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おまたせしました。

アクセスありがとうございます。

 <魔法付与エンチャント>を使って麻袋に<空間拡張>の魔法をかけてから数日が経過した。


 あれから変わったことと言えば…道中、大きなイノシシやグレイリンクスと言う名の山猫のような魔物の群れが襲ってきたりしてきたくらいだろうか。結果として、俺とチアルの魔法の練習相手として撃退したわけだけど。その日は食事が保存食じゃなくて新鮮な肉だったことは覚えている。


 そして現在。トツの街に到着した俺とチアルは、御者のオッサンとともに運送ギルドのカウンターに提出するための報告書を作っている。これを提出して、護衛依頼完了の印を押してもらったものを冒険者ギルドに持っていくことで報酬が支払われるとのことだ。

「…正直、報告書の作成とかめんどくさいな。」

「その気持ちは大いに理解できるけどな。」

俺の言葉に御者のオッサンも同意を示す。

「だが、有事の際には参考資料となるし今回みたいな魔物の群れの情報も大事なんだ。」

「いつも護衛がつくわけじゃないから、ってことか?」

そう、今回俺らも元々は乗客としてここに来ようとしていた。そこに御者のオッサンから声をかけられたことが発端だったなと思い出す。

「それもある。もし魔物が大量発生していたら冒険者ギルドや相応の機関に派兵依頼を出して安全を確保したりしないといけないしな。」

「あぁ、そのための根拠ってことか。」

「そういうことだ。ギルドが腰を上げるための材料にもなるから、運送者当事者が書類を作らないといけないんだ。仮に魔物を退治することがあれば、相手の強さも参考にしなくてはいけないから護衛を受けた冒険者にも書類作成に携わってもらうんだけど…。」

「正直めんどくさい。」

コレは俺の偽らざる本心だ。何が悲しくて依頼をこなしてまで書類作業をしなくちゃいけないんだ。いや、書類を書いてるのはオッサンなんだけど。

「そうなんだよ。冒険者みんなソレが原因で護衛依頼を敬遠する傾向にあるんだ。」

そう言いながらオッサンは苦笑し、筆を置く。

「さて、これを提出すれば依頼完了の印を押してもらえるはずだ。」

そう言ってオッサンはついてくるように促す。俺としてもさっさと終わらせたいので素直にオッサンについていくことにする。


 結論だけ言うとすれば、オッサンについていった書類提出は3分もかからずに終わった。依頼完了印を冒険者ギルドに持っていって報酬をもらうほうがよっぽど時間がかかっていたのも……まぁ、そんなもんか。


 現在、俺達はオッサンと別れて今日の宿を探している。別れ際にオッサンから

「ダンジョンで稼ぐにしろ護衛で稼ぐにしろ<索敵>と<危険感知>のスキルは持っておくと生存率が大幅に上がるぞ。」

とのありがたいアドバイスまで頂いた。どうもオッサンの実体験とか聞いた話の傾向とかからのアドバイスらしい。先人のアドバイスは素直に受けておくことにするので、さっさと宿を決めて実験の続きをしたいものだ。


 しばらく街をうろついて目についたものを買った後に、俺とチアルは無事宿を抑えることに成功したので、さっさと部屋に閉じこもって実験として…俺は<アイテム作成>を使って<索敵>と<危険感知>のスキルを覚えられるアイテムを作って俺とチアル、それとワンコとクックーにも使った。…魔法関連のスキルは使えなかったのに、<危険感知>と<索敵>は覚えられたようだ。

「…わけわかんねぇ。」

「あはは…あまり深く考えても、しかたないですよ。」

俺のつぶやきにチアルはそう苦笑いしているが

「同じスキルを覚えるのに魔法がダメで探知系はいけるってのは何か理由でもあんのかな?」

あ、探知系っていうのは<索敵>と<危険感知>を俺の適当なセンスでくくっただけの言葉な。

「うーん…あくまで仮説なら聞いたことはありますね。」

「お、どんな仮説だ?」

「スキルは元々は個人個人…この場合は魔物も含めて個体それぞれって意味なんですけど、元々持っている才能が表面化したものだって言われています。逆に覚えることのできないスキル…一番わかり易いのは魔法の属性ですね。覚えられないスキルに関しては挑戦するだけ無駄、元々素養がなかったのではないかって言われています。」

