無理はなさらぬよう」


「いや、正直寝るのも怖いくらいだからさ、でも参ったよ。まさか本を引き抜いた拍子に他の本が雪崩のように落ちてくるんだもん。あちこちぶつけちゃった」


コツコツと、オトゥームはアハトを抱えながら、孤児達や住み込みで働く者達が食事をする場である、大食堂へと向かった。


すると、だんだんとジャガイモのいい匂いがしてきたのだ。


「…あれ?野菜って全部持ってかれたんじゃ」


「いえ、トロワ様はトウモロコシやトマトなどを持っていきましたが、幸い根菜類は持っていかれなかったようです」


ギギギ、とオトゥームが片手で大食堂の扉を開く。


そこには、子供達や住み込みで働く者達が自分たちの席に座り、ラヴクラフトやシュブなどの生み出された者達もそれぞれの席に座っていた。


(大食堂のイメージはハリ〇タ大食堂?ラヴクラフトと生み出された者達は教職員が座る席の位置に座ってるとイメージしていただければ幸い)


「こ、これは」


「起きたか、アハト。ほら席につきたまえ、料理が待ってるぞ」


オトゥームがアハトを生み出された者達が座る席の中心に座らせた。


アハトの目の前には、ホクホクとしているキャベツに巻かれた何かと小皿に取り分けられたサラダがそこにあった。


「ゴクリ…こ、これ!もう食べていいかな!」


「落ち着けアハト。まずは祈ろうか」


「あ、あぁ…うん。じゃあ皆、手を前に」


アハトがそう言うと、大食堂にいる全員が手を合わせた。


全員が目を閉じた後、アハトはそれを確認し、言葉を発した。


「今日の恵に、今日の縁に…#ありがとうございます__ヴィーレン・ダンク__#」


「「「「「#ありがとうございます__ヴィーレン・ダンク__#」」」」」


「いただきまーーーーす!!!!!」


祈りが終わった次の瞬間、アハトは目の前にあるキャベツに包まれたものを勢いよく口に入れた。


「あっっっつい!!!あ、でも…ハフハフ…何これ美味い!」


「それは、コロッケの中身をキャベツで巻いただけの#なんちゃってロールキャベツ__・__#なんだ」


材料はじゃがいも2つ肉が100g。適量のキャベツとその他各種調味料。


作り方としては、じゃがいもの皮をむいて茹でる。茹でてから皮向くと上手く皮が剥けると言うが、正直私からしたら熱くて剥けない。


お湯を沸かし、キャベツを茹でながら、別作業で肉を細かくミンチにし、火を通し、いい感じの色になったら茹で終わったじゃがいもと一緒に混ぜていく。ここに、塩コショウ適量とマヨネーズを入れて形を整える。


そしたら、形を整えた物をキャベツで巻き、更に弱火で焼いていく。ここで、キャベツを茹でていたお湯をこしていく。


こし終わった物と自家製デミグラスソースを混ぜ、弱火で焼いている所に投入し、味が全体に馴染むまでじっくりと焼いて完成。


ま、レシピはその場の思いつきだから試さないでね!


「うん!うまっ!うまうまだよ!スープもサラダもロールキャベツも全部うまだよ!ラヴちゃん!!」


「あっはは、すっかり機嫌を直したなアハト。コラコラ、いくら不幸でも料理は逃げたりしないぞ」


「うん!…うん!!」


のそっのそっと、食事中のアハトの前に、一人の大男が立った。


髭が長く、ラフそうな格好をした中年。ラヴクラフトのスキルにより生み出された者であり、先程魚を全て平らげたと言われた『ダゴン』だった。


「悪いなアハト。私が魚を全て食べてしまったばっかりに」


「ダゴン君!いや、大丈夫だよ、ある意味不幸の強制力的な働きが出たんだと思うけど…そっちで何があったの?」


「いや……#食屍鬼__グール__#の一匹が美味しそうに肉食いながらこっち来たから、それにつられてつい…」


「アッハッハッ!うん!面白い理由だから僕は許す!!」


「私は許しませんけどね…」


そう言いながら、ダゴンに近づくのはオトゥームだった。


「まぁまぁ落ち着けオトゥーム。今は食事中だ、説教なら後ででも出来る」


「…はぁ。ではダゴン。また後ほど」


「かたじけないな、ラヴクラフト」


「なに、別にどうってことないが、しっかり反省するように」


「…#了解__ヤ・ヴォルー__#マスター」


そうして、ダゴンは自身の席に戻って行った。


(…はぁ。平和だな…)


そう思いながら、ラヴクラフトも目の前のご飯にナイフとフォークを伸ばすのだった。










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