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アクセスありがとうございます

しばらくテンプレ展開が続くと思います

 あれから急いで馬車内での時間つぶしの実験に必要なものを幾つか買い、走って停留所とでも言うべき冒険者ギルドの前に着いた。何故あれだけの立ち回りをしたのかも俺自身にもわからないが…ともあれ、さっさとこの宿場町からセントラルシティとやらに向かうとしよう。俺は冒険者ギルドの前に停まっている馬車…の御者と思わしきオッサンに声をかけることにした。


「すいません、この馬車ってセントラルシティまで行く馬車ですか?」

「あ?セントラルシティだ?このザンの宿場町からの直行便はないぞ、坊主。セントラルシティに向かうならコイツでトツの宿場町まで行って、そこからまた馬車の乗り継ぎだな。」

「あぁ、そうなんですね。トツの宿場町まで行くのなら、乗せてもらえますか?」

「あぁ、構わねぇが…坊主、ここからセントラルシティに向かうってことは冒険者か?」

「えぇ、登録したばかりですが…。」


御者と思わしき人が俺を見て、その後ろで必死に息を整えてるチアルを見て、チアルを心配そうに見つめるワンコを見て目を見開く。


「カッパーウルフがそんなに懐いてるなんて珍しいな…。せっかくだしお前ら、護衛依頼一つ受けてみねぇか?」

「護衛依頼って…馬車を?」

「あぁ。とは言え、ココからトツの街までは街道を進むから危険度は低いんだけどな。その分報酬も安くはなるが…護衛依頼はギルドへの貢献度が高く設定されてることが多いから、ランクアップへの近道にもなる。」


 さて、どうするかねぇ。確かに多少ギルドランク上げるためには依頼を受けたほうがいいんだろうが、護衛依頼なんて受けたことはない。そもそも依頼自体初めてなんだけど。

「あぁ、登録したばかりって言ってたな。それなら、今後のために護衛のときに気をつけるポイントとかも俺から教えるってことだどうだ?」

「確かに依頼自体始めてですけど…本当にこちらに有利な条件でいいんですか?」

「あぁ、いわゆる先行投資の一環だな。今後俺以外の馬車でも商隊でも護衛するときに役立ってくれるならいいことよ。運送ギルドじゃ、常に護衛依頼こなしてくれる冒険者は募集してるからな。」

冒険者ギルドの他に運送ギルドなんてあるのか。互助組織と考えれば当然かもしれないな。


 結局、俺らは御者のオッサン…ジェミーさんが出す依頼を受けて馬車の護衛をしつつ、トツの街まで向かうことになった。


 ザンの宿場町を出てからと言うもの、周囲は見渡す限りの草原。俺は護衛依頼の一環として御者台にオッサンと並んで座っている。チアルは馬車の中で休憩している。あまりに何もなさすぎて空に目をやると、雲一つない快晴だ。

「本当に何もないな…。」

俺は誰ともなしに独り言をつぶやく。すると隣のオッサンが乗ってきた。

「そうなんだよ、なにもないんだ。たまに運送ギルドのヤツとすれ違ったりはするけどな。」

「早い話、オッサンも暇だってことか?」

「そういうこった。こうやって一人で延々と馬車を走らせるのって、シンドイんだぞ?」

「……つまるところ、護衛ってのは口実で話し相手が欲しかった、と。」

俺の言葉にオッサンは笑いながら

「半分はな。だが、残りの半分は先行投資の面があるのは事実だぞ。宿場町同士を結ぶ物流は大事なんだが、護衛依頼を受けてくれる冒険者が少なくてな。」

人はどうしても派手さを求めるから仕方ない、ということらしい。少なくとも英雄譚に憧れる人が多いということも影響していそうだが。


 オッサンと俺は他愛もない話をしながら馬車に揺られて進む。途中で俺とチアルの関係を聞いてきたがただの主従関係と言っておいた。事実だしかまわないだろう。オッサンはつまらなそうな顔をしていたが。


 途中、馬を休ませるための休憩でチアルから魔法の使い方を教わっておく。スキルだけ覚えたのに使い方分からずに腐らすなんてもったいない。チアル曰く「簡単な生活魔法なら、誰でもすぐできる」とのこと。そしてスキルによる魔法はその延長なんだとか。よくわからないが使えるものはありがたく使わせてもらおう。

 

