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巡り求めて  作者: みおま ウス
71/164

71 探索の旅(王国編-37)

 家畜がほとんどいない村であり、村長の家までの経路にいた牛が怯えているのも、村長は魔物のせいだと思ってくれた。

 村長宅にも家畜はおらず、デミトールたちは久しぶりに屋根の下で一夜を過ごせることになった。


「そうですか。あの魔物は元々あった……」

「ええ。不気味には思ってたんです。獣の死骸が急に増えて……肉食の獣を誘き寄せたり、変な病気の原因になってもいけないので手が空いている時に片付けてはいたのですが」

「それが突然起き上がって村人を襲った、と」

「ええ。それでも死人がでることなくやり過ごすことができたのは、あなた方のお陰でございます。村を代表してお礼を申し上げます。つきましてはそのお礼なのですが……」


「いや、待ってくれ」


 立ち上がりかけた村長をデミトールは止めた。


「ここを宿代わりにさせてもらうだけで十分だ。それよりもここには態度の悪い兵士は来なかったか?」


 確かな意思ではないとは言え、自分の指示で雇い入れた劣悪な兵士はどうしたのか。

 無法を働いていないか、

 彼は気になり尋ねる。


「ああ、たまに来ておりましたな。だがこんな寂れた村には何の旨味も無かったようで、時々顔を出して野菜をもぎ取るぐらいでしたよ。あれもご領主様が病に伏せっている時にのさばった悪党だと聞かされた時にはなるほどな、と思いました。まさかアレらが嫌がらせで、死骸を捨てて何かしたのではとも思うのですが……」


 気になることはあるが、この村には劣悪な兵士による直接の被害は少ないらしい。


(大量の獣の腐った死骸か)


 デミトールは征伐に従事した兵士の報告を思い出す。


「デミさん、この村だけでは済まないかもしれないな」

「ソーさん、私もそう思ったよ。済まないが村長殿、一つ頼まれてくれないか?」


 デミトールは筆を借りると手紙を一通認めた。


「これを領主館宛てに届けてほしいのだ」

「領主館に、ですか? それは構わないのですが、どなたにお届けすればよろしいでしょうか」


 怪訝な顔をしながらも村長は請け負ってくれそうだ。


「特に宛名を告げなくともあちらは分かるはずた。なに、あそこには少しツテがあってな。この異常事態を知っておいてもらうべきだろう?」

「おお、そういうことでしたか! それはありがたい、早速明日にでも手続きいたしましょう」


 感謝を重ねる村長によるもてなしを受け、デミトールはこそばゆさと少しの充足感を得て、その日ゆっくりと眠りに就いた。






「うう〜ん、よく寝たぜ」

「おはようセス。ご機嫌だね」


 翌朝、起床し気持ち良さそうに伸びをするセステウスにアスクレスが挨拶をした。

 セステウスは手足の臭いを嗅いで笑顔を見せる。


「そりゃそうだろ。昨日はあんな腐った奴らをブン殴って、ベトベトで悪臭まみれになって寝なきゃいけねえかと思ってたんだからよぉ。ここで湯浴みできて洗濯できて寝床と食事にも恵まれりゃ、ご機嫌にならねえ方がおかしいってな」

