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16 報酬

脱字報告ありがとうございます。


 強敵を暗殺して喜びや快感を味わうはずだったのだが、何故こうなった。今もメールの受信音が連続で鳴っている。受信音がアラートに聞こえるほどだ。

 ……まずはこの五月蠅いメールの受信音を消すか。

 メニューを開き、設定でフレンド以外、受信拒否を選択。

 すると、五月蝿い受信音がピタッと消えた。これで静かに後始末ができる。


 次は録画を止めるとしよう。

 メニューから録画停止を選択する。


『録画を停止しました。データはプレイヤーのストレージに保存されます』


 これで録画完了だ。


 メールは後で見るとして、剥ぎ取りを早くするとしよう。確か、倒して5分後に死体は無くなるらしい。

 急いで剥ぎ取りナイフを出し、影狼王を刺す。

 すると、影狼王が複数の光の泡になり、戦闘時に頭と心臓に刺した鉄の短剣が地面に落ちた。それを拾い上げ、眺めると戦闘前と違う点があった。黒色の短剣に漆黒色の波動が渦巻いている。

 【鑑定】してみるか。


 怨念の短剣 耐久度 ∞ 品質B レア度 SR

 STR+15 【恨影牙】Lv.5

 影狼王ガロンの怨念が混めらている短剣。

 【恨影牙】:MPを消費し、短剣の先端同士を合わせることで発動する。影から影狼王の顔が出現し、その場にいる全員を噛み砕く。


 ……影狼王の恨みが入ったのか? しかし、恨まれるようなことは……心当たりがありすぎるな。隠れて心臓や頭を短剣で刺し、状態異常の毒にして遠くに逃げる。相手にしてみれば、恨むのも当然か。

 まぁどうでもいい事だな。負ける方が悪い。


 さて、改めて装備を見る。装備についているのは付与スキルだな。

 確か身に着けると使用できるスキルだったはずだ。レベルは経験値では上がらず、何かのアイテムを使わないと上がらないらしい。

 だが、この付与スキルは余り使い心地は良くないな。おそらく使用者も対象だろう。レベルが上がるアイテムを手に入れても使わないだろうな。


 短剣はここまでにして、ドロップ品の確認だ。


影狼王の皮 品質 A レア度 SSR

 非常に軽い漆黒色の皮。

 傷が無く、品質が高い。


影狼王の牙 品質 A レア度 SSR

 非常に軽く、硬い漆黒色の牙。

 根元から綺麗に取れている。


影狼王の肉 品質 C レア度 SSR

 非常に柔らかい肉。

 少量の毒が入っているため、品質は少し下がる。


影狼王の爪 品質 A レア度 SSR

 非常に軽く、硬い漆黒色の爪。

 根元から綺麗に取れている。


影狼王ガロンの魔石 品質 S+ レア度 EX

 影狼王ガロンの魔石。

 大きさは20cm程で、色は漆黒。

 影狼王ガロンの力が籠められている。

 売ることが出来ない。

 用途不明。


 皮が3、牙が3、肉が4、爪が10で、魔石が1だ。

 どれもレア度が高い。

 肉は毒が入っているから、品質が下がっている。これはグレイウルフの時に判明していたが、毒が無いと勝てるか分からなかった。仕方がないことだ。


 ドロップ品で気になるのは魔石だ。用途不明なのはゴブリンの魔石の情報で知っていたが……本当に何に使うんだ? 魔石を手に持ち、見ると漆黒色で輝いている。何も変化はない。……分からん。後でリンたちにも聞いてみるとしよう。


 次はステータスの確認だ。

 レベルが遥かに上の相手だ。相当上がっているだろう。

 取得したBPは全てAGIに振ってと。


ステータス

名:シャドウ 種:獣人(黒豹) 職:シーフ

種族Lv 8

職業Lv 8

HP 200

MP 200

STR 41

VIT 5

INT 15

DEX 10

AGI 69

LUK 5

BP 0

SP 17


スキル

【短剣】Lv.9、【暗器】Lv.4、【隠密】Lv.10、【察知】Lv.7、【鑑定】Lv.9、【看破】Lv.2、【偽装】Lv.1、【暗殺術】Lv.11、【闇魔法】Lv.4、【毒魔法】Lv.7、【跳躍】Lv.7、【登攀】 Lv.2、【暗視】Lv.8、【投擲】Lv.5