 数日間馬車は進み続け、その間に俺はRPGなんかでおなじみのアレを作る作業を空き時間を見てはしているが…。

「くぁーっ、うまく行かねぇ…。」

何度やっても麻袋にかけた魔法がすぐに効果を失ってしまう。

「時空魔法で<空間拡張>を袋の内部にかけるまではうまくいくんだけどな…。」

<空間拡張>とは読んで字のごとく、領域が決まっている空間を、亜空間でも使っているかのごとく広げてしまう魔法である。ちなみに時空魔法のFランクになった瞬間に使える魔法である。俺はこれを使ってRPGではおなじみのアイテムボックスを作ろうとしている。が、やはり魔法の効果時間の関係でうまくいかない。

「魔法を発動するときにマナとやらを多く使っても効果なし、広げた後の空間を狭くしても広くしても効果時間は変わらないし…うーん」

「くぅ~ん?」

俺が唸っているとワンコが近寄ってきて不思議そうな顔をしながらも、麻袋にじゃれ始める。ザンの宿場町を出るときにいくつか買っておいたから構わないけどな。

「これができると、今後がすごい楽になるんだけどなぁ。」

周囲に眼をやれば、馬車を引くための馬は川の水を飲んだりその辺の草を食んでいたり。御者のおっさん…ジェミーさんは泥を落としたり鋲の確認をしたりと簡単な馬車の整備をしているようだ。ワンコは俺の前で麻袋にじゃれているし、クックーは…捕獲玉の中で寝ているようだ。チアルはどこにいるのかと探そうとすると

「カズマさん、何してるんですか?」

声のした方に目を向けると、俺の手元を覗き込もうとしていたチアルがいた。

「あー…さっきまで、麻袋に【時空魔法】をかけて大きな荷物袋にしようと思ってたんだけどな。」

それに使っていた麻袋は今も絶賛ワンコがじゃれついている。チアルも俺に視線に気づいたのかワンコを見て微笑みながら、困ったような表情を浮かべる。

「…カズマさんは、<魔法付与エンチャント>のスキルを持ってないですよね?」

「持ってないな。…ここでスキルを確認して来るってことは。」

「はい。非生物に魔法をかけて効果を長時間得ようとすると、<魔法付与エンチャント>のスキルが必要になってきますね。<魔法付与エンチャント>で魔法効果を付与された道具は魔法道具マジックアイテムで、貴重品なんです。」

「そっか…。」

「カズマさんの<アイテム作成>で、中だけ大きい荷物袋って作れないんですか?」

チアルならそういう発想になるのは当然だろう。俺のスキルを知ってるんだしな。だが

「ザンの宿場町の部屋で試したけど、できなかった。できたのは何の変哲もない革の袋だったんだよな。」


 そう、既に試していてダメだったからやり方を変えてみた。が、結果は少しの効果があっただけですぐにもとに戻ってしまう。もう何度目かわからないが、休憩中の空き時間に半ば作業と化してしまった<時空魔法>を麻袋にかけてみる。当然時間が立つと普通の麻袋に戻り、中に入れてみた水(これも魔法で出したものだが)も全て袋から吐き出されてしまう。

「やっぱり、<魔法付与エンチャント>のスキルがないとできないもんかねぇ…。」

何の気なしに呟いて、俺は自分のステータスを気もそぞろに見てみる。


名前:ナガエ カズマ

称号:

ランク:G

状態:【臣下:チアル・ベルス カッパーウルフ クックー】

Lv:223


 ココらへんが変わったら困るな。何のためのステータスだって話だ。続けてステータスの大元、細かい内容も見ていこうじゃないか。


HP:44/44

MP:62/62

AGI:D++

DEX:D++++

VIT:D

INT:D-

MAG:D++

LUC:G++++


 あー、はいはい。相変わらず俺の運はわるいようで。もっとも、諦めがついてるけどな。


スキル:<アイテム作成><鑑定眼:Lv5><賢者の石:Lv5>

    <地属性魔法適正:F:Lv1><水魔法適正:C:Lv1><火魔法適正:D:Lv2><風魔法適正:F:Lv9><時空魔法:E:Lv2><デュアルキャスト><ディレイキャスト>

    <剣術:D:Lv4><射撃術:F:Lv2><体術:E:Lv3><盾術:F:Lv9>

発現待ちスキル:<魔法付与エンチャント> ??? ??? ???


