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さて、どうするか。
「ステータスオープン」
俺はとりあえず手近にあった木の根元に腰を下ろし、自分のステータスとやらを呼び出す
名前:ナガエ カズマ
称号:異世界からの転移者
Lv:1
STR:F++
AGI:E+
DEX:E
VIT:F
INT:F-
MAG:F-
LUC:G
スキル:アイテム作成
鑑定眼:Lv1
「何度見ても変わらいなよなぁ……。って言うか、スキルってどうやって使えばいいんだよ。たぶん、パッシブスキルじゃないだろ。」
俺はそう思いながら自分のステータスを、特に<アイテム作成>を凝視していたら
アイテム作成:素材を消費してアイテムを作成する。一部アイテムは素材がなくても作成可能。作ったものに応じて魔力が消費される。
こんな説明文が視界の端に表示された。もしかして、知りたいと思った項目を見れば発動するのか?そう思い俺はステータスの各欄を見てみる。
AGI:移動力。ステータスが高いほど移動速度・回避力が上がる。
DEX:起用度。近接攻撃の命中率に影響する。また、生産された道具の品質にも影響を及ぼす。
VIT:体力。高ければ高いほど打たれ強くなり、激しい運動をしても疲れにくくなる。
INT:知力。魔法に威力や発動速度等に影響を及ぼす。高ければ高いほど優秀。
MAG::最大魔力。高ければ高いほど体内に魔力を取り込むことができる上に、1回の魔法で大量に魔力を消費できる。
LUC:運。どれだけツキがあるかを示す。
……うん、知ってた。ここぞと言うときのヒキが悪かったのはこれのせいかー。視界がボヤけてくる。これは目から汗が出てるせいだな、うん。せっかくだし、鑑定眼も見ておくか。俺は目元の汗を拭いステータスにもう一度目をやる。
鑑定眼:知りたいと思ったもの・事柄の解説が表示される。任意でON/OFF切替可能。Lvが上がれば上がるほど調べることが可能な対象が増えていく。偽装・隠蔽のスキルを無効化可能。
思った通りの効果だな。ただ、これだけで何ができるかというと…思いつかない。とりあえず…<アイテム作成>を使ってみないことには何ができるのかわからん。俺はそう結論付けると学校のカバンからノートを取り出し、白紙のページを数ページ破り取る。
「さて、これを持って…<鑑定眼>と同じなら、何を作りたいって思うだけでアイテムが作れるはずだ。」
俺はそう予想を立て、世界地図を作りたいと念じる。…ついでに拡縮自在で俺のいる現在地の表示、それと周囲の地形まで表示されれば言うことなしだな。そんなことを思っていると、突如として身体の中から何かが抜けていく感覚とともに、手の中にあるノートの切れ端が光り輝いていく。光が収まるとそこには綺麗に折りたたまれた紙が置かれていた。
「よし、どうやら成功みたいだな。」
俺は実験が成功し安堵の息を吐き出し、何回か折りたたまれた紙を広げてみる。サイズとしては広げるとA3サイズくらいの紙だろう。そこには中央に大陸が一つ書かれていて、この世界の文字であろう字が書かれていた。何故か俺は読めるがこの際だ、ありがたく恩恵を受けよう。それによると、大陸の東西南北に大きな国があり、中央にも国があるようだ。山脈や川なんかもかかれているな、これはありがたい。
ついでだ、国とかの名前を<鑑定眼:Lv>で見てみよう。
【サッドグランニア帝国】:大陸の西にある国。土地が痩せていて農耕に向かないため、常に隣り合う国に争いを仕掛け、物資を略奪して大きくなった。別の国からは【侵略国家】の蔑称で蔑まれている。過去に【ノースグランニア王国】から独立した経緯がある。
【グランドブルー共和国】:大陸の東にある国。農耕に向かない土地柄ではあるが、国中にある河川から取れる魚介類の恵みで西の国ほど貧しくはない。また、河川が生活に密着していることから造船技術等は大陸随一。
【ノースグランニア王国】:大陸の北にある国。農耕が盛んで、大陸の食料庫とも呼ばれている。そのため、サッドグランニアから頻繁に争いを仕掛けられている。過去に【サッドグランニア帝国】が独立した。
【ミストレール王国】:肥沃な土地に恵まれ、国土の半分近くが森林地帯となっている大陸南部にある国。また、鉱山も何箇所かあり、ドワーフの作る金属製品は国家を上げてブランド化している。森林には多種多様な種族が生活しており、各種族で集落や村を作っている。
【セントラルシティ】:どこの国にも属しない、自治都市。大陸の中央にあり、どこの国に行くにも便利なため冒険者が多く、欲しいものがあればほぼ揃うとまで言われている街。
以上が地図の国名に<鑑定眼:Lv1>を使った結果だ。これは、セントラルシティとやらを目指す方向で良さそうだ。
そして、【サッドグランニア帝国】と書かれている文字の横に何やらピンのイラストがあるんだが…もしかして、と思いつつ地図の表面をスマホ感覚でピンチアウトしてみた。……おぉ、拡大されたし、街道らしき道もかかれてる。これで迷う心配はなさそうだな。
俺はセントラルシティに行くことを決め、歩き出した。
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