「だがセスよ、そう呑気にもしていられないぞ。それにあんな魔物と戦う機会が増えるかもしれん」

「げえ〜、デミ様からもらった装備、俺大事にしてるんすけど……」


 セステウスは、デミトールを解放した時の褒美で受領したナックルガードと軽金属入りのブーツを悲しそうに見た。


「ダメじゃないかセス兄、道具は持ってるだけじゃ意味ないんだからな」

「お前が言うなよ……木剣で戦ってたの知ってるぞ」

「俺の場合はソージ先生の方針だからいいの」

「なんだよそれ」


 ライオホークは古い聡慈の剣を持たせてもらっていたが、まだ真剣を使う許可を得ていない。

 だが今回の魔物戦で未熟さも思い知ったばかりなので、不満さを見せることも無かった。


「リオ、このまま進むと木刀では身の危険を回避できん事態に遭遇しそうだ。修行は木刀で行うが、実戦は剣を使っていこう」


 聡慈はライオホークに与えた剣を持ち、抜き身にして彼に手渡した。


「戦いにあっては残心を怠らず、修行にあっては自身の心と向き合うことを大切にするのだぞ」

「はい、ソージ先生!」


 ライオホークは恭しく剣を受け取り、上機嫌で剣を磨き始めた。


「ガキだなぁ……もがもが」


 セステウスの呟きが大きくならないように、アスクレスが彼の口を塞いでいた。



 居心地は良かったが腰を落ち着けているわけにもいかない。

 朝食を振る舞われてそれ程たたぬ内に、五人は村長に礼を言い村を後にした。






「領主館には、ゴロツキ兵の解雇手続きを進め正規兵の巡回を増やす他に、魔物出現実態を早急に確認するように伝えた。だが、私たちも進路にある町や村には積極的に寄って行こうと思う」


 デミトールの提案を否定する者はいなかった。

 領主館から遠い場所ほど兵士による確認は遅れる。

 寄り道は好ましくないが、経路からそう外れない人里に寄るぐらいはして行こうと五人は決めた。






「む? ソーさん急に力強くなったな」


 修行の最中デミトールは聡慈の剣を受けて、腕に伝わる重さに首を傾げた。

 気のせいではなく聡慈の動きは確実に速く、剣撃は鋭くなっている。


「ああ、どうやら闘級が上がったようでね。寝て起きたら力が溢れるようなあの感覚は全く不思議なものだな」

(なんだかバルクアップしていくのを楽しんでいた頃を思い出すな)


 デミトールにはまだまだ軽く捌かれているが、トレーニングを継続し肉体改造されていくのと同様の楽しさを聡慈は感じている。


「闘級か、私は上がらなくなって久しいが。ソーさんもそうではないのか?」

「いや、私は二、三か月前に上がったかな。今回上がって五、になったと思う」

「ははは、冗談好きだな。十五の間違いだろう? それにしても上がり幅が大きく感じるような……」

「う〜ん、正確かは分からないがそんなものだと思うんだがなぁ」


 デミトールも聡慈も揃って首を傾げた。


 デミトールは聡慈の力強さが一気に、自分の所の正規兵と比べても中から上位にくる位に向上したと感じている。

 その上聡慈は魔法への造詣も深い。

 魔法まで使った戦闘では容易に聡慈を下せないだろう。



 また力をつけているのは聡慈だけではない。

 セステウスとライオホークも戦い方が洗練されていった。

 アスクレスは相変わらず戦闘を苦手としていたが、修行中に負った傷を治したり、聡慈と共にデミトールの診察をしていたことにより、治療技術は確実に上達していた。

 戦力的に不安を感じていたデミトールにとっては喜ばしいことであった。




聡慈の闘級が上がった。

入間聡慈

闘級 4→5

体力 207→257

魔力 93→124

力  40→49

防御 51→63

速さ 43→54

器用 49→58

精神 67→83

経験値 200 → 330


技能

⚪︎魔言語★5

⚪︎魔視★5

⚪︎自然回復上昇・中

⚪︎魔力自然回復上昇・小

⚪︎見抜く

⚪︎反撃

⚪︎第六感

⚪︎流し斬り


称号

⚪︎薬師★5

⚪︎被虐者(克服)

⚪︎轡取り★5

⚪︎伯楽★5

⚪︎不屈漢★5

⚪︎狩猟者★3→4

⚪︎逃亡者★3

⚪︎魔具職人★3

⚪︎見習い剣士★5

⚪︎見習い魔法士★5

⚪︎翻訳士★5

⚪︎軽業師★3

⚪︎医術士★3→4

⚪︎剣士★1

⚪︎魔法士★1


耐性  毒、麻痺、睡眠、混乱、吸収、魔封


状態  自殺者の呪印、献身者の聖印

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