 あー、スキルとかも変わって……変わってるよ、おい。以前見た説明通りなら、俺はもうすぐ<魔法付与エンチャント>のスキルを覚えられるはずだ。しかし条件がわからない。何が条件なんだ?


 実物を見る?いや、俺はそんなものを見たことないし触ったこともない。

 実物を作ろうと試みる?試みただけなら、誰でも発現待ちになれるはずだ。

 

 …結局考えてもわからんので、この世界の先達者に聞いてみよう。ということで、チアルを探して…見つけた。


「チアル、確認したいことがあるんだが、少しいいか?」

今夜の野営の準備…馬車まで走って数秒の距離で、その辺の木の実を集めをしていたチアルに声をかける。御者のオッサンは馬車の中で荷物の確認やらをしているらしい。聞かれても困る内容じゃないが…さっくりすませるか。

「ざっくり聞くぞ。ユニークスキルを覚えてる人はどんな人に多い?」

質問の意図がわからなかったのかチアルは目を丸くするが、すぐに考え始めてある程度の答えをくれる。

「うーん…そうですね、聞いたことのある範囲だと…やっぱり多いのは冒険者ですね。<魔法付与エンチャント>に限るなら…職人さんとか学者さんや図書館の司書さんが多いですね。」

「学者?司書?職人はわかるけど、どうして学者と司書が?」

「私も聞いた話でしか知らないですけど…ふと思い立って自分で魔法具マジックアイテムを作ってみたら覚えられた、っていうことが多いみたいですね。」

なんで思い立ったのかは疑問に思うが…。

「もしかしてとは思うけど、その学者。司書もだけどスキルを研究してる人たちだったりするか?もしくは図書館にスキル図鑑みたいのが置いてあったりとか。」

「さすがに何の研究をしている人たちかまではわからないですけど、スキル図鑑なら大きい街の図書館に行けば置いてあることが多いですよ?」

「…なんだって?」

なにそれ、超読んでみたいじゃないか。とりあえずそれは置いといて。職人は恐らく師匠から弟子へみたいな継承とかがある上に何度も繰り返し同じ工程を行うことがあるからだろう。もしかしたら経験則とかも伝わっているかもしれない。


 …つまりは、<魔法付与エンチャント>というスキルの存在を知ることが鍵の1つなのか?俺も<魔法付与エンチャント>のスキルの存在を知ったら発現待ちのリストに載ったし。そこからスキルを覚えられるかは…向き不向きによると信じたい。運なら俺には縁がなくなってしまう。


 ひとまず、ここまでの推測をチアルにだけ話して俺は再度麻袋の中に<空間拡張>の魔法をかけてみる。確率だとしたら…数こなすしかないだろうな。そう覚悟してまずは1度目。


 【<魔法付与エンチャント>を習得しました!】


 脳内に謎のアナウンスが流れる。俺が1回で<魔法付与エンチャント>を習得できるということは、恐らく適正の問題だと推測をしておく。

 その後、今<空間拡張>の魔法をかけた麻袋は普通の麻袋に戻ってしまったので、改めて麻袋に<魔法付与エンチャント>を意識して<空間拡張>の魔法をかけてみた。容量は…実験だし1立法メートルでいいだろう。ひとまず時間を置いて、どのくらい効果時間があるのか確認してみよう。


 少なくとも、その日就寝するまでは麻袋にかけた<空間拡張>の効果は切れることはなかった。

よくあるアイテムボックス自作回でした。

いつになったらちゃんと武器を持つんですかね。


今回は変更のあった主人公のステータスのみ掲載です


名前:ナガエ カズマ

称号:

ランク:G

状態:【臣下:チアル・ベルス カッパーウルフ クックー】

Lv:223


HP:44/44

MP:62/62

AGI:D++

DEX:D++++

VIT:D

INT:D-

MAG:D++

LUC:G++++

スキル:<アイテム作成><魔法付与エンチャント><鑑定眼:Lv5><賢者の石:Lv5>

    <地属性魔法適正:F:Lv1><水魔法適正:C:Lv1><火魔法適正:D:Lv2><風魔法適正:F:Lv9><時空魔法:E:Lv2><デュアルキャスト><ディレイキャスト>

    <剣術:D:Lv4><射撃術:F:Lv2><体術:E:Lv3><盾術:F:Lv9>

発現待ちスキル:??? ??? ??? ???

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