3 キャラクター作成完了
しばらく時間が経過し、ようやくキャラクターの作成が終わった。
ステータス
名:シャドウ 種:獣人(黒豹) 職:シーフ
種族Lv 1
職業Lv 1
HP 150
MP 150
STR 33
VIT 5
INT 15
DEX 10
AGI 43
LUK 5
BP 0
SP 0
スキル
【短剣】Lv.1、【暗器】Lv.1、【隠密】Lv.1、【察知】Lv.1、【鑑定】Lv.1、【看破】Lv.1、【偽装】Lv.1、【暗殺術】Lv.1、【闇魔法】Lv.1、【毒魔法】Lv.1
称号
<最初の黒豹>
キャラクター作成時に、全プレイヤーの中で初めて、黒豹になった時に貰える称号。
STRとAGIが3上昇する。
まず、初めにHPとかMPなどをアイに聞いた。
ざっくり纏めるとこうらしい。
HP
体力。無くなると死ぬ
MP
魔力。魔法やスキルを発動すると減る。
STR
力。物理で与えるダメージに影響する。
INT
知力。魔法で与えるダメージに影響する。
VIT
防御力。被ダメージに影響する。
DEX
器用さ。武器の扱いや生産の成功率に影響する。
AGI
素早さ。行動や回避に影響する
LUK
運。ドロップ率やテイム成功率などに影響する。
ステータスは種族レベル、職業レベルが上がるとBPが入り、それを振るとステータスが上がるそうだ。
俺はBPは、全てAGIに振る予定である。
暗殺者にはSTRとDEXも少しは必要かもしれないが、STRは武器で、DEXはリアルの技術を使えば、補えるだろう。
AFWではステータスとは別にリアルの身体能力も影響する。仕組みはよく分からないが、体をスキャンして身体能力を計っているそうだ。
だが、それではスポーツマンと引きこもりでは差が大幅に出来てしまう。だから、影響する身体能力には限界値を決めているそうだ。
俺はすべてが限界値だった。アイは故障が起きたと思い、何度もスキャンしていたが、結果は変わらなかった。
リアルでは助走無しで30m跳躍したり、手刀でリンゴをナイフで切ったように真っ二つにしたり、1km先の的に投げナイフを投擲し、ど真ん中に命中させたりと、周囲からは何度も化け物とか言われてた。
限界値になっても仕方が無いだろう。
次に職業だ。
職業によって、ステータスの上昇や、スキルを取得可能状態に出来るみたいだ。
初期に選べる職業は10種類あった。
ファイター(武器)
戦士。STR+5。()の中の武器のダメージが上昇。(剣、槍、斧、拳、槌、棒)の中から選択。
ウィザード(属性)
魔法使い。INT+5。()の中の魔法のダメージが上昇。(火、水、風、土、光、闇)の中から選択。
クレリック
僧侶。INT+5。【治癒魔法】の回復量上昇。
アーチャー
弓使い。AGI+2、DEX+3。弓のダメージが上昇。
ソルジャー
兵士。VIT+5。盾装備時、被ダメージ減少。
バード
吟遊詩人。INT+2、DEX+3。楽器装備時、【支援魔法】の効果が上昇。
シーフ
盗賊。 AGI+5。【罠感知】、【罠解除】を取得可能。
テイマー
魔物使い。 LUK+5。テイム成功率上昇。
サモナー
召喚術士。 INT+3、LUK+2。【召喚魔法】を取得可能。
ワーカー
生産職。 DEX+5。生産の成功率、品質が上昇。
暗殺者は無かった。
アイに聞くと、最初は決められた職業しかないが、職業レベルが上がるとクラスアップが出来るそうだ。
クラスアップというのは、職業レベルが一定までたどり着くと、上位の職業に就くことが出来ることだ。
上位の職に就くことで、ステータスの上昇や新たなスキルを取得することができ、クラスアップ先はプレイヤーの行動によって増えるそうだ。
つまり、俺も暗殺者らしく、何人も、何匹も暗殺していくと、その職業になれる可能性があるということだ。
進んで暗殺するとしよう。
ちなみに選んだのはシーフだ。
選んだ理由としては、AGI上昇値が他の職業に比べて高いからだ。それに暗殺者を目指すには良い職業だろう。
次にスキルだ。
スキルは最初に10個選んで取得できる。
俺が選んだのはこれだ。
【短剣】
短剣の扱いが上手くなり、ダメージが上昇する。レベルが一定まで到達すると武技を取得する。
【暗器】
暗器の扱いが上手くなり、ダメージが上昇する。レベルが一定まで到達すると武技を取得する。