称号

<最初の黒豹>

STRとAGIが3上昇する。


<エリアボス初攻略者>

全プレイヤーの中で初めてエリアボスを倒した時に貰える称号。

STRが3上昇する。


<エリアボス初ソロ攻略者>

全プレイヤーの中で初めてソロでエリアボスを倒した時に貰える称号。

PTメンバーがいない時に与えるダメージが上昇する。


<影狼王を制し者>

影狼王ガロンを制した者が貰える称号。

AGIが5上昇する。


<大物殺し>

自身よりレベルが20以上の魔物を倒したときに貰える称号。

HP、MPが50、STRが5上昇する。

自身よりレベルが高い相手に対し、ダメージが増加する。


<無情>

どんなに卑怯な手を使っても、どんなに相手が苦しい思いをしていても、何も思わない無情な者に送られる称号。

状態異常の付与成功確率と効果が上昇する。


 ボス戦で使用したスキルレベルに種族、職業レベルも3上がっている。スキルポイントもボス初討伐報酬で入り、17SPある。

 欲しかった【サイレンス】を取得するか。10SPを使用し、【サイレンス】を取得する。


『【サイレンス】を取得しました』


【サイレンス】

 武技の発動や魔法の詠唱、発動時に声を発しない。

 呼吸の音や物に衝突した時の音も消せる。


 後は3SPを使用し、取得可能リストで気になっていた【無臭】も取得する。


『【無臭】を取得しました』


【無臭】

パッシブスキル。臭いを消す。


 スキルレベルが無いスキルだが、どんなに嗅覚が優れている魔物でも、臭いで気づかれることを無くせる。これでウルフに気づかれることは無いだろう。


 称号も相当増えたな。

 効果でHP、MP、STR、AGIが上昇している。

 それにしても……無情って。訂正して貰いたい。卑怯な手を使って、何も思わないわけじゃ無い……喜びはある。


 次はソロ討伐報酬の、ガロンのフード付きローブだ。


ガロンのフード付きローブ 耐久度 ∞ 品質S+ レア度 EX

 DEF+10 SPD+50 スキル【影移動】Lv.10

 影狼王ガロンをたった一人で倒したものに送られる漆黒のローブ。

 壊れることが無く、重さを感じない装備。

 【影移動】:MPを消費し、影の中を移動できる。

 

 強い。DEFは少しだけ上昇するが、SPD上昇値が段違いだ。

 【影移動】も攻撃の回避や隠密時にかなり使えるだろう。

 装備の性能は上がり、スキルも良い。前のローブを作ってくれたテリルには申し訳ないが、早速着てみるとしよう。

 見た目は変わらないが、前よりも更に黒くなった。軽く走ってみると、以前よりも断然速い。色的にも暗殺者にも似合い、素晴らしい装備だ。

 

