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戻り梅雨の、夏の日だった。教室の窓から見える四角い空は、馬鹿みたいに青くて、澄んでいて。

高く聳える入道雲が、眼下に往く千切れ雲を目で追っていた。


──一点の曇りすらない、夏色の空。


千切れ雲から舞落ちてゆく、その場限りの、侵略者。

薄墨色のアスファルトを多い尽くし、己が存在を必死なまでに主張していった、彼等彼女等。


雲散霧消と成るこの大地を無惨にも覆い尽くし、その爪痕を残した、婉美で儚い侵略者は──それだけでその主張を終えようとの意は、毛頭無いらしい。


薄らと生起した茜色の筋は、仄かに青に染まった空を朱へと重ねて染める。

宛ら、新たな侵略者と思しきソレと合作して蒼穹に描かれたのは、幾筋もの光の環。


──戻り梅雨の、空だった。

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