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力が重なるおはなし  作者: 椥桁
力が重なるおはなし
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力が重なるおはなし

 それは、いくつかの偶然が重なって起きた、奇跡だったんだと思う。



 僕の目は彼女に釘付けにされた。



 彼女が僕と同じであることはすぐにわかった。



 たとえ出会いがテレビの画面越しであっても。



 自分の存在を知ってほしい。



 一目、僕を見れば彼女もまた、わかるはずだ。



 会いたくてどうしようもない。



 行動しなければきっと後悔する。



 僕にはもう何も残されていない。



 彼女しか、いない。



 僕は高く高く舞い上がる。



 そしてコイに落ちていった。

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