【隠密】
スキル発動中、MPを消費し続ける。周囲から見つかりにくくなる。
【察知】
パッシブスキル。周囲にいる動物の気配を察知できる。
【鑑定】
対象の情報が表示される。
【看破】
取得前提スキル【鑑定】
【偽装】を見破り、対象の本当の情報が表示される。
【偽装】
【鑑定】をされた時に、偽の情報を表示させる。
【暗殺術】
対象の首や心臓と言った弱点が赤く光る。対象から視認されていない状態で弱点を攻撃すると、ダメージが大幅に上昇する。
【闇魔法】
魔法【ダークアロー】が使用可能。レベルが一定まで到達すると魔法を習得する。
【毒魔法】
魔法【ポイズンバレッド】が使用可能。レベルが一定まで到達すると魔法を習得する。
暗殺に必要そうなスキルを取った。
足りない分はSPを使って、後々取得する予定だ。
その取得方法だが、AFWには二つある。
SPを使って取得する方法と熟練度を溜めて取得する方法だ。
前者はそのままだ。
取得可能なスキルをSPを使用して取得する。
後者はある程度経験することによりSPを使用せずに取得できる。
例えばだが、【短剣】を取得したい場合は、短剣を何百回も戦闘で使用すればいいそうだ。
流石に面倒なうえ、SPはスキルレベルが5の倍数の時に貰える。
だから、普通はSPを使用して取得する方法だそうだ。
最後に称号だ。
称号はアイが言っていたが、極稀にプレイヤーの行動によって入手できるそうだ。
【最初の黒豹】は効果は、STRとAGIに少しだが足されている。
「これにてキャラクター作成は完了です。完成した姿はこちらです」
アイは微笑みながら、俺が作成したキャラクターを表示させる。
黒髪に赤目、頭には黒豹の耳が生え、臀部付近には黒い尻尾が生えている。
身長は175cmほどで、無表情だ。
リアルと変わったのは目と耳と尻尾くらいか。
「どうでしょうか。変更点がある場合は、言ってください」
「これで大丈夫だ」
「はい。承知しました。それでは、キャラクター作成はこれで完了です。お疲れさまでした」
アイはそう言って頭を下げた。
「助かった。礼を言う」
俺も礼を言うと、意識が現実へと戻る。
強制的に戻されたらしい。
一階のリビングに移動すると、凛華がソファに座っていた。
「お帰りー。どんなキャラクター作ったの?」
「実際に会った時に見せる。今は秘密だ」
「えー……まぁ、その方が新鮮に感じて楽しそうかな」
「……それで、これはどういう状況だ?」
「あー、えっと……」
テーブルの上には皿が置いてあった。
皿の上には黒い塊と米が置いてある。
凛華の顔を見ると、目を激しく泳がせている。
「そのー、ほら、お腹が減ったからさ。今って20時でしょ。それで、我慢できなくて……」
「凛華が作ったということか」
「うん。これ卵焼きとご飯ね」
卵焼き? 俺の目の前には黒い塊しかないんだが。
「はぁ」
ため息をつき、俺は黒い塊を鷲掴み、口に入れる。
すると、凛華は信じられないようなものを見た時の顔をしている。
……お前が作ったのに何で驚いているんだ?
「えっと、美味しい?」
「……普通だな。今度アドバイスを教えるから、それを参考に作ってくれ」
「……うん! 分かった。頑張るよ!」
凛華はその言葉で、満面の笑みを浮かべた。
だが、俺はそれどころではない。表情に出さないようにしているが、早くこの口にある物体を、吐き出してしまいたいほど不味い。表現できないほどの不味さだ。
だが、吐き出すわけにはいかん。せっかく凛華が作ってくれたのだ……これも暗殺者として、毒を盛られた時の耐性になるだろう。
俺はそう信じて、卵焼き? を食べ続けた。
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ステータス
名:シャドウ 種:獣人(黒豹) 職:シーフ
種族Lv 1
職業Lv 1
HP 150
MP 150
STR 33
VIT 5
INT 15
DEX 10
AGI 43
LUK 5
BP 0
SP 0
スキル
【短剣】Lv.1、【暗器】Lv.1、【隠密】Lv.1、【察知】Lv.1、【鑑定】Lv.1、【看破】Lv.1、【偽装】Lv.1、【暗殺術】Lv.1、【闇魔法】Lv.1、【毒魔法】Lv.1
称号
<最初の黒豹>
STRとAGIが3上昇する。