 しばらくローブの性能を試したが、そろそろメールを確認するとしよう。

 ワールドアナウンス後に、大量にメールを受信している。邪魔だ。

 まず、フィルター機能でフレンド以外のメールを表示し、全て削除する。フィルターを解除すると、フレンドからのメールが残った。

 ギルド【ワークス】全員からメールが来ている。ざっと見ると、共通しているのは、歓迎するから【ワークス】においでよ。と言ったところだ。


 ……素材だろうな。

 まぁ俺自身、【ワークス】以外に知り合いはいない。行こうと思っていたところだ。……今日は厳しいがな。

 ここからだと急いでも、一時間ほどかかる。

 今は深夜1時だ。既にリンとの約束を破ってしまっている。素材は明日にするか。

 眠い。明日の朝に行く。と【ワークス】の全員にメールを送っておく。

 すると瞬時に全員から帰ってきた。早く帰りたいのだが……

 返事は全て、分かった とのこと。

 ひとまず家に戻ろう。




 一時間ほど木の上を跳び、街に到着。

 東の門の上から入り、そのまま屋根の上に着地する。

 街は夜だというのにお祭り騒ぎだ。特に東の門の前は大渋滞が起きている。大渋滞の先頭には全身金色の鎧を着た……ルーデントもいた。

 何があったんだ? 俺は【隠密】を使い、隠れながら近くにいた二人の戦士風のプレイヤーの話を盗み聞く。


「おい、帰ってきたか?」

「いや、まだだ。しかし、本当に【七色の勇者】は邪魔だな。【七色の愚者】の方が似合うぜ」

「ほんとだよ。東の門の前で全メンバーで陣取ってやがる。本当に邪魔なギルドだ」

「……まぁ、気持ちは分からんでもないがな。エリアボスをサービス開始から半日で倒しちまうやつは、攻略組のギルドなら欲しいだろ」

「ああ。それに倒したエリアボスは第一エリアの中で、一番難易度の高い狼の森だ。他の三か所はエリアボスさえ見つけてないのに」

「しかもソロだろ? βテストの時はトップPTでも、一番簡単なはずだった草原のエリアボスさえ倒せなかったんだぞ」

「そうだな。だから、有名なギルドも多数、門の前にいるだろ」

「すごいよな。大規模のトップ攻略ギルド【暁の帝国】に中規模のトップ攻略ギルド【アニマルスキー】、小規模のトップ攻略ギルド【ジークと愉快な仲間達】に同じく小規模の攻略ギルド【忍連合】がいるぞ。来たら絶対に勧誘されるぜ」

「ああ、シャドウってやつはもみくちゃにされそうだな。それにしても影狼王ガロンって初めて聞いたな。βテストの時、狼の森のエリアボスは狼王リュコスだったろ?」

「そうだ。第一凶暴化でも辛いのに、HP3割切ったら、第二凶暴化が待ってるあいつだ。ということはエリアボスはβテストの時と変わっているみたいだな」

「ああ、にしてもお前。何で説明口調なんだ? いつもと話し方が違うぞ?」

「何か詳しく説明しなきゃいけないと思ってな。それに……お前もだろ?」

「バレたか。何でだろうな?」


 戦士風のプレイヤー二人は首を傾け、移動していく。説明に感謝だ。


 どうやらこの人だかりは、俺をギルドに勧誘しようとしているそうだ。だが、ギルドに今のところ入る予定はない。

 このまま隠れながらマイホームに戻るとしよう。

 



 何事も無く家に到着し、フレンドリストを見ると、既にリンはログアウトしているようだ。俺もログアウトしよう。

 ベッドに入り、メニューからログアウトを押した。

 

 意識が現実世界に戻り、目を開ける。また腹の上に凛華が乗っているようだ。前とは違い眠っている。

 時間を見ると深夜2時だ。凛華を起こさないように、そっとVR機器を外す。エリアボスとの戦闘は疲れたし、丁度いい抱き枕もある。俺も寝るとしよう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ステータス

名:シャドウ 種:獣人(黒豹) 職:シーフ

種族Lv 8

職業Lv 8

HP 200

MP 200

STR 41

VIT 5

INT 15

DEX 10

AGI 69

LUK 5

BP 0

SP 4


スキル

【短剣】Lv.9、【暗器】Lv.4、【隠密】Lv.10、【察知】Lv.7、【鑑定】Lv.9、【看破】Lv.2、【偽装】Lv.1、【暗殺術】Lv.11、【闇魔法】Lv.4、【毒魔法】Lv.7、【跳躍】Lv.7、【登攀】 Lv.2、【暗視】Lv.8、【投擲】Lv.5、【サイレンス】Lv.-、【無臭】Lv.-


称号

<最初の黒豹>

STRとAGIが3上昇する。


<エリアボス初攻略者>

STRが3上昇する。


<エリアボス初ソロ攻略者>

全プレイヤーの中で初めてソロでエリアボスを倒した時に貰える称号。

PTメンバーがいない時に与えるダメージが上昇。


<影狼王を制し者>

AGIが5上昇する。


<大物殺し>

HP、MPが50、STRが5上昇する。

自身よりレベルが高い相手に対し、ダメージが増加する。


<無情>

状態異常の付与成功確率と効果が上昇する。

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