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真相は闇の中

 あれから数ヵ月。


 ミサトは再び、ユウジの事故現場にいた。

 小さな花束を手向け、合掌する。


「ユウジ……」


 あの後。

 ミサトが目を覚ますと一人だった。

 いつの間にか拘束具は外されていた。


 キョウジがいないのを確かめてから逃げる様にその場を後にした。

 翌朝、テレビのニュースでキョウジが行方不明になったのを知った。

 警察からも心当たりを聞かれたが、頑なに「知らない」と言い張った。


 何が起きたのかは分からない。

 だがミサトは何となく自分が『助かった』のだと理解していた。


「ユウジ……貴方が助けてくれたの?」


 まさかね、とミサトは首を振った。


 ミサトは空を見上げた。

 すっきりと晴れた青空が眩しい。

 ミサトは空に向けて合掌した。


「……ありがとう」






     


「……“悪しき魂”が見える……」


 闇の中に少女の声が響く。


「おいで……『無明』」



 少女は今宵も“悪しき魂”を狩る。


 小さな『匣』に“傀儡”を入れながら思うのだ。


 この『匣庭』が一杯になった時。

 自分は“人間”になれるのだ、と。


 きっと。


 きっと。


 その日の為に少女は狩り続け、作り続ける。


『匣庭―Doll House―』



     【第一部・完】

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