「なるほどなー。…で、元々適性が低かったスキルに関しては、レベルアップが遅いとかそんなか。」

「はい、そういうことです。」

やっぱり研究している人、いるんだなとかそんな的はずれな事を考えつつ俺はベッドに倒れ込みそのまま目を閉じる。…このまま、寝てもいいよな。ベッドが久々に感じるし。


 翌朝。俺が目を覚ますとチアルはもう起きて身支度を終えていた。…いつも俺よりも早く起きている気がするが、どうやったらそんなに早く起きれるんだか。とりあえず

「…おはよ、チアル。」

挨拶だけして俺も身支度をして、経験値の飴のストックを多少作っておくとしよう。


 <アイテム作成>で砂糖を準備して、俺が準備を終えたところで

「カズマさん、お願い…というか提案があるんですけど。」

「お?チアルがそういうって珍しい気がするな。何だ?」

ここ数週間彼女と行動をともにしてきたが「お願い」って言われたのは初めてな気がする。

「大したことじゃないんですけど…そのお菓子、いつも同じものですよね?」

「ん?舐めるだけで経験値を稼げるっていうのが一番の目的だからな。」

「それはすごいことだと思うんですけど…その、一日中口に入れてると、違和感がすごくて…。」

「……あー、言いたいことはなんとなくわかった。」

確かに言われるまで気づかなかったが、昨日まで舐めていた経験値の飴は全て同じ味だった。…そりゃ飽きるわな。

「なら、少し方向性を変えてみるか。」

飴の味で何がうまかったか思い出す。鉄板なのはオレンジ、レモン…あぁ、「おパイン飴」って一部で強烈なインパクトを残したパイナップル味もウケはよさそうだな。後は俺の好みでハッカか。何回かに分けて味を変えて作ることになるが…それは許容範囲内か。ソレに元々の「いちごみるく」味も含めて5種類あれば飽きは来ないだろう。俺は手っ取り早く経験値の飴を作りあげる。


 …ハッカの白い飴を見て綺麗さに興味を持ったのか無警戒に口に放って、その後涙目になりながらチアルが飴を舐めていたのは悪いが笑ってしまった。お陰で他の味にも警戒されてしまったが、お気に召さなかったのはハッカだけらしい。


 チアルが飴の味を試している間に俺は街で適当に買った剣と、これまでの相棒であったグレッグ26をそれぞれ手に取り、<アイテム作成>を念じる。せっかくファンタジーな世界に来たんだ。これくらいのロマン武器を作って使っても許されるだろう。両手に持っていた銃と剣が光りだして宙に浮き…互いに引き合い、高速で衝突した後一つの形を取ると光が収まる。俺は出来上がったモノの持ち手に相当する部分を手に取る。


 完成したのは、ガンブレードと呼ばれる武器。刀身部分で相手を斬り、タイミングよく引き金を引いてその衝撃でさらに深く傷を負わせるのがコンセプトであってたか。――ロマン武器に分類される?それがいいじゃないか。素材に使ったのがグレッグだったためかオートマのほうができたが気にしない。


 「できるのか不安だったけどあっさりできるもんだな。」

そう言いながら、刀身を鞘にしまう。刀身部分は剣のときだったものそのままのようで、剣を買ったときについてきた鞘がそのまま使えた。ラッキー。

 

 ともあれ、これで俺の準備は整ったわけだ。

「チアル、準備できたか?」

「はい、大丈夫ですよ。」

あ、まだ若干涙目だ。…ま、気にしないでおこう。

「なら、乗り合い馬車がないか…護衛依頼があるか確認行こうか。」


 俺達は朝日が登り始めた街を、宿から出て冒険者ギルドに向かって歩き始めた。

ようやく主人公が武器を持ちましたね。長かった…。


以下は主人公とチアルのステータスになります。





名前:ナガエ カズマ

称号:

ランク:G

状態:【臣下:チアル・ベルス カッパーウルフ クックー】

Lv:229


HP:44/44

MP:62/62

AGI:D++

DEX:D++++

VIT:D

INT:D-

MAG:D++

LUC:G++++

スキル:<アイテム作成><魔法付与エンチャント><鑑定眼:Lv5><賢者の石:Lv5>

    <地属性魔法適正:F:Lv1><水魔法適正:C:Lv1><火魔法適正:D:Lv2><風魔法適正:F:Lv9><時空魔法:E:Lv2><デュアルキャスト><ディレイキャスト>

    <剣術:D:Lv4><射撃術:F:Lv2><体術:E:Lv3><盾術:F:Lv9>

    <索敵:Lv4><危険感知:Lv2>

発現待ちスキル:??? ??? ??? ???



名前:チアル・ベルス

称号:<ナガエ カズマ>の奴隷

ランク:G

状態:【隷属:ナガエ カズマ】

Lv:153


HP:38/38

MP:89/89

AGI:F+++

DEX:D++++

VIT:D-

INT:B++

MAG:C++++

LUC:E+++

スキル:<地属性魔法適正:G:Lv9><水魔法適正:F:Lv2><火魔法適正:C:Lv5><風魔法適正:F:Lv4><光魔法適正:C:Lv5><闇魔法適正:G;Lv2><デュアルキャスト><ディレイキャスト>

   <棒術:G:Lv5><体術:F:Lv1><護身術:G:Lv3>

   <索敵:Lv2><危険感知:Lv5>

発現待ちスキル:料理 ??? ??? ??? ???

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